妊娠して出産することになったら、仕事はどうなるの?給料は出るの?そんな疑問を持つ人も多いですよね。実は、日本には赤ちゃんを産む前後の女性を守るための「産前産後休業」という制度があるんです。この記事を読めば、この制度がどんなものなのか、どのくらい休めるのか、給料はどうなるのかがぜんぶわかりますよ。
- 妊娠中から出産後まで、産前産後休業という決まった期間休むことができる制度のこと
- 出産予定日の6週間前から、出産後8週間まで、約3ヶ月半の休暇が取れる
- 会社の給料は出ないけど、健康保険からの出産手当金でサポートされる
もうちょっと詳しく
産前産後休業は、労働基準法という日本の法律で定められた制度です。つまり、すべての女性労働者が使える権利ということです。妊娠している女性が、赤ちゃんを産むための体力と時間が必要だからこそ、この制度が作られました。出産というのは、女性の体にとって大きな変化とストレスを伴うイベントです。法律でこの期間の休暇を保障することで、女性と赤ちゃんの健康を守ろうということなんです。実は、この制度は100年以上前からある古い制度で、日本が世界的にも早い段階で導入した制度の一つなんですよ。
産前産後休業は法律で決められた女性の権利。会社は絶対に拒否できない。
⚠️ よくある勘違い
→ 実は給料は出ませんが、健康保険から「出産手当金」というお金がもらえます。完全に収入がなくなるわけではないんです。
→ この理解が正解です。出産手当金の額は、通常の給料の3分の2程度が目安となっています。
→ 期間は法律で決まっているので、どの会社でも同じです。会社独自のルールで短くすることはできません。
→ すべての会社で同じルールが適用されます。これが法律の強さなんです。
[toc]
産前産後休業とはどんな制度?
産前産後休業とは、妊娠している女性が出産の前後に休暇を取ることを法律で保障する制度です。「休暇」というのは、仕事を休むことを意味しています。この制度があることで、妊娠中の女性は安心して出産に向けて準備することができるし、出産後も赤ちゃんとの新しい生活に慣れるための時間が取れるわけです。
イメージとしては、学校で大きなイベントがある前に、準備期間や振り返りの時間が必要なのと似ていますね。出産というのは、女性の体にとって人生で最も大きな出来事の一つです。だからこそ、その前後に充分な時間を確保することが、女性と赤ちゃんの健康を守るために必要なんです。
この制度は「産前」と「産後」の二つの時期に分かれています。「産前」というのは出産前のことで、「産後」というのは出産後のことです。赤ちゃんが生まれる前から、生まれた後まで、法律がしっかり女性を守っているんですね。
昔からある古い制度
実は産前産後休業は、日本でも100年以上前から存在する制度です。1911年の時点で、すでに日本の法律に組み込まれていました。当時は、今ほど女性の権利が守られていない時代でしたが、出産に関しては重要だと認識されていたんです。世界的に見ても、日本はこのような制度を早い時期から導入した国の一つなんですよ。
もちろん、当時の制度と現在の制度はいろいろ違っていますし、運用の仕方も変わっています。でも、妊娠中と出産後の女性を守るという基本的な考え方は、100年以上前から変わっていないんです。
産前産後休業の期間はどのくらい?
産前産後休業の期間は、法律でしっかり決められています。出産予定日の6週間前から、出産後の8週間までです。これを具体的に計算すると、大体3ヶ月半から4ヶ月くらいの長さになります。
「6週間」と言われてもピンと来ないかもしれませんね。1週間は7日なので、6週間は42日、つまり1ヶ月半程度です。8週間は56日で、約2ヶ月ですね。合わせると、3ヶ月半から4ヶ月程度の休暇期間があるわけです。
産前休業の期間(出産予定日の6週間前から出産日まで)
産前休業というのは、赤ちゃんが生まれるまでの休みのことです。法律では、出産予定日の6週間前から休むことができると決められています。ただ、注意してほしいのは、これは「休むことができる」という権利であって、「絶対に休まなければいけない」ということではないんです。
つまり、女性が望めば、この期間でも働くことはできます。でも、体の調子が悪ければ休むことができるし、安静にしたければ休むことができるということですね。実際には、出産予定日に近づくにつれて、体が疲れやすくなったり、不安になったりするので、多くの女性がこの期間に休みを取ります。
出産予定日の6週間前というのは、だいたい妊娠8ヶ月頃に相当します。この時期になると、赤ちゃんも相当大きくなっていますし、妊婦さんの体も疲労が溜まっているものです。だから法律で、この時期から休める権利を与えているわけなんです。
産後休業の期間(出産日から8週間)
産後休業というのは、赤ちゃんが生まれた後の休みのことです。法律では、出産後の8週間は必ず休まなければいけないと決められています。これは産前とは違い、「休むことができる」ではなく、「休まなければいけない」という強制力があります。
なぜ産後は強制的に休まなければいけないのかというと、出産後の女性の体は、非常に大きなダメージを受けているからです。出産というのは、いわば女性の体が生命がけで取り組む大仕事です。その後、体が回復するまでには、最低8週間は必要だと医学的に認識されているんです。
具体的には、出産後の女性は、子宮が元の大きさに戻るまでに時間が掛かりますし、ホルモンバランスも大きく変わります。また、分娩時の傷の治癒や、失血への対応も必要です。さらに、新生児のお世話は肉体的にも精神的にも大変なもの。だから、法律が強制的に8週間の休暇を与えることで、女性と赤ちゃんの両方の健康を守ろうとしているわけなんです。
実際の日数が変わることもある
産前産後休業の期間は基本的に決まっていますが、実際には少し変わることもあります。例えば、出産予定日よりも早く赤ちゃんが生まれることってよくありますよね。そういう場合は、産前休業の期間が短くなるわけです。逆に、予定日を過ぎて生まれることもありますが、その場合は産前休業が長くなります。
でも、産後休業は出産後の日数で決まっているので、いつ生まれたかによって変わることはありません。つまり、出産した日から8週間(56日)は絶対に休まなければいけないということです。
産前産後休業の期間中、給料はどうなるの?
産前産後休業は素晴らしい制度ですが、ここで気になることがありますよね。それは「その間、給料はもらえるのか?」という疑問です。残念ながら、日本の法律では、会社が産前産後休業中の給料を払う義務はないことになっています。つまり、法律上は、この期間中は無給で良いということなんです。
でも、ここで朗報があります。健康保険に加入していれば、会社の代わりに健康保険から「出産手当金」というお金が支払われるんです。これによって、完全に収入がなくなるということは避けられるわけですね。
出産手当金とは何か?
出産手当金というのは、健康保険が出産のために仕事を休む女性に支払うお金のことです。つまり、会社からではなく、健康保険という別のシステムから、妊娠中の女性を経済的にサポートしているんですね。
出産手当金の額は、通常の給料の3分の2程度が目安とされています。例えば、月給が30万円だとすれば、出産手当金は月に20万円程度になるわけです。完全に元の給料と同じではありませんが、生活していくには充分な額です。
この出産手当金は、産前休業が始まる日から、産後休業が終わる日まで支払われます。ただし、会社が産前産後休業中にも給料を払うことに決めている場合は、出産手当金は支払われません。会社が給料を払ってくれるなら、それで大丈夫ということなんです。
健康保険に加入していることが条件
出産手当金をもらうには、当然ですが健康保険に加入していることが条件になります。健康保険というのは、病気や怪我をしたときにお医者さんに掛かる費用の3割を自分で払う、という制度のことです。つまり、通常の会社員であれば、ほぼ確実に加入しているものですね。
ただし、フリーランスや自営業の人の場合は、国民健康保険に加入しているので、出産手当金をもらえません。その代わり、自治体から「出産育児一時金」というまとまったお金がもらえるという制度があります。これは違う仕組みですが、やはり出産を経済的にサポートするための制度です。
産前産後休業を取るために必要な手続き
産前産後休業は素晴らしい制度ですが、自動的に与えられるものではありません。女性が会社に対して、産前産後休業を取ることを申し出る必要があります。つまり、手続きが必要ということですね。
医師の診断書を提出する
産前産後休業を申し出るときには、妊娠していることを証明する必要があります。そのため、医者から妊娠診断書をもらい、会社に提出することになります。この診断書には、出産予定日などが書かれています。
妊娠したことが分かったら、まずは産婦人科に行って、妊娠の確認をしてもらいます。その後、会社に報告して、いつ産前産後休業を取りたいのかを相談するわけです。
会社との相談
産前産後休業は法律で保障された権利なので、会社は拒否することはできません。でも、いつ休業を開始するか、どのように手続きを進めるかについては、会社と相談することになります。会社によって書類の提出方法やタイミングが少し違うこともあるので、早めに会社の人事部や上司に相談することが大切です。
産前産後休業の制度が大事な理由
産前産後休業は、単なる休暇制度ではなく、女性と赤ちゃんの健康を守るために非常に大事な制度です。どのように大事なのかを、いくつかの観点から考えてみましょう。
女性の身体と心の健康を守るため
妊娠と出産は、女性の体と心に大きな影響を与えます。妊娠中は、お腹が大きくなるにつれて、仕事をするのが身体的に辛くなります。疲労が溜まりやすくなったり、腰が痛くなったり、眠くなりやすくなったりするんです。そんな状態で無理して仕事を続けると、流産などの危険が高まる可能性があります。
出産後も同様です。出産は「出血を伴う外傷」とも言われるほど、女性の体にとって大きな負担がかかります。その後、体が回復するまでには時間が必要です。無理して仕事に戻ると、体の回復が遅れたり、産後うつという心の病気になってしまったりする可能性もあります。産前産後休業は、こうした女性の身体と心の健康を守るために必要不可欠な制度なんです。
赤ちゃんの健康と成長を支援するため
赤ちゃんが生まれた直後は、お母さんの存在が何よりも大切です。赤ちゃんは、約3時間ごとに授乳する必要があります。これは1日8回から10回程度の頻度です。さらに、おむつ替えや抱っこなど、赤ちゃんのお世話には多くの時間と労力がかかります。
お母さんが産後休業を取らずに仕事に復帰してしまうと、赤ちゃんのお世話が不十分になる可能性があります。特に、生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんとの繋がりが非常に大切です。産前産後休業によって、お母さんが赤ちゃんに充分な時間と愛情を注ぐことができるようにしているわけです。
育児と仕事の両立を可能にするため
産前産後休業があることで、女性は出産と育児に専念する時間を確保できます。その後、心身が回復したら、育児と仕事を両立させることができるようになります。この制度がなければ、多くの女性が仕事を続けることができず、経済的に困難な状況に陥ってしまいます。
社会全体で見ても、産前産後休業制度があることで、妊娠・出産を理由に女性が仕事を辞めることが減ります。これによって、女性の社会進出や経済活動を支援することができるわけです。
実は、産前産後休業は単に個々の女性や赤ちゃんを守るだけではなく、社会全体の発展にも関わる重要な制度なんです。女性が安心して妊娠・出産ができれば、そのぶん働き手や消費者として活動できる女性の数が増えます。それが経済全体の活性化につながるわけですね。
