世の中の仕事には、いろいろな働き方があるよね。親の職業を聞かれたとき「うちの親は正社員」って答える子もいれば「パートタイマー」って答える子もいます。でも、そのどちらでもない「嘱託(しょくたく)」という働き方を聞いたことはありますか?ハローワークの求人票に書いてあったり、学校の事務室で働いている人の中にもいたりするのに、意外と知られていない働き方なんです。この記事を読めば、「あ、そういう立場の人がいるんだ」「正社員とどう違うの?」っていう疑問がスッキリしますよ。
- 嘱託とは、期間を決めて契約する働き方。つまり「1年だけ」とか「3年だけ」という約束で仕事をする人のこと
- 正社員と違い、契約期間が終わると別れるのが基本。ただし契約を更新することもできます
- パートやアルバイトとの違いは、働く時間ではなく契約期間が決まっているかどうかで判断するということ
もうちょっと詳しく
嘱託という働き方は、昔は公務員の世界にしかありませんでしたが、今は民間企業でも増えています。会社としても「今この期間だけ人手が足りない」とか「このプロジェクトが終わるまで誰か必要」というときに、嘱託の契約をします。働く側からすると「正社員になる前に会社で試してみたい」とか「このお仕事に興味があるから、まずは期間限定で働いてみたい」というメリットがあります。学校の事務室や図書館などの公共の施設では、嘱託の職員がかなり活躍しているんです。
嘱託は「期間付き契約」が一番の特徴。働く時間の長さではなく、「いつまで働くか」が決まってるか決まってないかで判断しよう。
⚠️ よくある勘違い
→ これは半分合ってて、半分間違い。確かに嘱託は正社員より給料が低いことが多いけど、仕事の内容は正社員と同じことをしている人もいっぱいいるんです。立場が低いわけじゃなくて、「契約期間が決まってるだけ」という違いなんですよ。
→ これが正解。嘱託の本質は、期間が決まってるかどうかの違い。給料や仕事内容や働く時間は、人によって違うんです。
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嘱託って、実は身近にいるんです
あなたの学校を思い出してみてください。校長先生や教頭先生は正社員の公務員ですが、図書館の本を並べている人や、事務室で書類を処理している人の中には、嘱託職員がいるんです。地域によって違いますが、学校の給食室で働く人が嘱託だったり、保健室の先生の助手が嘱託だったりします。市役所やハローワークにも、いっぱい嘱託職員がいますよ。
実は、私たちが毎日使っている図書館やプールだって、嘱託職員のおかげで回っています。正社員だけでは人手が足りないから、「この3年間、頼むよ」という契約で嘱託を雇うわけです。だから、嘱託は「その会社が何か足りない時の助け手」というイメージを持つ人も多いですが、実際には重要な仕事をしている立派な職員なんです。むしろ、嘱託がいなくなったら、その組織は回らなくなってしまうくらい。
民間企業での嘱託
銀行や大きな会社でも、嘱託を雇っています。たとえば、季節によって仕事の量が変わる企業があります。冬は忙しいけど、夏は暇、みたいな感じ。そういう時に「冬の3ヶ月間だけ、人を増やしたい」と思いますよね。正社員を雇うと、夏に給料を払うのに困るから、嘱託の契約を結ぶんです。また、新しいプロジェクトが始まるときに「このプロジェクトが終わるまで、プロジェクト専用の人を雇おう」という場合もあります。ここでも嘱託が活躍するんです。
嘱託になると、どんなことが決まるの?
嘱託として会社に雇われると、いくつか正社員と違う点があります。一番大事なのは、もう言ったように「期間が決まっている」ということです。
給料はどうなるの?
嘱託の給料は、正社員より低いことが一般的です。でも、給料の決まり方は会社によって全く違います。時給で計算される人もいれば、月給で計算される人もいます。ボーナスをもらえる人もいれば、もらえない人もいるんです。これは「契約のときに何と約束したか」で決まるんですよ。たとえば、「月給は20万円。ボーナスなし。期間は1年。」みたいに書いた書類にサインするわけです。それから1年間は、その約束を守る。期間が終わったら、また更新するか、別れるかを話し合うんです。
福利厚生(ふくりこうせい)は?
福利厚生というのは「給料以外の会社からの支援」という意味です。具体的には、社会保険(つまり、病気の時の医療費が安くなるやつ)や、健康診断、退職金などが挙げられます。嘱託の場合、これらが正社員と同じではないことが多いです。ただ、最近は「嘱託でも社会保険に入れるようにしよう」という法律が進んでいるから、徐々に改善されています。
正社員と嘱託、どっちが得?
これはね、立場によって変わるんです。どちらが必ず良い、という答えはないんですよ。
正社員のいいところ
給料が安定していて、長く働けば昇給(給料が増える)することが多いです。ボーナスもあるし、福利厚生も充実しています。また、「この会社のために時間をかけて成長したい」と思ったら、正社員の方が向いています。だって、嘱託は「3年だけ」みたいに期間が決まってるから、長期的なキャリア(仕事人生)を作るのが難しいですから。
嘱託のいいところ
逆に、嘱託は「今はこの仕事がしたいけど、数年後は違うことをしたい」という人に向いています。「有名な会社で、短期間でいろいろな経験を積みたい」という人も、嘱託は良い選択肢です。また、勉強が忙しい人にとって、「1年だけ」という決まった期間は、すごくありがたいんですよ。「1年頑張ったら、また大学に戻る」みたいな計画が立てやすいから。
嘱託から正社員になることはできるの?
できます。実は、嘱託から正社員に昇進することは、珍しくないんです。
「無期雇用転換」という制度
2018年から、日本に新しいルールができました。同じ会社で5年以上、嘱託やアルバイト、契約社員として働いた人は、申し込めば「無期雇用」に変わることができるんです。無期雇用というのは、つまり「期間が決まってない雇用」という意味。つまり、正社員に近い立場になるわけです。この制度のおかげで、嘱託が「正社員への踏み台」になることが多くなりました。
会社による昇進試験
会社によっては、嘱託の中から「この人は優秀だ」という人を正社員に昇進させることもあります。学校で良い成績を取ると進学できるように、仕事でも頑張りが評価されると、立場が上がることもあるんですよ。これは会社ごとにルールが違うから、「うちの会社では嘱託から正社員への道がない」という会社もあります。だから、嘱託として働く前に「この会社は、嘱託を正社員にすることがあるのか」を聞いておくといいんですよ。
これからの社会で、嘱託という働き方は?
日本の仕事の形は、急速に変わっています。昔は「入社したら定年まで同じ会社で働く」が当たり前でしたが、今は違います。正社員でもクビになることもあるし、嘱託が何回も契約を更新されることもあります。そういう時代の中で、嘱託という「期間を決めた働き方」は、実はすごく合理的なんです。
会社にとっても、働く人にとっても、「試してから決めよう」という感じで、お互いにメリットがあります。また、育児や介護で「フルタイムで働けない時期がある」という人も、嘱託なら「この2年間だけ週3日で働く」みたいな柔軟な契約ができることもあります。昔よりも、嘱託という働き方が「悪い立場」ではなく、「選択肢の一つ」として認識されるようになってきたんですよ。
これからあなたが働くようになるときも、「正社員がいい」と決めつけずに、自分のライフプランに合わせて、正社員を選ぶか嘱託を選ぶか決めるといいんです。大事なのは「どっちが上か下か」ではなくて、「自分の人生にとって、今は何が必要か」を考えることですよ。
