民事訴訟って何?わかりやすく解説

友だちとお金を貸し借りしたのに返してくれなくなったり、買ったばかりの商品が壊れていたり、隣の人の家の木が自分の家まで伸びてきたり——生活の中でいろいろなトラブルって起きるよね。こういう時、「何とか返してもらいたい」「損害賠償をもらいたい」って思った時に使う方法が「民事訴訟」なんだ。この記事を読めば、民事訴訟って何なのか、どんな時に使うのか、実際にどういう流れで進むのかがぜんぶわかるよ。

民事訴訟ってよく聞くけど、そもそも何ですか?

いい質問だね。民事訴訟っていうのは、個人や会社の間で起きたトラブルを、裁判所に持ち込んで解決してもらう手続きのことだよ。「お金をください」とか「この商品を返してください」っていう、何かを返してもらうことを求める時に使うんだ。友だちとケンカするのとは違って、ルールに従って進む手続きだから、くやしい思いをしても納得できる決着がつきやすいんだよ。
あ、でも「訴訟」って、悪い人を罰するときに使う言葉じゃないですか?

あ、そこだね。その「悪い人を罰する」のは刑事訴訟っていう別の手続きなんだ。民事訴訟は「罰する」んじゃなくて、「失ったものを取り戻す」「損害賠償をもらう」っていう目的なんだよ。たとえば、誰かが君の物を壊しちゃった時、刑事訴訟だと「その人を懲役にする」とかになるけど、民事訴訟だと「壊した物の修理代をください」「つらい思いをさせられたから、その分のお金をください」っていう感じで、損害の埋め合わせをしてもらうわけなんだ。
なるほど。でも民事訴訟って、普通の人にも関係ありますか?会社の人とかが使うのかと思ってました。

いや、むしろ普通の人こそ使う制度だよ。会社が関係することもあるけど、たとえば君が買ったスマートフォンが1週間で壊れちゃったから修理代をもらいたい、とか、友だちに貸したお金が返ってこない、とか、そういう日常的なトラブルで使うんだ。規模が大きいか小さいかに関係なく、「相手に何かをしてもらいたい」「損害を埋め合わせてほしい」って思ったら、誰でも民事訴訟を起こすことができるんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 民事訴訟は、個人や会社の間のトラブルを裁判所で解決する手続きで、損害賠償やお金を返してもらうことが目的だ。
  2. 「罰する」のが目的の刑事訴訟とは違い、「失ったものを取り戻す」ことを求める手続きだ。
  3. 会社だけじゃなく、普通の人誰でも使える制度で、日常的なトラブル解決に活躍する。
目次

もうちょっと詳しく

民事訴訟が活躍する場面は本当に多いんだ。たとえば、隣同士の家でトラブルがあった時、通販で買った商品が説明と違っていた時、医者の治療がうまくいかなくて損害が出た時、職場でいじめられてケガをした時——こういう時、相手に「何とかしてください」と思いますよね。でも相手が応じてくれない時に、裁判所という第三者の判断を借りることで、公平な決着がつくんだ。民事訴訟では、どちらが正しいのか、相手はいくら払う義務があるのかを、証拠や主張に基づいて判断してくれるんだよ。

💡 ポイント
民事訴訟は「お金と時間がかかる」から、できれば訴訟に至る前に相手と話し合いで解決する方が良い。でも話し合いでダメな時の「最後の切り札」になるんだ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「民事訴訟で勝つと、相手は刑務所に入る」
→ 刑事訴訟と混同している。民事訴訟は損害賠償のための手続きで、罰するのが目的ではない。相手が刑務所に入ることはない。
⭕ 「民事訴訟で勝つと、相手から損害賠償をもらえる」
→ 裁判所が「あなたの言う通り、相手が間違っている」と判断すれば、損害賠償金を支払うよう相手に命じてくれる。これが民事訴訟の目的だ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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民事訴訟とは何か——個人や会社のトラブル解決の手段

民事訴訟というのは、個人と個人、会社と個人、会社と会社など、様々な立場の人同士の間で起きたトラブルを、裁判所という公式な場所で解決してくれる手続きのこと。つまり、相手に何かをしてほしい、損害を埋め合わせてほしい、っていう時に、裁判所に「判断してください」とお願いする制度なんだ。

毎日の生活の中では、本当にいろいろなトラブルが起きるよね。友だちに貸したお金が返ってこないとか、買った商品が壊れていたのに返金してくれないとか、階段から落ちて骨折したのはお店の管理不行き届きが原因だから慰謝料をくれ、とか。こういう時、もし相手が「知らない」「払わない」と言い張ったら、二人で話し合ってもまとまりませんよね。そういう時に登場するのが民事訴訟なんだ。

民事訴訟では、証拠を出したり、理由を説明したり、相手の言い分を聞いたりして、最終的に「どちらが正しいのか」「相手がいくら支払う義務があるのか」を、裁判官が決めてくれるんだ。これは友だち同士で話し合うのと違って、ルールがしっかり決まっているから、どちらかが一方的に有利になったり、感情でキレたりすることなく、公平な結論にたどり着けるんだよ。民事訴訟は「トラブルを解決するために作られた、誰でも使える公式な手段」だと思えばいいんだ。

民事訴訟が使える場面の例

民事訴訟がどんな時に活躍するのか、具体例を挙げるとわかりやすいよ。

まず「お金が返ってこない」という場面。友だちに1万円を貸したのに「今月は払えない」とずっと言われ続ける。何度も「返して」と言っても返してくれない。こういう時は民事訴訟を起こして、「この人に1万円返す義務がある」と裁判所に認めてもらうことができるんだ。裁判所が認めてくれれば、友だちは「返さなくていい」とは言えなくなるんだよ。

次に「商品がダメだった」という場面。通販でテレビを買ったら、届いた時から画面がちらついていた。お店に「交換してください」と言ったのに、お店は「そういうトラブルは返品の対象ではない」と言い張った。こういう場合も民事訴訟を起こして、「このテレビは不良品だから返金してください」「治すのにかかった費用を払ってください」と求めることができるんだ。

他にも、医者の治療がうまくいかなくて体に後遺症が残った、職場でパワハラを受けてメンタルを壊された、隣の家の庭木が自分の家の方に伸びて害を与えた——こういう全部が民事訴訟の対象になりうるんだよ。要は「相手の行動や無行動で、自分が何か損害を受けた」という時に、その損害を埋め合わせてもらう手段が民事訴訟というわけなんだ。

民事訴訟と刑事訴訟——「復讐」と「罰」の違い

ここで大事な違いを覚えておいてほしいんだ。民事訴訟と、刑事訴訟っていう別の制度がある。この二つはぜんぜん違う目的なんだよ。

刑事訴訟は、「犯人を罰する」っていうのが目的なんだ。つまり、誰かが法律に違反する悪いことをしたから、その人を懲役にしたり、罰金を払わせたりするっていう手続きのことなんだ。これは個人同士のトラブル解決じゃなくて、社会全体の秩序を守るための制度で、警察や検察が主に動くんだよ。

一方、民事訴訟は「相手に損害賠償をさせる」っていうのが目的なんだ。相手を罰するんじゃなくて、相手の行動で自分が受けた損害を「お金」の形で埋め合わせてもらう、っていう考え方なんだ。だから、たとえ民事訴訟で勝っても、相手は刑務所に入ったり、警察に逮捕されたりはしないんだよ。

ちょっと極端な例を出すと、もし誰かが君の物を壊したとしようか。その人が悪くて、わざと壊したとしましょう。その場合、刑事訴訟では「故意に他人の物を壊したから懲役3年」みたいな罰が下るかもしれない。でも民事訴訟だと「壊した物の価値は5万円だから、その人が5万円払ってください」っていう結論になるんだ。つまり、刑事訴訟は「悪いことをした人を社会的に罰する」で、民事訴訟は「損害を受けた人が失ったものを取り戻す」っていう全く別の目的なんだよ。

「民事」と「刑事」が同時に進むこともある

面白いことに、同じ事件で民事訴訟と刑事訴訟が同時に進むことができるんだ。たとえば、誰かが君の家に侵入して、物を盗んだとしようか。その場合、刑事訴訟で「その人を逮捕して罰する」一方で、民事訴訟で「盗んだ物を返してください、精神的な苦しみのための慰謝料をください」と同時に求めることができるんだよ。

つまり、刑事訴訟で相手が罰せられるのと同時に、民事訴訟で損害賠償をもらう、っていう「二つの裁判」が並行して進むってわけなんだ。これは個人のトラブルだけじゃなく、会社が関わる場合でも同じなんだよ。

民事訴訟の実際の流れ——どういう手続きで進むのか

民事訴訟がどういう流れで進むのか、イメージを持つことが大事なんだ。最初から最後まで、けっこう長くなることもあるから、説明するね。

第1段階:訴訟を起こす前の準備

いきなり訴訟を起こすわけじゃなくて、その前に準備をするんだ。まず、「相手は本当に悪いのか」「自分は証拠を持っているのか」「勝つ可能性はあるのか」っていうことを確認する。そして、相手と話し合いで解決できないかを試すんだ。このステップを「示談交渉」(しめんぎょうしょう)って言うんだけど、つまり「最初は相手と直接話し合って解決できないか試す」っていう意味なんだよ。多くのトラブルは、ここで解決しちゃうんだ。でも相手が聞く耳を持たなかったり、連絡を取れなくなったりしたら、訴訟に進むんだ。

第2段階:訴状を裁判所に提出する

いよいよ訴訟を起こすことにしたら、「訴状」(そじょう)という書類を作るんだ。これは「こういう事実があって、こういう理由で、相手に〇〇をしてもらいたい」っていう内容を、全部書いた文書のことなんだよ。この訴状を裁判所に提出することで、民事訴訟が始まるんだ。訴状には、相手の名前、住所、事件の詳しい経過、証拠リスト、いくら求めるのか、など、全部書く必要があるんだ。

第3段階:相手が答える

訴状が相手に届いたら、相手は「こういう反論がある」っていう書類を提出するんだ。これを「答弁書」(とうべんしょ)って言うんだけど、つまり「相手の側の言い分」を書いた文書なんだよ。相手は「君の言う通りです」って認めることもあれば、「それは違う、こういう事情がある」と反論することもあるんだ。

第4段階:裁判所で何度も話し合う

それからが大事なんだ。裁判所は何度も「期日」(きじつ)っていう日を決めて、その日に双方が集まって、話し合うんだ。この期日では、証人が来て証言したり、書類を出したり、相手の言い分を聞いたり、自分の言い分を言ったりするんだよ。民事訴訟は、けっこう何度も期日があることが多いんだ。簡単なトラブルなら2〜3回で終わることもあるけど、複雑だと10回、20回以上になることもあるんだ。その期日の間に、「もしかして話し合いで解決できるかな」ってなったら、その場で和解することもあるんだよ。

第5段階:判決が下される

全ての期日が終わったら、いよいよ「判決」(はんけつ)の日がやってくるんだ。裁判官が、「どちらの言い分が正しいのか」「相手がいくら払う義務があるのか」を発表するんだよ。判決では、「〇〇さんは△△さんに10万円を支払うこと」みたいに具体的に決まるんだ。

判決に納得できないときは上訴する

判決が気に入らなかったら、それに対して「これは不公平だ」という反論をすることができるんだ。これを「控訴」(こうそ)や「上告」(じょうこく)って言うんだけど、つまり「高い裁判所に『もう一度審理してください』と申し立てる」ということなんだよ。でも控訴や上告をするには、期限(通常は判決から2週間以内)があるんだ。

民事訴訟が本当に活躍する瞬間——なぜ人は訴訟を起こすのか

民事訴訟がどうして必要なのか、本当の理由を理解するには、人がなぜ訴訟を起こすのかを考えるといいんだ。

基本的に、人間関係がうまくいっている限り、訴訟なんて必要ないんだよ。友だちに貸したお金だって、「貸した」「借りた」という約束がしっかりしていれば、返す日になって返してくれるはずなんだ。でも何かの理由で、その約束が破られちゃったとしよう。例えば、相手が「そんなお金、借りた覚えがない」と言い張ったら、どうするのか。二人で話し合ってもまとまりませんよね。ここで必要になるのが「第三者の判断」なんだ。

民事訴訟は「第三者が公平に判断してくれる制度」なんだ。裁判官は君のことも相手のことも知らない。だからこそ、感情に左右されずに、事実と法律に基づいて判断できるんだよ。これが本当に大事な機能なんだ。もし裁判所がなかったら、強い者が弱い者を言いくるめたり、お金がある人が無い人に無理を言ったりする世の中になっちゃうんだ。民事訴訟は「そういう不公平を直すための制度」だと思えばいいんだ。

訴訟にかかるお金と時間

ただし、民事訴訟を起こすのには、お金と時間がかかるんだよ。まず、裁判所に払う「裁判費用」(収入印紙代とか、申し立て手数料とか)がかかる。それに、弁護士に依頼する場合は「弁護士費用」もかかるんだ。だいたい何万円から何十万円、複雑だと何百万円かかることもあるんだよ。

それと、時間もかかるんだ。さっきも言ったように、期日が何度も続くから、その度に裁判所に行かなきゃいけない。全部で1年とか2年かかることも珍しくないんだよ。だから「本当にこのトラブルのために、そこまでの労力と費用をかけるのか」っていうのを、始める前に考える必要があるんだ。

勝ったら相手から回収できるのか

もう一つ大事なポイントなんだけど、判決で勝っても、それで終わりじゃないんだ。例えば「相手は君に10万円を払いなさい」っていう判決が出たとしてもね。でも相手が「払わない」と言い張ったら、どうするのか。その場合、君は相手の財産を調べて、強制執行(きょうせいしっこう)っていう手続きをして、相手の預金口座を凍結したり、給料を差し押さえたりすることができるんだよ。つまり「相手が払わなかったら、無理やりにでも払わせることができる」っていう制度があるんだ。でも、もし相手が本当に貧乏で、差し押さえるような財産がなかったら、10万円をもらえずに終わることもあるんだよ。

民事訴訟を起こす前に知っておくべきこと

民事訴訟について、だいたいわかってきたと思うけど、ここで「起こす前に知っておくべき大事なこと」をまとめておくね。

まず話し合いをする

訴訟は「最後の切り札」だと思っておくといいんだ。訴訟に至る前に、相手と直接話し合うことが、ほとんどのトラブルで大事なんだよ。もしかして、相手だって「え、そんなことになってたの?申し訳ない」と謝ってくることもあるかもしれないんだ。特に、相手がうっかり忘れてただけとか、コミュニケーション不足だったとかいう場合は、話し合いで解決することがほとんどなんだよ。

証拠を集める

訴訟を起こそうと思ったら、証拠が大事なんだ。友だちとのLINEのやり取り、手紙、契約書、メール、領収書りょうしゅうしょ、写真——こういったものが「証拠」になるんだよ。「相手が悪い」って言ってるだけじゃ、裁判では勝てないんだ。「こういう証拠があるから、相手が悪いんです」っていう証拠を持っていることが、非常に重要なんだ。

弁護士に相談する

訴訟は法律の知識が必要になるから、自分でやるのは難しいことが多いんだ。だから、弁護士に相談するのが一般的なんだよ。弁護士は「訴訟をやる価値があるのか」「勝つ可能性は高いのか」「どのくらいお金がかかるのか」などを判断してくれるんだ。最初の相談は無料でやってくれるところもあるから、まずは相談してみるといいんだよ。

時間がかかることを覚悟する

さっきも言ったけど、訴訟はかなり長くなるんだ。「半年で終わるだろう」と思ってても、1年2年かかることもあるんだよ。その間、ずっと心の中に「この訴訟のこと」を抱えることになるんだ。だから「本当にそこまでやる覚悟があるのか」っていうことを、始める前に考えておく必要があるんだ。

民事訴訟は、トラブルを解決するための大事な制度なんだ。でも、それはあくまで「最後の手段」なんだよ。話し合いで解決できるなら、話し合いで解決する。相手が聞く耳を持たないなら、訴訟を起こす。こういう判断ができるようになっておくことが、大人になるってことなんだ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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