進路を決める時期になると「採用内定」という言葉をよく聞くけど、これって正確には何なのか、内定と決定の違いは何なのか、内定をもらったら絶対に働かなきゃいけないのか…そんなことで頭がモヤモヤしていませんか?実は採用内定は企業と働く人の間で最初に交わす約束で、その約束にはちゃんとした意味があるんです。この記事を読めば「採用内定」が何なのか、どうして企業が内定を出すのか、内定をもらった後は何をするのかが、すっきり分かりますよ。
- 採用内定は企業が「あなたを採用します」と約束する段階で、実際に働き始める前の決定
- 内定と採用決定は別で、内定をもらった後も卒業まで約束を守る義務がある
- 内定を拒否することはできるが、企業にきちんと連絡して辞退することが大切
もうちょっと詳しく
採用内定というのは、就職活動の一つの重要な段階です。企業は何十人、何百人という応募者の中から採用したい人を選びますが、最後に「この人をうちの会社で働く人として決めました」と約束するのが内定です。内定をもらうまでには、書類選考や面接などの選考過程を経て、企業が求職者のことをよく知ったうえで判断します。だから内定は単なる「試験に受かった」というのとは違って、企業と求職者の間での双方向の約束なんですね。
内定は企業の気持ちと応募者の気持ちが合意に達した瞬間。どっちかが一方的に決めるものじゃないんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ 法律的には拒否することはできます。ただし相手企業に迷惑をかけることになるので、できるだけ早く正式に報告することが大切です。
→ 内定期間中(通常は数か月~1年)に、その会社で働くことに納得できるか確認する。きちんと報告したうえで辞退することも可能です。
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採用内定とは何か
企業と求職者の約束
採用内定というのは、簡単に言ってしまえば、企業と働きたい人(求職者)の間で交わされる「約束」です。企業の立場から見ると「あなたをうちの会社で働いてもらう人として決めました」という気持ちの表現で、求職者の立場から見ると「このしごとをがんばります」という決意の表現ですね。つまり両方が「よし、一緒にやろう」と決めた瞬間が内定なんです。
企業は一年中さまざまな人から応募を受け付けていて、その中からピッタリ合う人を選びます。でも新卒採用(新しく学校を卒業する人を採用すること)の場合は、通常、決められた時期に大量の応募があります。例えば大学生なら3年生の秋から冬にかけて就職活動を始めて、企業の説明会に行ったり、面接を受けたりします。企業も「来年の4月には新しいメンバーが必要だから、今のうちに選んでおこう」と考えて採用活動を進めるわけですね。
その採用活動の最終段階が「内定」です。書類選考(志望動機や学歴などを確認する)、1次面接(初めて顔を合わせて話す)、2次面接(もっと詳しく適性を確認する)、最終面接(経営層と話して最終確認する)…こういう段階を経て、企業が「この人だ!」と決めるんです。そこで初めて「採用内定通知」という書類や連絡がもらえるわけですね。
内定と採用決定の違い
ここで大事なのが、採用内定と採用決定は別だということです。採用内定は「決めました」という約束の段階。採用決定は「実際に働く日が来たから本当に働き始めます」という段階です。
例えるなら、スマートフォンを買うときを想像してみてください。お店で「このスマホに決めました」と決めて、予約をした状態が内定。実際にお金を払ってお店から受け取る状態が採用決定ですね。内定通知は「予約確認書」みたいなもので、採用決定は「実際の購入」みたいなものなんです。
内定をもらってから採用決定までの間(通常は卒業までの数か月~1年)は、ちょっと特別な状態です。企業の側は「この人は来年働いてくれるはず」と考えて、研修の準備をしたり、職場の配置を決めたり、いろいろなしごとを始めます。求職者(あなた)の側も「この会社で働くんだ」と覚悟を決めて、卒業までの間に必要な勉強をしたり、生活の準備をしたりします。
採用内定をもらうまでの流れ
就職活動のスケジュール
採用内定をもらうまでには、いろいろな段階があります。新卒採用の場合、通常はこんなスケジュールで進みます。大学3年生の秋から冬にかけて、企業説明会という「うちの会社がどんな会社か説明する会」に参加します。ここで企業の仕事内容や理念(どういう価値観を大切にしているか)を知ることができます。参加者は100人、1000人という単位になることもあります。
そこから「応募したい」と思った企業に、エントリーシート(簡単な履歴書みたいなもの)を提出します。これが「1次選考」の書類選考に当たります。企業は全部のエントリーシートを読んで、「この人の経歴と希望は当社に合いそうだな」という人を選びます。ここでふるいにかけられてしまう人も多いですね。
書類選考に受かると、次は「1次面接」です。面接というのは、企業の担当者と実際に顔を合わせて話す段階。「自己紹介をしてください」「なぜこの会社を選んだのですか」「学生時代に頑張ったことは何ですか」こういう質問に答えます。ここで企業は「この人は本当に誠実か」「一緒に働きたいと思える人か」を判断するんです。
その後「2次面接」「3次面接」と進むこともあります。段階を追うごとに、参加者の数は減っていきます。最後の方は「最終面接」で、会社の役員(会社を統率する偉い人)と話することもあります。そして全ての面接に合格すると、ついに「採用内定通知」が届くわけです。
採用内定通知の内容
採用内定通知は、通常、手紙や電子メールで送られてきます。「このたび採用内定のお知らせをいたします」という固い文体で始まることが多いですね。内定通知には、採用予定日(実際に働き始める日、通常は卒業後の4月1日)、勤務地(どこで働くか)、給与(月にいくら稼ぐか)、部署(会社の中のどこで働くか)など、働く時に必要な情報が書いてあります。
同時に「内定承諾書」という書類が送られてくることもあります。これは「この条件で働きますね」と約束する書類で、求職者が署名して企業に返送する必要があります。つまり、企業が「採用します」と言うだけじゃなくて、求職者も「働きます」と応じることで、初めて本当の約束が成立するんですね。
採用内定後に求職者がすること
内定期間中の過ごし方
採用内定をもらってから採用決定(働き始める日)までの間は、何もしないで待っているわけじゃありません。企業の側も求職者の側も、いろいろなことをしなきゃいけない時期なんです。
まず、企業からは「内定者研修」という研修に招待されることが多いです。これは「働く前に、仕事の基本を勉強しておこう」というもの。例えば、ビジネスマナー(会社では、友達とは違う丁寧な言葉遣いやルールがあるってこと)を学んだり、会社の重要な理念を深く学んだり、配属される部署の事前知識を勉強したり、こういったことをします。中には、新入社員が実際に働き始める前に、同期(同じ時期に入社する仲間)との関係を作ることも目的とされています。
求職者の側でも、準備することがあります。生活の準備ですね。働く場所が今住んでいるところから遠い場合は、引っ越しのしたくが必要。健康保険や年金の手続きも、働き始める前に企業から書類を受け取って提出する必要があります。また、仕事に必要なスキル(能力)を身に付けることも大切です。例えば、プログラマーとして採用された人は、プログラミング言語をもっと勉強しておくとか、営業として採用された人は、商品について詳しく勉強しておくとか、こういった工夫をする人もいます。
ただし、採用内定と採用決定の間も、企業と求職者の約束は有効です。つまり、求職者は「他の会社に行きたいなあ」と思っても、採用内定を受けた企業との約束を守る義務があるんですね。逆に企業の側も、特に大きな事情がない限り「やっぱり内定を取り消します」なんてことはできないんです。(法的には取り消しできるケースもありますが、求職者に損害を与えるので企業は慎重になります。)
内定を受け入れるための確認
採用内定をもらったら、まず確認するべきことがあります。それは「本当にこの会社で働きたいのか」ということです。「一流企業だから」「給料がいいから」「有名だから」という理由だけで内定を受けると、働き始めた後に「あ、こういう会社だったのか…」と後悔することもあります。
内定通知に書かれている条件を、もう一度確認しましょう。給料は自分の期待と合っているか、勤務地は通いやすいか、働く時間(朝は何時から夜は何時まで)は自分のライフスタイルに合っているか、会社の理念や仕事内容は自分の価値観と合っているか…こういったことを、じっくり考える時間が内定期間なんです。
企業の側も、求職者がこの時期に考えることを理解しています。だから内定説明会という「採用内定をもらった人だけ向けの説明会」を開いて、さらに詳しく会社のことを説明したり、先輩社員の話を聞かせたり、職場を案内したり、こういったことをします。「本当に一緒にやりたい」と確認してから、働き始めるのが理想的なんですね。
採用内定を拒否することはできるのか
法律的には拒否が可能
「でもさ、採用内定をもらったら、絶対にその会社で働かなきゃいけないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。実は法律的には、採用内定をもらった後に「やっぱり辞退します」と言うことはできるんです。つまり、拒否することは可能ということですね。
ただしこれには条件があります。内定を受けた企業に「申し訳ありませんが、採用内定の辞退をお願いします」ときちんと報告する必要があります。なぜかというと、企業はあなたが来年働くんだと思って、準備をしているからです。給与をもらうための経費の計算をしたり、新入社員の配置を考えたり、研修のしたくをしたり、いろいろな準備をしているんですね。
それなのに、何も言わずに黙ってしまったり、働き始める直前に「実は他の会社に決めました」と言ったりすると、企業に大迷惑をかけてしまいます。だから「もし内定を辞退する場合は、できるだけ早く、できるだけ丁寧に企業に伝える」というのが、社会人としてのマナーなんですね。
内定辞退の正しい手順
もし本当に採用内定を辞退したい場合は、どうすればいいか説明しましょう。まず、会社の採用担当者に電話をかけます。メールじゃなくて電話です。「いつもお世話になっております。申し訳ありませんが、採用内定の辞退をお願いしたいのですが…」と、丁寧に説明します。電話で伝えた後は、メールでも改めて辞退の報告と理由を書いて送ります。こうすることで、企業側に「ちゃんと報告をしてくれたんだ」という信頼感が生まれるんですね。
大事なのは「できるだけ早く伝える」ということです。採用内定をもらってから2週間や1か月後なら、企業はまだ代わりの人を探すことができます。でも働き始める1週間前に「実は辞退します」と言ったら?企業は新入社員を迎える準備をもう始めていますから、大変な迷惑になってしまいます。ですから「もしかしたら辞退するかも」と思ったら、できるだけ早く企業に連絡することが大切なんです。
ただ、よほどのことがない限り、採用内定を辞退するのはおすすめできません。なぜかというと、あなたが採用内定をもらえるまでに、企業は何度も面接をして時間をかけたからです。それに、採用内定を辞退した企業は「この人は約束を守らない人」という印象を持つかもしれません。就職市場(仕事を探す人と企業が出会う場所)は、思ったより小さい世界です。今一つの企業で信頼を失うと、他の企業にもその評判が伝わることもあります。ですから「この会社でいいのかな」と迷ったら、内定期間中にしっかり考えて、本当に働きたい会社を見つけることが大切なんですね。
採用内定で知っておくべき重要ポイント
内定は企業と求職者の双方向の約束
最後に、採用内定で最も大切なことをもう一度確認しましょう。採用内定は「企業が一方的に決める」ものではなく、「企業と求職者が『一緒にやろう』と決める」ものなんです。つまり双方向の約束ですね。
企業は「あなたをこういう給与で、こういう部署で採用します」と約束します。一方、求職者は「その条件で働きます」と約束します。この両方の約束が成立することが、採用内定なんです。だから企業だけが得をするのではなく、求職者も「この条件なら納得できる」という確認をしたうえで、初めて本当の約束が成立するわけですね。
採用内定と採用決定は別
もう一つ大切なのが「採用内定と採用決定は別」ということです。採用内定は「決めました」という段階。採用決定は「実際に働き始めます」という段階です。この間には、数か月から1年くらいの期間があります。
この期間をしっかり活用することが大切なんです。企業の側は、内定者研修などを通じて新入社員の準備をしますし、求職者の側も、生活の準備やスキルアップの準備をします。また、「本当にこの会社でいいのか」という確認をしる時間でもあります。働き始めたら、毎日会社のために時間を使うことになるから、後悔がないように、この期間中に何度も確認することが大切なんですね。
採用内定は第一歩
採用内定をもらうことは、とても嬉しいことです。「自分の力が認められた」「社会で働く第一歩が決まった」という喜びもあるでしょう。でも、採用内定はあくまで第一歩なんです。本当の社会人生活は、採用決定後に始まります。働き始めたら、いろいろな課題に直面することもあるし、思ってみたのと違うことも出てくるかもしれません。
だからこそ、採用内定から採用決定までの間に、「本当に一緒にやりたいのか」という確認を何度もすることが大切なんですね。後悔のない選択をするために、内定期間を大切に過ごしてください。採用内定は、あなたの人生の新しい章が始まる合図。その合図を大切にして、次のステップに進んでいきましょう。
