テレビの裁判ドラマを見ていると、最後に「判決は〇〇です」と言われるシーンが出てきますよね。でもその「判決」が実際にどんなものなのか、どうやって決まるのか、よく分からないまま見ちゃってる人もいるんじゃないかな。この記事を読めば、判決がどういうもので、どんな力を持っているのか、ちゃんと理解できるようになるよ。
- 判決は裁判官が法律に基づいて下す正式な決定で、単なる意見ではなく法律の力を持っている
- 判決に従わないと罰金や強制執行など、法律による制裁が下される可能性がある
- 判決は最終的には確定し、その後は原則として変更されない決定である
もうちょっと詳しく
判決と聞くと「有罪か無罪か」という刑事事件の話を思い浮かべる人も多いかもしれないけど、実は判決の対象はそれだけじゃない。民事裁判(つまり、個人同士や企業同士の金銭トラブルなど、法律上の権利義務に関する争い)でも判決は下される。「このお金を誰が払うべきか」「このモノは誰のものか」「この契約は有効か無効か」といった、様々なテーマで判決が出るんだ。どの種類であれ、判決には国の法律の力が組み込まれているから、誰もがそれに従わなければいけないんだよ。
判決には「刑事判決」と「民事判決」がある。刑事は有罪・無罪、民事はお金や権利の争いについて下される。
⚠️ よくある勘違い
→ よく混同されるけど、全然違う。「判決」は裁判官が公式に下す決定で法律の力がある。「判断」は誰かが何かを考えて決めるという広い意味の言葉。先生の判断とか、親の判断とか、誰でも判断はしているけど、判決は裁判官にしかできない。
→ 正しい。民間の仲裁者や調停者、あるいは友だちの意見とは全く違う。法律の力を持った、誰もが従わなければいけない決定なんだ。
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判決ってそもそも何?
判決という言葉は日常会話でも使うことがあるけど、法律用語として正確に言うと、裁判官が依頼者から受けた事件について、法律に基づいて下す正式な決定のことだ。つまり、裁判所という国の機関の中で、裁判官という正式な権限を持った人が、「このケースについて法律上はこうだ」と決めるわけ。
大事なポイントは、判決には「強制力」があるということ。例えば、あなたが友だちともめて、「どっちが悪いのか、誰か決めてよ」って他の友だちに言ったとしよう。その友だちが「君が悪い」って言ったとしても、相手が「いや、そっちが悪い」って言い張ることだってできるし、その決定を無視することだってできる。だけど、裁判官の判決は違う。「Aさんはこのお金をBさんに払わなければいけない」という判決が出たら、Aさんはそれに従う必要がある。もし払わなかったら、Aさんの給料や銀行口座が差し押さえられたり、家を没収されたりするんだ。つまり、判決というのは、誰もが従わないといけない、法律の力を持った決定なんだよ。
判決が持つこの力を「判決の拘束力」という。つまり、判決を下されたら、その判決に拘束される(拘束という言葉は「しばられる」という意味)、誰もがそれに従わないといけないということ。これが、ただの誰かの意見や、親からの指示などと全く違う点だ。
また、判決を出せるのは誰でもではなく、裁判官という正式な権限を持った人だけだ。学校の先生だって、親だって、友だちだって、判決は出せない。判決を出すには、正式な法律の勉強をして、試験に合格して、国から認められた裁判官という身分が必要なんだ。だから判決は、単なる意見ではなく、法律の知識と国の権力に支えられた決定なわけ。テレビドラマでよく見る、「判決は〇〇です」という裁判官の宣言は、その人の立場や知識が保証されているからこそ、重みがあるんだよ。
判決が下されるまでの流れ
では、判決がどうやって生まれるのか、その流れを説明しよう。裁判というのは、簡単に言うと、二人(またはそれ以上)の人が自分の意見や言い分を主張して、その言い分が正しいかどうかを裁判官に判断してもらう場所だ。
まず、誰かが別の誰かを相手に裁判を起こす。これを「訴える」という。例えば、AさんがBさんに「お金を貸したけど返してくれない。返してください」という裁判を起こしたとしよう。そうすると、裁判所に訴状(つまり「こういう理由で、この相手を訴えています」という書類)が提出される。
次に、裁判が始まる。Aさんが「私はBさんに100万円貸しました。ここに借用書もあります」と言う。Bさんが「いや、あれは貸したんじゃなくてあげたんだ。だから返す必要はない」と反論する。こんな具合に、両方の主張を聞く。証人を呼ぶこともあるし、書類や物的証拠を出すこともある。「この借用書が本当に本物ですか?」「なぜそんなに大きなお金を貸したんですか?」といった、いろいろな質問が出てくるわけ。
このプロセスを「証拠調べ」という。つまり、どっちの主張が本当なのか、その証拠(書類や証言など)を調べるステップだ。この証拠調べを通じて、「AさんとBさんのどちらが法律的に正しいのか」が明らかになっていく。
そして、その証拠をもとに、裁判官が「法律的には、こっちが正しい」と決める。これが判決だ。例えば、「借用書が本物だし、証人も『AさんはBさんに100万円貸したって言ってた』って証言している。だから法律上、Bさんはそのお金を返す必要がある」というわけだ。
判決が出た後、相手がそれに不満なら、上級の裁判所に「この判決は間違っている」と訴えることもできる。これを「控訴」(つまり「上の裁判所に訴える」)という。でも、何度も何度も訴えることはできなくて、最後には「もう判決は確定した。これ以上は訴えられない」という状態になる。これを「確定判決」という。確定判決になったら、もう誰もそれを変えることはできない。その時点で、その判決は絶対の決定となるわけだ。
判決にはいろいろな種類がある
判決と一口に言っても、実は色々な種類がある。一番よく聞くのは、刑事事件の判決だ。刑事事件というのは、つまり「誰かが法律で禁止されている行為をした」という事件のこと。例えば、誰かが物を盗んだとか、誰かに暴力を振るったとか、そういった事件。こういう場合、裁判官は「この人は有罪だ」または「この人は無罪だ」という判決を下す。有罪なら、その人は罰(罰金や懲役など)を受けることになる。
もう一つが、民事事件の判決だ。民事事件というのは、つまり「個人同士や企業同士で、お金やモノ、権利についてもめている」という事件のこと。例えば、隣同士の家でお庭の境目についてもめているとか、会社とお客さんで商品の代金についてもめているとか、そういったケース。この場合、裁判官は「このお金は誰が払うべきか」とか「このモノは誰のものか」といった、法律上の権利義務について判決を下す。有罪・無罪じゃなくて、「どっちが法律的に正しいのか」を決めるわけだ。
さらに、判決の内容によっても分類できる。例えば「認容判決」というのは、訴えた側(つまり「相手は私にお金を返すべき」と言った側)の言い分が全部認められた判決のこと。一方、「棄却判決」というのは、訴えた側の言い分が認められなかった判決。「あなたの主張は法律的には正しくない」ということね。そして「一部認容判決」というのは、訴えた側の言い分が部分的に認められた場合。例えば、「100万円返せ」って言ってたけど、判決では「50万円だけ返しなさい」ってなるケースもあるわけ。
判決の形式にも違いがある。「主文」というのは、判決の一番大事な部分で、「何がどうなるべきか」という結論部分。その後に「理由」という部分があって、「なぜそう判決したのか」という説明が書いてある。例えば、「Bさんはこのお金を返しなさい」が主文で、「なぜなら、借用書が本物だし、証人の証言もあるから」という理由が続く。このセットで初めて判決として成立するんだ。
判決の効力と確定判決の意味
判決が出たら、すぐにそれが絶対の決定になるわけではない。判決が出ても、不満な側は上級の裁判所に「この判決は間違っている」と訴えることができる。これが「控訴」だ。日本の裁判は3段階あって、まず「第一審」という最初の裁判所で判決が出て、それに不満なら「第二審」という上級の裁判所に訴える。第二審で判決が出ても、さらに不満なら「最高裁判所」(日本で一番上の裁判所)に訴えることもできる。
だけど、こういった上級の裁判所に訴える期間は決まっていて、その期間を過ぎると「もう訴えられない」ということになる。その時点で、その判決は「確定」するんだ。つまり、確定判決というのは、もう誰もその決定を変えることができなくなった判決のこと。
一度判決が確定したら、その決定は絶対だ。例えば、「AさんはBさんに100万円を返しなさい」という判決が確定したら、Aさんはその100万円を返さなければいけない。仮に、その後になって「実は、お金を返した証拠が見つかった」という新しい情報が出てきても、原則としてはその判決を変えることはできない。なぜなら、「判決が確定した」ということは、「法律的な決定はここで終わり。もう議論は終わり」という意味だからだ。
ただし、完全に例外がないわけではなく、「再審」(つまり「もう一度裁判をやり直す」)という仕組みはある。でも、これはものすごく限られた条件でしか認められない。例えば、「新しい重要な証拠が出てきた」とか「判決を下した裁判官が実は事件に関係していた」とか、よっぽどのことがないと再審は起こらないんだ。つまり、確定判決の力はそれくらい強いということ。
また、判決が出た後に「強制執行」という手続きもある。例えば、判決では「Aさんはお金を返しなさい」と決まったのに、Aさんが返さない場合、裁判所の力を使って強制的にお金を払わせることができるんだ。Aさんの給料や銀行口座を差し押さえたり、家を没収したり、そういったことが起こる。つまり、判決というのは、単なる「決定」ではなく、それを実現するための国の力が付いている決定なわけだ。
判決と似ているものとの違い
裁判所の決定には、判決の他にも色々な種類がある。その違いを理解することで、判決がどういう決定なのか、より明確に理解できるよ。
まず、「判決」と「和解」の違い。和解というのは、つまり「両方が話し合って、ちょうど真ん中くらいで決めること」。例えば、「100万円返せ」と「返さない」でもめていたけど、話し合って「50万円だけ返そう」という風に折り合いをつけるわけ。判決と違って、和解は両方が納得した上での決定だから、双方の合意が必要。また、和解は「確定判決と同じ効力がある」という法律の決まりもあるから、その後は変えることができない。
次に、「判決」と「決定」の違い。例えば、「この裁判を止めていいですか?」とか「証拠をこれ以上出してもいいですか?」といった、裁判の手続きに関する事項について、裁判官が下す決定を「決定」と言う。判決は事件そのものについての決定だけど、決定は裁判の手続きについての決定。効力も判決ほど強くない。
そして「判決」と「調停」の違い。調停というのは、つまり「裁判官や調停委員という第三者が間に入って、両方の言い分を聞いて、より良い解決策を提案する」という仕組み。完全な話し合いというわけではなくて、第三者がアドバイスをくれるイメージ。調停で合意に達したら、「調停調書」という書類が作られて、それは確定判決と同じ効力を持つようになる。でも、調停がまとまらなかった場合、その後は通常の裁判に進むんだ。
これらの色々な仕組みの中で、判決というのは「裁判官が一方的に下す決定」という特徴を持っている。つまり、両方の話し合いの結果ではなくて、法律と証拠に基づいて、裁判官が「これが法律的な正解だ」と決めるわけ。そこが他の決定や合意とは違う点だ。
