過失って何?わかりやすく解説

誰かに物を壊されたり、ぶつかられたりしたとき「これ、わざとじゃなくて、ついうっかりしちゃったんです」って言われたことあるよね。その「うっかり」が法律の世界では「過失」という大事な言葉で説明されるんだ。実は、この「過失」があるかないかで、誰が責任を持つのかが大きく変わってくる。この記事を読めば、過失とは何なのか、そして自分が過失で何かをしてしまったときはどうなるのかが、スッキリわかるようになるよ。

先生、「過失」って言葉よく聞きますけど、そもそも何ですか?

いい質問だね。過失というのは、つまり「やっちゃいけないことをうっかりやっちゃった」「気をつけるべきなのに注意がたりなくて、やっちゃった」という状態のこと。故意(わざと)とは違うんだ。
わざとじゃなくても、責任を持つってことですか?

そう。むしろ普通の場合、わざとじゃなくても責任を持つんだ。友だちの大事なゲーム機を落として壊しちゃったら、わざとじゃなくても弁償しないといけないでしょ。それが過失責任だ。
でも、完全に予想できなかったことだったら、どうなるんですか?

いいポイントだ。法律は「ふつうの人なら注意すれば防げたか」というのを見る。注意義務という「これくらいは気をつけるべき」という基準があってね、それに達していないときが過失になるんだ。
📝 3行でまとめると
  1. 過失とは、わざとじゃなくても注意が足りなかったために、ルール違反や危険なことをしてしまった状態のこと
  2. 過失があれば、わざとでなくても 責任を持たなきゃいけない(過失責任)ことがほとんど
  3. 注意義務という「ふつうの人ならここまで気をつけるべき」という基準が大事で、それに達しないと過失と判断される
目次

もうちょっと詳しく

法律の世界では、「バレなきゃいい」とか「運が悪かった」という言い訳は通用しないんだ。大事なのは「その時点で、あなたはどれだけ注意する義務があったのか」ということ。たとえば、自転車に乗るときは前を見て走る義務がある。スマートフォンを見ながら走ったら、そこに落ちている物が見えなくて誰かにぶつかった。この場合、「見てなかった」というのは理由にならない。なぜなら、自転車に乗ってるなら「前を見るべき」という義務があるからだ。つまり、そこに過失があるわけ。

💡 ポイント
「やっちゃった」ではなく「気をつけるべき義務があった」のが過失の判断キー

⚠️ よくある勘違い

❌ 「過失があったら、必ず裁判になる」
→ 過失があるかどうかと、実際にトラブルになるかは別。たいてい話し合いで解決する。その過程で「過失がある」かどうかが争点になるだけ。
⭕ 「過失があるかは、『ふつうなら気をつけたか』が基準」
→ 法律が求めるのは「その立場・その状況で、普通の人がするはずの注意」。完璧な注意じゃなくて「普通レベルの注意」で判断する。
なるほど〜、あーそういうことか!

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過失とはそもそも何か

「うっかり」と「わざと」の違い

法律では、人がやったことを2つに分けるんだ。ひとつは「故意」、つまり「わざとやった」。もうひとつは「過失」、つまり「やっちゃいけないのにうっかりやった」ということ。この違いが超大事。

たとえば、授業中に友だちの消しゴムを投げて当てちゃったとしよう。もし「あいつをやっつけてやる」と思って投げたなら故意だ。でも、ふざけながら投げて、思ったより遠くまで飛んで誰かの眼に当たっちゃった。これは過失。どちらも誰かに怪我させてるけど、気持ちの中身が違うんだ。

法律が両方を区別する理由は、「心の中に悪い気持ちがあったかどうか」が大事だからなんだ。だって、完全に予想できないことが起きて、誰かに危害を加えちゃうことだってあるよね。そういうときまで「お前のせいだ」って言うのは、ちょっと厳しすぎるんじゃないか、ということ。ただし、「全く責任なし」というわけじゃなくて「注意してれば防げたのか、それとも本当に予想できないことだったのか」で判断するわけ。

日常生活で起こる過失

実は、過失は日常生活でいっぱい起こってるんだ。でも、たいてい大したトラブルにならないから、気づかないだけ。

たとえば、朝、学校に行くときに「あ、時間だ」と思って、階段を駆け下りる。そしたら、下にいた兄弟にぶつかっちゃった。兄弟は転んで膝を切っちゃった。この場合、あなたはわざと兄弟にぶつかったわけじゃない。でも、「階段では走るべきじゃない」「人がいないか確認してから降りるべき」という義務があった。その義務を無視しちゃったから、ここに過失がある。だから、親に叱られるし、兄弟に謝るし、場合によっちゃ兄弟の怪我の治療費を払わなきゃいけないことだってある。

あるいは、図書館の本を借りて、その本を雨の中で濡らしちゃった。本は水に濡れて、使い物にならなくなった。わざと濡らしたわけじゃなくて「ついうっかり」。でも、借りた本は自分の物じゃなくて、図書館の財産。だからあなたには「本を丁寧に扱う義務」がある。その義務を無視しちゃったから、ここに過失がある。図書館から新しい本を買い直すよう言われるかもしれない。

注意義務という基準

「ふつうの人ならこのくらい」という基準

ここからが難しいんだけど、法律が問うのは「あなたはどのくらい注意すべきだったのか」ということ。これを「注意義務」と言う。つまり「あなたが持ってるはずの注意する責任」という意味だ。

でも、人によって能力は違うよね。運動神経のいい子もいれば悪い子もいるし、注意散漫な子だっている。法律は、そういう個人差を全部考慮するわけじゃなくて「ふつうの人ならどうするか」という基準を使う。これが公平だからだ。

例を出そう。自動車の運転手が、子どもが急に道路に飛び出すのを予想できず、事故っちゃった。この場合、その運転手が「子どもが飛び出すことなんて予想できなかった」と言っても、裁判所は「自動車の運転手なら、子どもが道路に飛び出すことは十分考えられるはず。だから『スピードを落とす』『周りを見張る』という義務があった」と判断する。実は、その運転手は「完全には予想できてなかった」かもしれない。でも、その職業、その状況に置かれたふつうの人なら「予想しているはず」という考え方をするわけ。

場面場面で変わる注意義務

注意義務は、置かれている状況によって変わるんだ。これも大事なポイント。

友だちと遊んでいるときと、小さい子どもの面倒を見ているときでは、あなたが持つべき「注意」のレベルが違う。小さい子どもの面倒を見てるなら、その子が危険なことをしないか、常に気を配る義務があるよね。でも、友だちと遊んでいるときに、友だちが勝手に危険なことをしたから怪我した。これは、あなたの義務が少ないから、あなたの責任も減る。

別の例。運転手としての注意義務は、雨の日と晴れの日で違う。雨の日なら、タイヤがスリップしやすいから、ふつうの人でも「スピードを落とす」「ハンドルをしっかり握る」という義務が出てくる。だから、同じ速度で走ってても、晴れの日より雨の日の方が、スピード出しすぎで事故った場合の責任が増えるかもしれない。

過失と責任の関係

過失があれば、責任が生まれる

ここが、すごく大事な部分。過失があるかないかで、あなたが「何か責任を持つ」かが決まるんだ。

もし過失がなければ、たとえ誰かに危害を加えたとしても「それはあなたのせいじゃない」という判断になることがある。これを「不可抗力」という。つまり「どうしようもなかった」という意味だ。たとえば、まったく予測できない隕石が落ってきて、あなたの自転車に当たって壊れたとしよう。これはあなたの過失じゃなくて、誰も責任を問えない。

でも、実際の問題は「その状況で、ふつうの人が気をつけてれば防げたか」という点なんだ。予測できないことだっていっぱいあるけど、ふつうの人が気をつけてれば防げることの方が、もっともっと多い。

過失がある場合、あなたは責任を持たなきゃいけない。その責任は、いくつかの種類がある。民事上の責任というのは「お金で弁償する」という意味。学校で友だちの物を壊しちゃった場合、弁償金を払う義務が生まれる。刑事上の責任というのは「罰を受ける」という意味。これは犯罪的な過失(つまり、すごく危険な注意不足)の場合だ。

過失がない場合も条件次第で責任がある

ここが、ちょっと複雑なんだけど、過失がなくても「責任を持つ」ことがあるんだ。これを「無過失責任」という。つまり「過失がなくても責任がある」という意味だ。

例えば、おまえの飼ってる犬が、近所の人に噛みついちゃった。その犬が逃げ出したのは、あなたのミスかもしれないし、ミスじゃないかもしれない。でも、法律は「動物を飼ってるやつは、その動物が起こした損害に責任を持ちなさい」と決めてるんだ。これが無過失責任。なぜかというと、動物の所有者が一番、動物の危険性を知ってるはずだから。

別の例。工事現場の機械が壊れて、近所に部品が飛んできて、家を傷つけちゃった。この場合も「危険な事業をやってるやつは、その事業から生じた損害に責任を持ちなさい」という原則がある。これも無過失責任だ。

過失の種類と程度

軽い過失と重い過失

実は、過失にも「軽い」「重い」っていう程度の差があるんだ。これは「どのくらい注意義務を無視したか」という点で判断される。

軽い過失とは、ふつうの人でも、ついうっかり起こしちゃうような注意不足。例えば、忘れ物をしちゃう。荷物を持ったまま、どこかに置き忘れちゃう。これは誰だってやるよね。だから「軽い過失」。

重い過失とは「いくらなんでも、この注意の欠け方はダメでしょう」っていうレベル。例えば、飲酒運転をしてる。ものすごく速度超過をしてる。そういう「明らかにルール破ってるでしょ」という注意不足だ。

実務では、この軽い・重いの違いで、責任の程度が変わることもある。軽い過失だったら「責任は半分」とか「弁償金は少なくしよう」という判断もある。でも、重い過失だったら「責任は全部」「けっこう高い弁償金」という判断になることもある。

比較過失という考え方

トラブルって、たいてい「あいつのせい」じゃなくて「両方に過失がある」ってことが多いんだ。この場合、法律は「どっちが悪いのか」じゃなくて「どちらがどのくらい過失を持ってるか」を割合で決めるんだ。これを「比較過失」という。

例えば、交差点で車同士がぶつかった。信号を無視した車Aと、スピードを出しすぎていた車B。どちらも完全にルール守ってない。この場合「車Aが70%悪い、車Bが30%悪い」みたいに割合で決める。そしたら「弁償金も70%と30%で分ける」ということになるわけ。

過失で起こる実際の責任

民事責任:お金で弁償する

ほとんどの過失は、民事責任に結びつく。つまり「お金で弁償する」という責任。学校で友だちの物を壊しちゃったら「新しい物を買い直すお金を払う」。これが基本的な考え方だ。

でも、お金だけじゃなくて「その壊された物の価値」を考えなきゃいけない。新しく買った金額じゃなくて「今、その物がどのくらい価値があるのか」で計算する。例えば、3年前に買ったゲーム機を壊しちゃった。新しく買ったら5万円だけど、もう3年経ってるから「今の価値は2万円」みたいに計算される。これを「時価」という。つまり「今、その物をいくらで売ったら買えるか」という価値。

さらに、怪我をさせちゃった場合は、怪我の治療費も責任の対象だ。病院代は当然として「働けなかった期間の給料」とか「後遺症で今後かかる治療費」とか、けっこう複雑な計算が入ってくる。これが「損害賠償」という。つまり「あなたの過失で生じた、相手の全ての損害」という意味だ。

刑事責任:罰を受ける

通常の過失は刑事責任(つまり罰)にはならない。でも、すごく重い過失の場合、刑事責任が生じることがある。これを「過失致傷」「過失致死」という。つまり「自分のすごい過失で、誰かを怪我させちゃった」「誰かを死なせちゃった」という意味だ。

例えば、飲酒運転をして誰かを怪我させちゃった。あるいは、運転中に居眠りをして、誰かを轢いて死なせちゃった。こういう「明らかに危険な注意不足」の場合、警察に捕まって、裁判にかけられて「懲役何年」とか「罰金何百万円」という罰を受ける可能性がある。

親や上司の責任

ここが、ちょっと面白いところだけど、あなたが過失を起こしても、その責任を「親」や「上司」が持つことがあるんだ。これを「使用者責任」という。つまり「あなたを使ってる側が、あなたの過失の責任を持つ」という意味だ。

例えば、あなたが親の指示で友だちのところに物を届けた。その途中で、その物をぶつけて壊しちゃった。この場合、友だちは「あなたに弁償しろ」と言うより「親に弁償しろ」と言うかもしれない。親がお前の指示で動かせてるんだから、親の責任だと考えるわけ。

会社に勤めてる大人でも同じ。仕事中に過失で誰かに怪我させちゃったら、その人自身の責任もあるけど、会社も責任を持たなきゃいけない。だから、会社は従業員に「保険」をかけてたり「万が一のときの弁償金」を用意してたりするんだ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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