お父さんやお母さんが仕事をしている時間、給料をもらっている時間、どうやって決められているのか考えたことはありますか?実は、日本では「労働基準法」という法律が、働く人たちを守るために細かく決めているんです。将来あなたが働くときに絶対に知っておくべきルールがあります。この記事を読めば、どんな仕事でも自分の権利を守れるようになるよ。
- 労働基準法は 働く人を守るための法律 で、給料や休暇、労働時間などが細かく決められている
- 最低賃金の保証、残業代の支払い、有給休暇など 働く側の基本的な権利 を守ることが目的
- 会社がこのルールを破ると 罰則を受ける し、働く人は労働基準監督官に相談して救済を受けられる
もうちょっと詳しく
労働基準法は1947年という昔に作られた法律で、日本が戦争から立ち直ろうとしていた時代に「これからの日本を作る労働者たちを大切にしよう」という思いから生まれました。当時は、長時間労働や低い給料、危険な職場環境で働く人がたくさんいたんです。そこで国が「これはダメだ、ルールを作ろう」と決めたんですね。つまり、労働基準法は働く人の命と生活を守るための、とても大事な法律なんです。今でも毎年のようにこの法律は改正されて、新しい働き方に対応するようになっています。例えば、最近ではテレワークという自宅で仕事をする働き方が増えましたが、こういう新しい働き方に対しても「この場合の労働時間はどう数えるのか」というルールが追加されています。
労働基準法は、時代とともに変わっていく働き方に対応するように、ずっと改良されている現在進行形の法律なんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ 実は逆で、働く人たちの権利を守るための法律です。経営者は守る義務がある側です。
→ 給料、休暇、安全な環境など、働く側が最低限受ける権利を保証しています。
→ 労働基準法は法律なので、会社の言い分より法律が優先です。内緒にする必要はありません。
→ 法律は最優先。会社がダメでも、労働基準監督官に相談すれば国が守ってくれます。
[toc]
労働基準法って具体的には何を守ってくれるのか
給料に関する基本ルール
働く人がもらう給料に関しては、労働基準法でいろいろなルールが決められています。その中で一番大事なのが「最低賃金」というもの。つまり、どんなに安い給料でも、これ以上低くしてはいけませんという下限を決めているんです。日本では都道府県ごとに最低賃金が違っていて、例えば東京と北海道だと金額が違います。2024年だと、東京は時給1,113円という感じで決められているんですね。もし会社がこれより低い給料を払っていたら、それは法律違反になります。
それから「給料は毎月決まった日に全額払う」というルールも大事です。会社が「今月は経営が厳しいから給料を半分にする」とか「3ヶ月後にまとめて払うから」というのは許されていません。働いた分は全部もらう権利があるんです。給料から税金や社会保険料を引くことは認められていますが、会社の都合で勝手に減らすことはできないんですね。
残業代と超過勤務手当の仕組み
皆さんも「パパは毎日残業で大変だ」なんて話を聞いたことがあると思います。1日8時間、週40時間が基本の労働時間と決められているんですが、この時間を超えて働くことを「残業」や「超過勤務」と言うんです。そして残業をしたら、必ず「残業代」をつけないといけないというのが労働基準法のルールなんですね。
具体的には、通常の給料より高い給料をつけることになっています。例えば、通常時給1,000円の人が1時間残業したら、1,000円ではなく1,250円(25%増)以上をつけるというルールがあります。夜中や日曜日に働いた場合は、さらに給料が高くなる場合もあります。これは「長く働く人には、その分報酬を増やしてあげようよ」という考え方からきているんです。また、月に何十時間も残業をしてる人は、身体と心が疲れてしまいますよね。だから国は「残業代をたくさん払うことで、会社に『むやみに残業させるな』と思わせよう」という狙いもあるんです。
有給休暇という給料をもらう休み
「有給休暇」というと難しく聞こえるかもしれませんが、つまり「給料をもらいながら休める日」のことです。学校で考えると、冬休みや春休みは学校がお休みだけど、その間に勉強がなくなるわけではなく、単に学校に行く期間がないというようなものですね。有給休暇は、会社に行かなくても給料がもらえる休みのことなんです。
労働基準法では「6ヶ月以上働いた人は、最低10日間の有給休暇をつけないといけない」と決められています。そして毎年少しずつ増えていきます。つまり、1年働いたら11日、2年働いたら12日というように増えていくんですね。この有給休暇は、働く人が病気になったり、家族のことで休みたくなったり、単に疲れたから休みたいという時に使うことができます。会社が「今月は有給休暇を使うな」と言うことは法律違反になるんです。働く人の権利なので、会社は認めざるを得ないんですね。
労働時間と休日に関するルール
1日の労働時間の上限
人間は毎日8時間働いて、8時間寝て、8時間自由な時間を過ごすというのが健康的な生活だと考えられています。だから労働基準法では「1日の労働時間は8時間以内」と決めているんです。これは学校でいうと、1時間目から6時間目までの授業の時間くらいですね。8時間というのは、一般的な会社員が朝9時に仕事を始めたら、昼休憩を1時間挟んで夕方5時に終わるというような時間帯です。
でも現実には、日本には残業をしている人がたくさんいます。なぜでしょう?それは会社が残業代を払う覚悟で、時間を超えて働かせることが認められているからです。ただし、完全に無制限に働かせていいわけではなくて、月に何時間以上の残業をさせてはいけないという上限も決められています。それでも、その上限を超えて働かせる会社があるから、「過労死」という言葉が生まれてしまったんです。だから最近は「働き方改革」として、なるべく残業を減らそうという取り組みが行われているんですね。
週休日と連続休日のルール
労働基準法では「毎週少なくとも1日は休日を与えないといけない」と決められています。つまり、1週間の中で必ず1日以上は仕事をしない日を作らないといけないということですね。これが「週休1日」というやつです。でも多くの会社では週に2日休みを与えています。これが「週休2日」で、土曜日と日曜日が休みという会社が多いですね。
また、重要なのは「4週間の中に4日以上の休日を与えないといけない」というルールもあります。つまり、毎週1日は難しくても、4週間で4日は絶対に休ませないといけないということです。これは交代勤務の人など、不規則な働き方をする人たちを守るためのルールなんです。病院の看護師さんや、コンビニの店員さんなど、不規則な時間帯で働く人でも、月に4日は必ず休めるようにというルールなんですね。
安全と健康を守るルール
職場の安全環境づくり
労働基準法の大事な役割の一つが、働く人の安全と健康を守ることです。工事現場で働く人が落ちて怪我をしたり、化学工場で毒性の物質を扱う人が病気になったり、長時間のデスクワークで目が悪くなったりするのを防ぐために、会社はいろいろなルールを守らないといけないんです。
具体的には、会社は定期的に「健康診断」を行わないといけません。つまり、働く人の身体が健康なのかを定期的にチェックして、病気の兆候がないか確認するんです。また、危ない仕事をする時は安全な道具を使わせないといけません。例えば、建設作業をする人にはヘルメットをかぶらせるとか、高い所で作業する人には命綱をつけさせるとか、そういった対策が必要なんです。これらのルールを守らなくて、働く人が怪我をしたり病気になったりしたら、会社が責任を取らないといけません。最悪の場合は会社が刑罰を受けることもあるんです。
セクハラやパワハラからの保護
働く時は、単に身体の安全だけでなく、心の安全も大事ですよね。だから労働基準法では「セクシャルハラスメント」、つまり「セクハラ」や「パワーハラスメント」、つまり「パワハラ」をしてはいけないと決めているんです。セクハラというのは、性的なからかいやいやがらせのことで、パワハラというのは立場が上の人から不公正な扱いや嫌がらせを受けることを言います。
例えば、上司が部下に「デートしよう」と何度も誘ったり、仕事と関係ない性的な冗談を言ったりするのがセクハラです。パワハラの例としては、同じ失敗でも気に入ってる部下には何も言わないのに、気に入らない部下には何度も怒鳴ったり、嫌いな部下を無視したり、無理な仕事を押しつけるみたいなことがあります。これらは働く人の心を傷つけて、うつ病などの病気を引き起こすことになるんです。だから会社は「こういう行為は許さない」という方針を明確に示して、もし被害を受けた人がいたら対応する体制を作っておかないといけないんですね。
労働基準法を守らない会社への対抗手段
労働基準監督官に相談する仕組み
もし働いている会社が労働基準法を守らなかったら、どうしたらいいでしょう?答えは「労働基準監督官」という人に相談することです。これは警察の警察官みたいに、労働に関する法律を守らせるのが仕事の人たちなんです。全国各地にある「労働基準監督署」という役所で働いています。
働く人は、もし会社が違法な働き方をさせていたら、この労働基準監督署に相談することができます。例えば「最低賃金より低い給料しかもらってない」「残業代を払ってくれない」「有給休暇を使わせてくれない」といった相談ができるんです。相談は匿名でもいいし、会社にバレないようにすることもできます。そしたら労働基準監督官が会社に調査に入って、ルール違反があったら改めるように指導したり、罰金を科したりすることができるんですね。
民事上の請求と労働審判
労働基準監督官への相談以外に、働く人が自分で会社を訴えることもできます。例えば「会社が払わなかった残業代を返して」と裁判所に請求することができるんです。これを「民事上の請求」と言います。
でも普通の裁判は時間がかかります。そこで「労働審判」という仕組みが作られました。これは労働に関する問題を、より早く解決するための裁判所の手続きのことです。通常の裁判より短い期間で、労働に詳しい人たちが判断してくれるので、働く人も会社も納得しやすいんです。つまり、労働基準法を守らない会社に対しては、いろいろな対抗手段があるということなんですね。だから働く人は堂々と自分の権利を主張できるんです。
これからの労働基準法の課題と改正
テレワークなど新しい働き方への対応
ここ数年で、働き方が大きく変わりました。特に新型コロナウイルスが広がった時に、多くの人が「テレワーク」、つまり自宅で仕事をするようになったんです。テレワークは通勤時間がなくなるし、子育てと仕事の両立がしやすいというメリットがある一方で、仕事と生活の境界線がなくなってしまうという課題があります。例えば、朝8時に仕事を始めて、夜10時までずっと仕事をしていても、「自宅だから別にいいや」という感じになってしまうんですね。
そこで労働基準法も改正されて、テレワークでも「1日8時間以上働かせてはいけない」というルールが適用されるようになりました。つまり、会社は働く人がちゃんと休んでいるか確認する必要があるということです。また、フリーランスという自分で仕事をする人たちも増えていますが、こういう人たちをどう保護するかというのは、まだはっきり決まっていない部分もあります。だから今後も労働基準法は変わっていくと思われるんですね。
仕事と生活のバランス(ワークライフバランス)
日本は昔から「仕事第一」という文化が強かったんです。会社のためなら長時間働くのは当たり前、休みを取らずに働くのが良い社員という風潮がありました。でも最近は変わってきています。「ワークライフバランス」という言葉がよく使われるようになりました。これは「仕事と生活のバランスを取ろう」という意味の言葉です。つまり、仕事も大事だけど、家族と過ごす時間や、趣味の時間も大事だよねということですね。
そこで労働基準法も「年間の残業時間の上限を100時間未満にしないといけない」という新しいルールが作られました。月に8時間程度の残業くらいなら許容しようということですね。でも現実には、まだ長時間労働をしている人がたくさんいます。だから会社全体で「早く帰ろう」という空気を作るとか、無駄な会議を減らすとか、働く人が仕事以外の時間を大事にできるような改革が進められているんです。
