学校や職場で、上の立場の人から厳しく指導されることって誰にでもありますよね。でも、どこからが「厳しい指導」で、どこからが「いじめ」なのか、判断が難しいと思いませんか?実は、この問題には「パワハラ」という名前がついていて、法律でも守られているんです。この記事を読めば、パワハラが何か、そしてもし自分がそういう状況に置かれたらどうしたらいいのか、がわかるようになります。
- パワハラは 力が強い立場の人が弱い立場の人に嫌がらせをすることで、相手を傷つけるのが目的です
- 厳しい指導とは違い、相手の成長を助けるのではなく精神的に追い詰めるのが特徴です
- 暴力・暴言・無視・仕事の放置など、いろいろな形があり、繰り返されることが多いです
もうちょっと詳しく
パワハラが問題なのは、相手の心や体に大きなダメージを与えるからです。毎日責められたり、無視されたり、不当な扱いを受けたりしていると、学校に行くのが嫌になったり、仕事をするのが怖くなったり、心身の病気につながることもあります。だから、日本の法律でも「パワハラは許されない行為」として扱われるようになってきたんです。もし自分や友だちがパワハラを受けていると感じたら、親や先生、または相談窓口に話すことが大切です。一人で抱え込まず、誰かに助けを求めることが解決への第一歩になりますよ。
パワハラは「その人のため」ではなく「その人を傷つけるため」の行動が特徴です
⚠️ よくある勘違い
→ 目的が「成長させるため」なら、厳しくても指導です。パワハラかどうかは「相手を傷つけるのが目的か、それとも成長を助けるのが目的か」で判断します
→ パワハラかどうかの判断には「相手の気持ち」と「目的」と「繰り返されているか」の3つが大事です
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パワハラとはどういう意味?
パワハラの基本的な定義
パワハラというのは、「パワーハラスメント」という英語を短くした造語です。つまり、権力や地位を使った嫌がらせや意地悪のことを言います。学校の中でも職場の中でも、立場に差がある二人の間で起こりやすいんです。
具体的には、上司が部下に、先生が生徒に、先輩が後輩に対して、その立場の力を使って相手に嫌なことをする行為全般を指します。例えば、あなたがクラスの委員長だからって、他の委員に不当な指図をしたり、できない仕事を押しつけたりするのもパワハラに近いんですよ。
なぜパワハラと呼ぶのか
「パワー」というのは力とか権力という意味です。そして「ハラスメント」というのは、つまり嫌がらせとか嫌な思いをさせることです。つまり、パワハラは「力を持っている側が、力を持っていない側に対して嫌なことをする」という意味なんです。
もし同じくらいの立場の友だち同士でケンカになるのは、それはパワハラとは言いません。なぜなら、どちらかが明らかに力を持っている立場ではないからです。パワハラの特徴は、その不公平さにあるんですよ。力を持っている人が、力を持っていない人に対して悪いことをするから、相手は逃げられない、反論できない、そういう状況になってしまうんです。
パワハラの具体例を知ろう
言葉によるパワハラ
最も多いのが言葉によるパワハラです。例えば、仕事でミスをした人に対して「お前、バカなんじゃないのか」「そんなこともできないのか」と大声で責める、これはパワハラです。違いは、指導的な言い方なら「ここの部分を直してみようか」「次からはこうしようか」という感じになります。
また、「お前の意見なんて聞く価値がない」「そんなことも知らないの?子どもじゃん」と相手を馬鹿にするような言い方も、これはパワハラになります。相手の人格を否定する言葉を使うのがポイントですね。学校では、先生が「お前は才能がない」「こんなのもできないやつは卒業するな」みたいなことを言ったりする場合があります。これは相手の人格や能力を根拠なく否定する言葉で、明らかにパワハラです。
身体的なパワハラ
暴力や体への危害を加えることも、当然パワハラです。例えば、職場で部下を叩いたり、学校で先生が生徒を殴ったり、これは言うまでもなくパワハラどころか犯罪です。日本の法律では、こういう暴力行為は「傷害罪」や「暴行罪」という犯罪にもなります。
ただし、注意が必要なのは「体に触れることすべてがパワハラ」ではないということです。例えば、肩を励ましくためにポンとたたくとか、危ないときに体をつかんで引き止めるとか、そういうのは文脈によって違うんです。でも、相手が嫌だと感じている、あるいは恐怖を感じているなら、それはパワハラになる可能性が高いです。
行動や無視によるパワハラ
直接言葉や暴力を使わなくても、パワハラはあります。例えば、わざと仕事を与えない、会議に招待しない、みんなの前で無視をする、こういう行動もパワハラになります。なぜなら、相手は明らかに「自分は必要とされていない」「仲間外れにされている」という苦しい気持ちになるからです。
学校で考えると、先生がある生徒だけを当てない、友だちが一人の人を無視するグループを作る、こういうのもパワハラの一種です。暴力や大きな声ではないから目立たないかもしれませんが、受ける側の心へのダメージは大きいんですよ。毎日無視されていたら、誰でも心が折れてしまいます。
不当な仕事や役割の押しつけ
仕事の内容や量で相手を困らせるのもパワハラです。例えば、明らかにその人の能力を超えた仕事を期限なしで押しつける、やり方を教えずに「やっておいて」と言う、失敗するとわかっているのに無理な目標を設定する、こういうのはパワハラです。
学校でも同じことが起こります。授業についていけない子に、説明なしに難しい問題を「絶対にできるようになれ」と強制する。クラスの委員長に、他の人の仕事まで全部押しつける。こういうのは、相手を追い詰めるためのパワハラになってしまいます。正当な指導は「この子はできる」「サポートすれば大丈夫」という信頼のもとで行われるんです。
厳しい指導とパワハラの違い
目的が違う
ここが一番大事なポイントです。厳しい指導は、相手を成長させたい、良くなってほしい、という目的があります。だから、指導を受ける側が納得できれば、その後の関係は改善されます。
一方、パワハラは相手を傷つけたい、支配したい、という目的があります。だから、何度やっても相手を傷つけることをやめません。むしろ、相手が傷つく様子を見るのが目的だったりするんです。例えば、野球の監督が「もっと気合を入れろ!」と大きな声で言うのと、「お前は本当にダメな奴だな」と小声で何度も繰り返すのでは、目的が違いますよね。
相手の気持ちを考えているか
厳しい指導をする人は、指導の後で「大丈夫か」「何か質問があるか」と相手の様子を見ます。相手がつらそうなら、やり方を変えたり、サポートを増やしたりします。つまり、相手の気持ちに寄り添いながら指導をしているんです。
パワハラをする人は、相手の気持ちなんて考えません。相手がどんなに傷ついても、相手の能力では無理なことでも、「お前が悪い」「努力が足りない」と一方的に責めます。相手からのSOSを無視して、同じ嫌がらせを繰り返すんです。
改善の余地があるか
厳しい指導は「この部分を改善すればいい」という具体的な改善点があります。だから、相手がその改善点に取り組めば、関係が良くなっていきます。
パワハラは、どうやっても相手を満足させる方法がありません。なぜなら、目的が「相手を傷つけること」だから、相手がどう頑張っても文句を言われるんです。今日は「仕事が遅い」と言われ、明日は「仕事が雑だ」と言われ、その次は「顔が気に入らない」と言われたり。つまり、いくら努力してもパワハラは止まらないんですよ。
パワハラが起こる理由と背景
権力を持つ人の心理
パワハラをする人の多くは、実は自分に自信がないことが多いんです。自分の能力や地位が本当に正当なものなのか、相手に認めてもらえているのか、そういう不安を持っています。その不安を解消するために、相手を傷つけることで、自分の力を確認しようとするんです。つまり、自分より弱い立場の人を傷つけることで「自分は力を持っているんだ」と確認したいんですよ。
また、その人がかつて自分もパワハラを受けていたかもしれません。「自分がされたから、相手にしてもいい」「これは厳しい指導だ」という誤った認識を持っていることもあります。パワハラは、こうして世代から世代へと連鎖していくことがあるんです。
組織の環境が問題
パワハラが起こりやすい環境があります。例えば、上司の言葉は絶対、先生の言うことは聞かなくちゃいけない、という上下関係が厳しい組織です。そういう環境では、パワハラが起こっても誰も指摘できません。むしろ「厳しい教育」「鍛える」という名目で正当化されてしまうんです。
また、成果を出すのが最優先という環境でも問題です。スポーツ部や勉強で結果を出すことだけが評価される場所では、パワハラが起こりやすくなります。なぜなら「つらいけど、これが成功への道」という名目で、パワハラが容認されてしまうからです。
パワハラを受けているときの対処法
まず周囲に相談する
パワハラを受けていると感じたら、一番大事なのは「一人で抱え込まない」ことです。親に話す、先生に話す、信頼できる大人に話す。これが大事です。なぜなら、パワハラは相手が強い立場にいるので、自分だけで解決するのは難しいからです。
学校なら、学年の違う先生に相談するとか、スクールカウンセラーに相談するのもいいです。職場なら、人事部門や労務管理の人に相談します。大事なのは「信頼できる大人に話す」ということです。その大人が、あなたを守るために動いてくれます。
記録を残す
いつ、どこで、誰に、どんなことをされたのか、を記録しておくことが大事です。日記に書くとか、スマートフォンにメモするとか、証拠を残しておくんです。なぜなら、後で「そんなことはなかった」と言われたときに、記録があると信じてもらいやすいからです。
もし直接の暴力がある場合は、写真を撮ったり、医者の診断書をもらったりするのもいいです。こういう物的な証拠は、パワハラの証明に役立ちます。
相談窓口を利用する
日本には、パワハラについて相談できる窓口があります。厚生労働省の「ハラスメント相談窓口」や、各都道府県の労働局などです。電話やメールで、無料で相談できます。また、学校なら「子どもの人権110番」という相談窓口もあります。こういう専門家に相談することで、法的なアドバイスをもらえたり、解決に向けた手続きを進めたりすることができます。
大事なのは、パワハラは「自分が悪い」のではなく「相手の行為が悪い」ということです。だから、遠慮なく相談窓口を利用してください。
必要に応じて法的措置を取る
パワハラの内容がひどい場合、法的に解決することもできます。例えば、職場でのパワハラは「不法行為」として損害賠償請求ができます。また、暴力がある場合は「傷害罪」や「暴行罪」として警察に届け出ることもできます。
ただし、こうした法的措置を取るには、証拠や記録が必要です。だから、前から「記録を残すこと」が大事だと言ったんです。もし本当に困っているなら、弁護士や法律の専門家に相談することもできます。
