PL法って何?わかりやすく解説

買ったばかりのスマートフォンが突然火を噴いた、食べ物に虫が入っていた、おもちゃで遊んでいたら怪我をした…こんな時、「製造元が責任を取るべき」って思いますよね。実は、そういう時のルールを決めた法律があるんです。この記事を読めば、自分や周りの人を守る重要な法律について理解できるようになるよ。

先生、「PL法」ってよく聞きますけど、どんな法律なんですか?

いい質問だね。PL法は製造物責任法という法律で、つまり「作った会社が、その製品の不具合で誰かが損害を受けたら、その責任を取らなきゃいけない」というルールなんだよ。
え、でも壊れるのは使う人の不注意かもしれないじゃないですか。それでも製造元が責任を取るんですか?

そこが大事なポイント。製造元が「注意不足だったから」と言い張っても、実は製品そのものに欠陥があったら、それは製造元の責任になる。つまり過失がなくても責任を取らなきゃいけないってわけ。昔はね、被害者側が「あなたが悪い」と証明しなきゃいけなかったんだけど、今は違うんだよ。
へー、そんなルールがあるんですね。でも、どんな製品が対象なんですか?食べ物も?

いい質問。食べ物も対象になるし、スマートフォン、おもちゃ、車、家電製品…ほぼすべての製品が対象。でも医薬品や医療機器は別の法律で守られているから、PL法の対象外になることもある。つまり、身の回りのほぼすべての商品に対して、製造元が安全性の責任を持たなきゃいけないってわけなんだ。
📝 3行でまとめると
  1. PL法は製造物責任法という法律で、製品の欠陥で消費者が損害を受けたら、製造元が責任を取らなければならないというルール
  2. 昔は消費者が製造元の過失を証明しなきゃいけなかったけど、今は製造元が欠陥がないことを証明するという大きな変化があった
  3. スマートフォン、食べ物、おもちゃなどほぼすべての製品が対象で、私たちの生活を守っている
目次

もうちょっと詳しく

PL法を理解するにあたって、大切なのは「昔はどうだったか」を知ることです。この法律ができる前は、もし製品が壊れたり、それで誰かが怪我をしたりしても、被害を受けた人がその製造元の過失を証明しなければなりませんでした。つまり、「あなたが手を抜いて作ったから壊れた」と自分たちが証明する必要があったんです。でも実際には、製造過程がどうだったのか、普通の消費者には知りようがありませんよね。そこで1994年に日本でPL法ができて、「製造元が安全だと証明できなかったら、製造元が責任を取る」というルールに変わったんです。

💡 ポイント
PL法は消費者を守るための「大逆転」。昔は被害者が証明しなきゃいけなかったけど、今は製造元が安全性を証明する責任を持つようになった

⚠️ よくある勘違い

❌ 「壊れたら常に製造元が100%悪い」
→ 実は、消費者の使い方が極端におかしい場合(例えば、わざと踏みつけるとか、濡れるのに防水じゃない製品を水に浸すなど)は、製造元の責任が減ることもある
⭕ 「製品そのものに欠陥があれば、製造元が責任を取る」
→ 製品の本来の用途で正常に使っていれば、欠陥が原因での損害は製造元が賠償責任を負う
なるほど〜、あーそういうことか!

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PL法ってそもそも何?

製造物責任法という正式な名前

PL法の「PL」は、英語の「Product Liability」の頭文字を取ったもので、つまり「製品責任」という意味です。正式名称は「製造物責任法」で、日本では1994年7月から始まった比較的新しい法律なんです。この法律が何を決めているかというと、「メーカーや製造元が作った製品に欠陥があって、その製品を買った人や使った人が損害を受けたら、その製造元が損害賠償を支払わなければならない」というシンプルなルールなんだよ。

例えば、あなたがスマートフォンを買ったとします。使い始めたら、バッテリーが異常に熱くなって火が出ました。このバッテリーの不具合はメーカー側の問題なので、あなたの家の医療費や、けがの治療費、または失ったものへの補償をメーカーが払わなきゃいけないってわけです。昔だったら、あなたが「これはメーカーの不注意が原因だ」と証明しなきゃいけなかったんですけど、今は違うんです。

「欠陥」ってどんな状態?

PL法で言う「欠陥」というのは、その製品が安全でない状態のことを指します。安全でない状態には、大きく分けて3つのタイプがあります。

1つ目は「製造上の欠陥」です。これは、製造する時の製造ミスや不注意が原因で、設計通りに作られていない状態。例えば、ハンバーガーショップで、ハンバーガーに硬い氷が混ざっていた。これは設計段階では「氷が混ざる」なんて想定されていないですよね。だからこれは製造上の欠陥なんです。

2つ目は「設計上の欠陥」です。これは、製品の設計そのものに問題がある場合です。例えば、ある自動車が設計段階で、ハンドルの仕組みに問題があるせいで、時々急に動かなくなるとします。きちんと作られている限り、この問題は絶対に出てくる。これが設計上の欠陥なんです。

3つ目は「指示・警告上の欠陥」です。これは、製品の使い方についての説明が不十分だったり、危険について警告がなかったりする場合です。例えば、化学薬品なのに「危険!」という表示がなかったら、素人の人は安全だと思って使っちゃいますよね。こういう場合も欠陥として扱われるんです。

なぜPL法ができたの?

昔は被害者が大変だった

PL法ができる前、つまり1994年より前の日本では、製品の不具合で被害を受けた人がいても、その人が自分で「これはメーカーの過失だ」と証明する必要がありました。つまり、被害者側が頑張らなきゃいけなかったんですよ。でも考えてみてください。製造過程がどうだったのか、普通の消費者には知りようがないですよね。工場の中がどんな状態か、品質管理がどうだったか、そんなことって一般人には調べようがないんです。

ある時代に、実際に起こった有名な事件があります。医療機器が原因で多くの人が被害を受けたんですけど、被害者たちが製造元を訴えても、製造元は「うちは正しく作ってる」と言い張って、なかなか認めませんでした。裁判が何年も続いて、やっと損害賠償が決まったという事件もあります。こういう状況を見た日本の政府は、「被害者の側ばっかり証明責任を負うのはおかしい。製造元も責任を取るべきだ」と考えるようになったんです。

世界の流れに合わせた動き

実は、先進国ではもっと早くからPL法のような仕組みがありました。アメリカだと1960年代には、すでに製造元が責任を取るという考え方が広がっていたんです。ドイツやフランスなどの欧米諸国も同じような法律を持っていました。日本は「そういう国が多いなら、うちもそうしよう」と考えて、1994年にPL法を作ったんですよ。つまり、世界的な流れに合わせた動きだったわけです。

この流れで分かることは、「消費者を守る」という考え方が、世界的に強くなってきたってことです。昔は「製品が壊れるのは買った人の責任」みたいな考え方もあったんですけど、今は「いや、きちんと安全な製品を提供するのは製造元の責任でしょ」という考え方に変わってきたんです。

PL法でどんなことが守られてるの?

日常生活のあらゆる製品が対象

PL法の対象は、本当に幅広いんです。食べ物、飲み物、おもちゃ、スマートフォン、パソコン、洋服、靴、家具、自動車、バイク、自転車…ほぼすべての製品が対象になります。つまり、皆さんが毎日使っている物のほとんどが、PL法で守られているってわけなんです。

例えば、お母さんがスーパーで買ったお菓子の中に、虫が入っていたとします。それで誰かが病気になったら、そのお菓子のメーカーが医療費を払わなきゃいけません。あるいは、新しいゲーム機を買ったら、すぐ壊れてしまった。メーカーの設計ミスだったら、修理代や買い換え費用をメーカーが払う可能性があります。洋服だって対象で、もし洋服が破けやすい素材で、それで誰かがけがをしたら、メーカーが責任を取らなきゃいけません。

医薬品や医療機器は別ルール

ただし、すべての製品が対象というわけではありません。医薬品と医療機器は、PL法ではなく「医薬品医療機器等法」という別の法律で守られています。つまり、風邪薬とか、インスリンの注射とか、そういう医療用の製品は、別のより厳しいルールで管理されているってわけです。

農産物や畜産物、つまり野菜や肉、魚なども、実は微妙な立場にあります。通常のPL法でも保護されることはありますが、特に農薬の問題など、農業に関する問題は「農薬取締法」とか他の法律の方が優先されることが多いです。

どんな損害が補償される?

PL法で補償される損害は、大きく分けて3つあります。1つ目は「人体への損害」で、怪我をしたり、病気になったりした時の医療費、入院費、失った給料などが対象になります。2つ目は「物の損害」で、その欠陥製品そのものや、それが壊した他の物への補償です。例えば、スマートフォンが爆発して、周りの家具を焦がした場合、その家具の修理費もメーカーが払わなきゃいけません。3つ目は「精神的な損害」です。これは「慰謝料」とも呼ばれていて、その事件のせいで受けた心の傷に対する補償です。

PL法がない場合と比べると何が違う?

責任の証明が逆になった

PL法がない時代は、こんな感じでした。被害者がメーカーを訴えて、「あなたのせいで損害を受けた。あなたが不注意だったから、この製品に欠陥が生まれたんでしょ。だから賠償してください」と証明しなきゃいけなかったんです。つまり、被害者側が「メーカーの過失」を証明する責任があったわけです。これって、すごく大変ですよね。工場の中がどうだったのか、品質管理がどうだったのか、素人には分からないですから。

でもPL法ができてからは、違うんです。メーカー側が「うちの製品には欠陥がないんです。安全に設計されていて、きちんと作られているんです」と証明しなきゃいけなくなったんです。これを「立証責任の転換」と言うんですけど、つまり責任を証明する側が逆になったってわけです。メーカーの方が、情報や技術を持ってますから、こっちの方が公平なんですよ。

被害者の負担が減った

責任の証明が逆になった結果、被害者の負担が大きく減りました。被害を受けた人は、「このメーカーの製品で被害を受けました。何か悪いことが起きました」と言うだけでいいんです。それが本当なら、メーカーの方が「いや、うちの製品は安全です。欠陥はありません」と証明する必要があるんですよ。

例えば、スマートフォンを買ったら、使い始めて1週間でいきなり火が出たとします。あなたは「火が出ました」と言うだけでいい。メーカーは、その火が出たのは設計の問題でもなく、製造の問題でもなく、あなたの使い方に問題があったんだ、と証明しなきゃいけないんです。だから被害者はめっちゃ楽になったわけですよ。

メーカーの安全への取り組みが強化された

PL法ができたおかげで、メーカー各社は安全性に、めっちゃ気をつけるようになりました。だって、欠陥があったら確実に賠償しなきゃいけないんですから。一つの製品で大事故が起きたら、賠償額は数十億円、数百億円になることもあります。そんなことになったら、会社が経営危機に陥っちゃう。だから、メーカーは製造過程を徹底的に管理して、品質管理を厳しくして、安全テストを何度も何度もして、とにかく欠陥が出ないようにしてるんです。

その結果、製品の安全性がどんどん上がっていったんですよ。つまり、PL法は単に「被害者を守る」というだけじゃなくて、「製品全体の安全性を高める」という効果もあったってわけです。

PL法の限界と注意点

期限がある

PL法で損害賠償を請求できるのは、被害が出てから3年以内です。つまり、5年前の製品で被害が出ても、3年以上前のことだったら、もう請求できないってわけなんです。また、製品が売られた日から10年以上経ったら、確実に請求できなくなります。だから、もし被害を受けたら、すぐに対応することが大事なんですよ。

メーカーじゃない場合は難しい

PL法の対象は「製造者」です。つまり、製品を作ったメーカーが責任を持つってわけなんです。もし、小売店の人が自分で作った製品を売ってたり、個人が作ったハンドメイド製品だったりしたら、その人が責任を取ることになります。でも、その人が個人だったり、小さい会社だったりしたら、賠償能力がないかもしれません。だから、100%被害が補償されるわけではないってわけです。

被害者も注意が必要

PL法で守られるのは、製品を本来の用途で、正常に使ってた場合なんです。もし、おもちゃを壊す目的でわざと踏みつけたり、防水じゃないスマートフォンを水に浸したり、とんでもない使い方をしたら、それはメーカーの責任じゃなくなっちゃう。つまり、被害者側も「正しく使う」という責任があるってわけなんです。

また、PL法は損害賠償は請求できますけど、そもそも製品が欠陥品かどうかは、きちんと調べる必要があります。実際に欠陥があったことを証明するのは、まだ被害者側の責任なんです。ただし、メーカーが「欠陥がない」と主張する場合、メーカーがそれを証明しなきゃいけないってわけですよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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