派遣の仕事をしてたら「あれ、派遣先の会社の人からじゃなくて、別の人から指示されてるな」って感じたことありませんか?それが二重派遣かもしれません。派遣って仕組みが複雑だから、知らないうちに労働基準法に引っかかる状況が起こることも。この記事を読めば「あーそういうことか」ってスッキリわかるようになります。
- 二重派遣は、派遣先企業からさらに別の企業に派遣される状況で、労働基準法では禁止されている
- 誰が雇い主で誰が責任を持つのか曖昧になり、労働者の保護が損なわれるのが禁止理由
- 自分の職場で指示系統がおかしいと感じたら、派遣会社に相談して改善を求めることができる
もうちょっと詳しく
派遣という働き方には「派遣会社」「派遣先企業」「派遣労働者」という3者の関係があります。派遣会社は労働者を雇って給料を払い、派遣先企業は派遣会社から労働者を受け入れて仕事の指示を出します。この関係が二重派遣になると、派遣先企業が第三者にさらに労働者を派遣することになり、労働者がどこの誰から責任を持ってもらうのか不明確になるんです。法律は「直接雇用関係にない二人の間での指揮命令を禁止する」ことで、労働者を守ろうとしているんですね。
派遣は契約で決まった企業の中だけで仕事をするのが原則。それ以外の企業に派遣されたら、それは禁止事項に触れてる可能性がある
⚠️ よくある勘違い
→ 違います。同じ企業の中での配置転換なら問題ありません。二重派遣は「別の企業に派遣される」ことが条件です。
→ その通り。派遣先企業が「お前、あっちの企業に行ってね」と派遣したら、それが二重派遣です。
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二重派遣って結局なに?ゼロから説明します
派遣の基本形を理解しよう
まず派遣という働き方の基本を理解する必要があります。派遣は「派遣会社」と「派遣先企業」の二者の関係で成り立っています。派遣会社があなたを雇って給料を払います。そして派遣先企業があなたに仕事の指示を出します。学校に例えると、派遣会社は「学年主任」で、派遣先企業は「教室の担任」みたいな感じ。給料は学年主任から、日々の指示は担任からもらう、という関係ですね。
この関係がスッキリしてるから、労働者も会社も「誰が責任を持つのか」が明確なんです。ケガをしたときは派遣先企業が補償する、給料の計算ミスは派遣会社が直す、みたいに役割分担ができるわけです。
ところが、二重派遣という状況が生まれると、この関係が複雑になってしまいます。派遣先企業が「よし、今月からお前は別の企業で働いてね」って言い出すんです。すると派遣労働者は、派遣会社と雇用契約を結んでるのに、別の企業から指示を受けることになります。これが「二重派遣」という違法な状況なんですね。
なぜこんなことが起こるの?
会社の事情は複雑です。派遣先企業が急に忙しくなったとします。でも自社の正社員を増やすわけにはいかない。そこで「派遣労働者を別の部門に配置しよう」とか「協力企業にこの労働者を送ろう」と考えることがあるんです。
例えば、大型商業施設を運営する企業が派遣労働者を雇ってたとします。本来は「施設管理部門」での仕事のはずなのに、新しく「テナント管理部門」ができたから「そっちで働いてくれ」って言われる。あるいは、システム開発会社が派遣プログラマーを雇ってたのに「子会社のコールセンターで働いてくれ」と言われる。こういうケースが二重派遣になる可能性があります。
経営側からすると「同じグループだし、別の企業じゃん」みたいに思うかもしれません。でも労働基準法は「派遣先企業が別企業に派遣労働者を派遣する行為は禁止」と厳しく言ってるんです。グループ会社とか子会社とか関係なく、別の企業なら二重派遣になる可能性があるんですね。
なぜ法律は二重派遣をダメって言ってるの?
労働者の保護が第一の理由
法律がこれを禁止してるのは、労働者を守るためです。派遣という制度は「派遣労働者は不安定な立場だから、きちんと保護しよう」という考えに基づいています。だから「派遣会社が雇用して給料を払う」「派遣先企業が直接指示を出す」という二者の関係に限定してるんです。
ところが、ここに第三の企業が入ると?責任が曖昧になるんです。例えば、派遣先企業から別企業に派遣されたあとに、その別企業で労働災害が起きたとしましょう。ケガをしたとき「誰が責任を取るの?」って話になります。派遣会社?派遣先企業?それとも別企業?」と権利義務関係が複雑になってしまうわけです。
法律はこの複雑さを許さないんです。なぜなら「複雑だから」という理由で、労働者の権利が踏みにじられてしまう可能性があるから。給料の計算ミスが起きても「派遣先企業の責任か別企業の責任か」と押し付け合いが起きるかもしれません。有給休暇の扱いでも「派遣会社のルール?派遣先企業のルール?それとも別企業のルール?」と混乱する。そういう曖昧さを避けるために、二重派遣を禁止してるんですね。
企業間の無責任を防ぐため
もう一つの理由は「企業が責任をなすりつけ合うのを防ぐ」ということです。派遣先企業と別企業が関係を持つと、労働者の扱いについて「あそこの企業がそういう指示を出したんだ」「いや、こっちが責任者だ」と言い張る可能性があります。
派遣労働者が「超長時間労働させられた」と文句を言ったとしましょう。派遣先企業は「別企業が指示した」と言い張り、別企業は「派遣先企業が派遣したんだから派遣先企業の責任」と逃げる。派遣会社は「私たちは給料を払ってるだけで、労働条件は派遣先企業の責任」と主張する。こんな感じで、労働者が誰からも責任を取ってもらえない状況が生まれるんです。
それを防ぐために、法律は「派遣は二者の関係だけ」と決めてるわけです。複雑にすると、労働者が泣き寝入りすることになっちゃうから。
実際、二重派遣ってどんな形で起こってるの?
気づきにくい二重派遣のパターン
二重派遣は「ハッキリと『派遣します』と言われる」ことばかりじゃないんです。むしろ気づきにくい形で起こることが多いです。例えば、こういうケース。
派遣先企業Aの営業部に派遣労働者Xさんが配置されてたとします。でも数ヶ月後、企業Aの下請け企業Bが新しいプロジェクトを立ち上げた。「Xさん、Bの方で人手が足りないから、Bのプロジェクトで働いてくれない?」と言われる。Xさんは「企業Aからの指示だし」と思い込んで、了承します。ところが実際には、BはAとは別企業だから、この時点で二重派遣になってるんです。
あるいは、派遣先企業Cが大きな企業グループだとしましょう。Cの本社で派遣労働者Yさんが働いてた。でも「関連会社のD支社が人手不足だから移動してくれ」と言われる。「同じグループだし」と思うかもしれませんが、別の法人なら別企業です。二重派遣の可能性があるんですね。
契約書を見たらわかることもある
派遣の契約書には「派遣先企業」「派遣場所」「仕事内容」などが書かれてます。もし途中で「別の企業で働いてください」と言われた場合、その企業が契約書に書かれていないなら、二重派遣の可能性が高いんです。
派遣会社も派遣先企業も、無視してるわけではなく「グレーゾーンだと思ってた」「一時的な配置だから大丈夫」みたいに勝手に判断してることが多いです。でも法律は「一時的だろうが、別企業への派遣は二重派遣」と言ってるんですね。
あるいは、派遣会社が「他の企業での仕事も同時に受けてくれない?」と言ってくることもあります。給料は派遣会社から出るけど、別企業での仕事もやる。こういう場合も「複数派遣」という別の問題が発生することがあります。これは直接の二重派遣ではありませんが、グレーゾーンの状況ですね。
あなたが派遣労働者なら、どうしたらいい?
違和感を感じたら派遣会社に相談
もし「派遣先企業の人じゃない人から指示をもらってる」「別の企業に派遣されちゃった」「急に職場が変わった」という状況になったら、まずは派遣会社に相談しましょう。派遣会社の営業さんに「今、どこで何をしてますか?」と聞かれたら「こういう状況です」と正直に話すんです。
派遣会社としても「二重派遣は違法」と知ってるはずです。もし知らなかったなら、それは派遣会社の問題。逆に知ってるなら「我々は気づきませんでした。改善します」と対応する義務があります。
派遣会社が動いてくれない、あるいは「グレーゾーンだから大丈夫」と言い張る場合は、もっと上の管理部門に報告したり、労働基準監督署に相談することもできます。
契約内容を必ず確認しておく
派遣で働く前に、絶対にやっておくべきことがあります。派遣契約書を自分でちゃんと読むことです。「派遣先企業の名前」「派遣場所(建物や部門)」「仕事内容」が明確に書かれているか確認しましょう。曖昧な書き方だったら「具体的にはどこで何をするんですか?」と派遣会社に質問するんです。
その契約内容と違う職場で働かされてたら、それは大きな問題です。派遣会社に「契約と違う仕事をさせられてます」と報告してください。
指揮命令系統を確認する
毎日の仕事の中で「誰から指示をもらってるか」を意識しましょう。派遣先企業の人(部長、課長、係長など)から直接指示をもらってるなら正常です。でも「派遣先企業には関係ない別の人」「派遣先企業の下請け企業の人」から指示をもらってたら、それは二重派遣の可能性があります。
もし疑問に思ったら「あの人はどこの企業の人ですか?」と派遣先企業の人に聞くのも手です。正当な質問だからね。
派遣会社や企業は、どう対策してるの?
違法状況を避けるための工夫
派遣会社や派遣先企業も「二重派遣は禁止」を知ってます。だから、それを避けるための工夫をしてるんです。
例えば、派遣先企業が「子会社でも人手が足りない」という場合。昔は「派遣労働者を子会社に移す」っていう無茶をしてたかもしません。でも今は「子会社でも派遣労働者を新たに採用する」という方法を取ります。同じ派遣会社から採用することもありますが「派遣先企業は子会社」という新しい契約を結ぶんですね。そうすれば二重派遣にはなりません。
あるいは、派遣先企業の中で部門が増えた場合。昔なら「派遣労働者を新部門に移す」で終わりでした。でも今は「同じ企業の中での配置転換なら大丈夫」と判断します。これは二重派遣ではなく「同一企業内での人事異動」だからですね。
派遣会社の管理体制
ちゃんとした派遣会社は、派遣労働者がどこで何をしてるか定期的に確認してます。「現在地確認」みたいな感じ。営業さんが「実際に派遣先企業に行って、派遣労働者の状況をチェックする」という仕事をしてるんです。
そのときに「あ、この人、派遣先企業の人から指示をもらってないな」「派遣先企業の別企業の人が指揮してる」という問題を発見したら、その派遣会社は「これは二重派遣の可能性があります。改善を求めます」と派遣先企業に通告する義務があるんです。
もし派遣会社がそれをしなかった、あるいはできなかった場合は「派遣会社の管理体制が不十分」という問題が生じます。実は、違法な二重派遣が起きてた場合、派遣会社も罰せられる可能性があるんですよ。だから真面目な派遣会社ほど「二重派遣になってないか」を敏感にチェックしてるんです。
法改正による規制の強化
実は、昔は二重派遣についての法律がそこまで厳しくなかったんです。でも労働者を守るために、段々と規制が強くなってきました。今は「派遣元企業が派遣労働者を派遣先企業に限定する」という厳しいルールになってます。
派遣会社も企業も「昔のやり方は通用しない」と気づいて、契約や運用を改めてるんです。時代とともに、二重派遣を避けるための工夫も進化してるわけですね。
