内定取り消しって何?わかりやすく解説

就職活動がうまくいって、やっと企業から「採用を決めました」という連絡をもらった。喜んで大学の授業を出たり、アルバイトを辞める準備をしたり…なのに、突然「やっぱり採用を取り消します」と言われてしまう。そんなことって、実は起こるんです。この「内定取り消し」って何なのか、どういう時に起こるのか、された時にはどうしたらいいのか、この記事を読めばぜんぶわかるよ。

先生、「内定取り消し」って何ですか?採用を取り消すって、企業は自由にそんなことできるんですか?

いい質問だね。内定っていうのは、つまり企業が「君を採用することに決めました」という決定のこと。学生側も「その企業に入ることを約束した」という状態になるんだ。それを企業側が一方的に「やっぱりなし」にするのが内定取り消しだよ。
えっ、そんなことされたら、その学生はかわいそう過ぎませんか?

その通り。だから日本の法律では、企業が簡単に内定を取り消すことを許しちゃいないんだ。よほど正当な理由がない限り、企業は取り消せないことになってるんだよ。
「正当な理由」って、どんな場合なんですか?

例えば、学生が採用試験の時に嘘をついていて、実は資格がなかったとか、重大な犯罪を起こしたとか。あるいは経営危機で本当に会社がつぶれそうになっちゃった場合もある。でもね、ただビジネスが悪くなったからというだけの理由では、取り消しはできないんだ。
そっか。企業だって大変な時があるんですね。でも学生も約束して生活設計してるから、簡単に取り消されたら困りますもんね。

📝 3行でまとめると
  1. 企業が学生との採用約束を一方的にキャンセルするのが内定取り消しで、むやみにはできない
  2. 正当な理由がないと法律的に認められず、企業は責任を負うことになる
  3. 取り消しされたら、企業に対して金銭補償を求めたり、他の企業への就職支援を要求したりできる
目次

もうちょっと詳しく

内定は、見た目では「紙切れ」や「メールのやりとり」かもしれません。でも法律上は、企業と学生の間に成立した「採用契約」なんです。つまり、両方が守らなきゃいけない約束ということ。だから企業が理由もなく取り消せば、契約違反、つまり債務不履行(つまり約束を守らないこと)になっちゃうわけです。過去の判例では、内定取り消しをされた学生が企業を訴えて、裁判所が「これは正当な理由がないから違法だ」と判断して、企業が損害賠償を払うケースもあります。

💡 ポイント
内定は「約束」です。企業も学生も、軽く考えちゃダメ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「企業の経営が悪くなったから、内定取り消しは仕方ない」
→ 経営危機だけでは正当な理由にはならないんです。会社がつぶれそうでも、採用の約束は守るべき。もし本当にヤバければ、学生と相談して条件を変える(給料を下げる、入社時期を遅らせるなど)ことはあっても、一方的な取り消しはNG。
⭕ 「企業は極めてレアな理由がない限り、内定を取り消してはいけない」
→ 学生が採用試験で詐欺的な嘘をついた、重大な犯罪を起こした、健康理由で職務遂行が不可能になったなど、本当に限られた場合だけが「正当な理由」です。
なるほど〜、あーそういうことか!

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内定って、どんな時点で成立するの?

まず整理しておきたいのが、「内定」がいつ成立するのかということです。企業からの採用通知書をもらったら、もうそれは内定ですか?それとも、学生がそれに対して「入ります」と返事をしたら?実は、この部分が重要なんですよ。

一般的には、企業から「採用を決めました」という意思表示があって、学生がそれに対して「承諾します」という返事をしたら、その時点で内定が成立します。つまり、両方の気持ちが合致した時ですね。イメージとしては、お店で「このジュースください」って言ったら、店員さんが「かしこまりました」って答えて、初めてジュースが君のものになる、みたいな感じ。企業がいくら「採用します」と言っても、学生が「えっ、やっぱり入りたくないです」って言ったら、成立しないんです。

ただし、実際には細かい部分で争いが起こることもあります。例えば、企業からのメールの内容をどう解釈するかとか、学生の返事の方法とか。だから、採用の話が出たら、きちんと文書で確認し合うことが大事なんです。「お母さんに話した」とか「電話で聞いた」というあいまいな形じゃなくて、メールとか手紙で「採用します」「入ります」と明確に記録しておくといいですよ。そうすれば、後でもめた時に証拠になります。

企業が内定を取り消す理由って、どんなのがあるの?

ここまで読むと「企業は簡単に取り消せない」って聞こえるかもしれません。でも、実際には取り消しが起きる場面もあるんです。ただし、それが「正当な理由」なのかどうかが問題になるわけですね。

企業が内定を取り消す場面としては、いくつかのパターンがあります。まず一つ目が、「学生側の詐欺や嘘」です。例えば、採用試験の時に「資格を持ってます」と言ったけど、実は持ってなかったとか。採用面接で「卒業できます」って言ったのに、実は留年しちゃった。こういう場合は、企業が採用を決めた理由そのものが成り立たなくなるので、取り消しは正当だと判断されやすいです。

二つ目が、「学生の重大な問題行為」です。新聞に載っちゃうような犯罪をした、とか。採用直前に逮捕されちゃった、みたいなね。こういう場合も、企業の信用が傷つくから、取り消しが認められることが多いです。

三つ目が、「本当の経営危機」です。ただし、ここは注意が必要。単に「売上が下がった」「新しい事業がうまくいかなかった」程度では、正当な理由にはならないんです。本当に倒産がつきつけられてる、融資が受けられなくなった、みたいな極限状態だけが認められます。それでも、最初は学生と相談して「入社を3か月後にする」とか「給料を下げる」とか、なんとか解決策を探るべきなんですよ。一方的な取り消しは、よほどのことがない限りダメなんです。

そして四つ目が、「職務遂行が不可能な状態」です。採用後、けがや病気で本当に働けなくなった、みたいな場合。ただしこれも、すぐに取り消し!とはならなくて、「いつから働けるのか」「どんな仕事ならできるのか」と相談するのが筋です。

2008年のリーマンショックという経済危機の後、日本でも内定取り消しが相次ぎました。でも裁判で争われた案件をみると、ほとんど企業が学生の言い分を認めて、給料を払ったり、入社時期を遅らせたりしてるんです。つまり「経営が大変だから」という理由だけでは、やっぱり通らないってわけです。

内定取り消しをされたら、どうすればいい?

もし、あなたが内定取り消しをされてしまったら、どうしたらいいのか。落ち込むのは当然ですが、対応策があるんですよ。

まず大事なのが、「企業に理由を聞く」ことです。企業が「経営危機だから」と言ったら、本当にそうなのか確認しましょう。ニュースを見て、その企業の経営状況を調べてみる。それでも「え、そんなに悪いの?」って感じなら、説明を求める権利があります。

次に、「記録を残す」ことです。企業からのメールや手紙、内定通知書などは、全部保存しておきます。「内定を取り消します」と言われた時に、その会話もメモに書いて、日付と時間を記しておく。後で問題になった時に、これが証拠になるんです。

それでも企業が取り消しを主張してきたら、「交渉」という手段があります。自分で交渉するのが難しければ、親に相談したり、大学のキャリアセンター(つまり就職をサポートする部門)に相談するといいです。実は企業側も「学生が問題を起こすかもしれない」と心配してることがあるので、大学を通じて「この学生は優秀です」「信頼できます」という話が出ると、考え直すこともあるんです。

もし話し合いで解決しなかったら、「裁判」という手段もあります。ただし、これは時間と費用がかかるので、最後の手段です。その前に、大学や親、あるいは弁護士に無料相談できる場所(法テラスとか、各地の労働局とか)に行ってみるといいですよ。

実は重要なのが、企業が学生に与えるべき「補償」です。もし内定取り消しが違法だと判断されたら、企業は学生に損害賠償を払うんです。例えば、入社予定日までの給料相当額とか、精神的苦痛に対する慰謝料とか。過去の判例では、数百万円の賠償金を払わされた企業もあります。だから企業側も、簡単には取り消せないんですよ。

企業側も大変。内定と責任のバランスって?

ここまで読むと「企業が学生に対して強い立場にある」って感じるかもしれません。でも、実は企業側も責任があるんですよ。これは「あーそういうことか」の大事なポイントです。

採用を決めるって、企業にとっても大事な判断なんです。新入社員を育成するのに、会社は教育費をかけます。先輩社員が時間をかけて指導します。給料だって払わなきゃいけない。だから、採用を決めたら、その人を育てようっていう覚悟があるわけです。それを簡単に「やっぱりいいや」ってなったら、企業としても信用を失うし、法的にも責任を取らされちゃうんです。

実際、採用試験の時点では、学生の全部は分かりません。「この人、ホントに優秀なのかな」「実は使えないんじゃ」って疑いが頭をよぎることもあります。でも採用を決めたら、その疑いを払拭する努力をするのが、企業の義務なんですよ。

だから法律は、学生を守るんです。「採用の約束を簡単に破っちゃダメ。もし破ったら、その学生に対して責任を持ちなさい」と。それが「内定は契約と同じ」という考え方の根拠なんですね。

ただし、本当に倒産がつきつけられるとか、学生がもし採用前に犯罪を起こしたとか、極限の状況は違います。そういう時は、やむを得ないというわけです。でも、その場合でも企業側は「学生に何かできることはないか」と考える責任があるんですよ。例えば「給料を少なく支払う代わりに雇用を続ける」とか「入社時期を遅らせる」とか。

つまり内定って、企業にとっても学生にとっても、軽い約束じゃないんです。両方が「守らなきゃいけない」という責任があるわけですね。それが理解できると、就職活動の時も、採用を決めた後も、もっと真摯に向き合えるようになると思いますよ。

これからの時代、内定はどう変わるの?

最後に、ちょっと未来の話をしましょう。日本の採用活動は、昔から「新卒一括採用」という仕組みになってます。つまり、毎年4月に、大学を卒業する学生をまとめて採用する、という形ですね。この仕組みのおかげで、学生側も企業側も「いつ採用が決まるのか」が分かりやすくなってるんです。

でも最近は、この仕組みが変わってきてるんですよ。例えば、外資系企業は「通年採用」といって、いつでも採用する形に変えてきました。また、大企業でも「インターンシップで活躍した学生を採用する」という形を増やしてきてるんです。こういう変化の中で、内定の取り消しの定義も、少しずつ変わってくるかもしれません。

ただし、基本的なルールは変わらないと思いますよ。企業が学生と「採用契約」を結んだら、その責任を持つ。学生が「入社します」と約束したら、その責任を持つ。この「契約」という考え方は、これからも大事なんです。

だから、あなたが就職活動をする時は、採用を受ける企業のことをしっかり調べて、「本当に行きたい企業なのか」を考えて。そして採用を決めたら、その企業のことを信頼して、準備を進める。企業側も、採用を決めたら、その学生を大事にする。お互いに「約束」を守る。それが大事なんですね。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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