友だちと喧嘩して、物を壊しちゃった…。その時に「これは故意だ」と言われたことありませんか?「つまり、わざとやったんでしょ」という意味だけど、実は法律の世界ではもっと細かく区別されているんです。この記事を読めば、故意がなぜ大事なのか、どう判断されるのか、スッキリわかりますよ。
- 故意は「わかっていてやる」という心の状態で、単なる「わざと」ではなく、結果がわかっていることが大事
- 故意があると責任が重くなり、法律での罰や損害賠償も変わってくる
- 故意かどうかを判断するには、その人が何を知っていたか、何を考えていたかを調べる必要がある
もうちょっと詳しく
故意という言葉は、日本の法律システムの中でとても重要な概念です。民法でも刑法でも、行動を評価する時の最初の判断ポイントになります。例えば、友だちが持っている本を誤って破いてしまった場合と、怒って破いた場合では、相手に払う賠償金の額も変わることがあります。故意というのは単に「わざと」という軽い言葉ではなく、「その人の心がどのような状態だったのか」を法律が認識する重要な基準なのです。だからこそ、裁判などでも「故意だったのか、過失だったのか」という点が大きな争点になるんです。
故意≠単なる「わざと」。結果がわかっていて、それを受け入れてやることが大事だよ
⚠️ よくある勘違い
→ 間違い。言葉は関係なく、その人が結果を知っていて、やろうと決めていれば故意です。黙ってやったから大丈夫というわけではありません。
→ 正解。故意かどうかは行動の後の言葉や態度ではなく、その時点での心の状態で判断されます。
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故意と過失の違い
故意ってどんな状態?
故意というのは、ある行動とその結果についてわかっていて、なおかつ「そうしよう」と決めている状態のことです。わかりやすく言うと、野球の試合中に友だちが近くにいるのに、思いっきりボールを投げつける。その時「当たるかもしれない、いや絶対当たる」と知っていて、それでも投げる。これが故意です。知っていて、やる。その組み合わせが大事なんですよ。
故意には大事なポイントが2つあります。まず1つ目は「認識」、つまり「その結果がどうなるかわかっていたこと」。2つ目は「決意」、つまり「それでもやろうと決めたこと」。この両方がそろって初めて故意になるんです。
過失との大きな違い
一方、過失(つまり、うっかりミスのこと)は何が違うでしょう。例えば、暗い廊下で走っていて、友だちにぶつかってしまった。この場合、あなたはその場に友だちがいることに気づかなかった。つまり「結果がわかっていなかった」。これが過失です。同じ「ぶつかる」という結果でも、知っていたか知らなかったかで大きく変わるんです。
他の例を挙げますね。図書館の本を水に濡らしてしまった。これが雨の日、傘も持たずに本を持ち歩いていて、「あ、濡れるかな」と思いながら歩いていて濡れた。これは故意に近い。一方、誰かが物を投げてきて、それが本に当たって濡れた。あなたはそんなことが起こるって思わなかった。これは過失です。
法律が故意と過失を区別する理由
責任の重さが全然違う
ここが最も大事なポイントです。法律は「わざとやった」と「うっかりやった」を、すごく重く受け止める違いなんです。なぜかというと、人の行動には「心の状態」が大事だと考えるから。わざとやった人は、その行為を選んだ時点で「これはダメだ」と知っていたのに選んだ。つまり、その人の道徳心や判断力が足りなかったということになるんです。だから罰も重くなる。
実際の数字で見てみましょう。誰かを傷つける行為を考えます。故意でやった場合は「傷害罪」という重い罪になり、牢屋に入る可能性も高いです。うっかりやった場合は「過失傷害罪」という軽い罪になります。同じ「人を傷つけた」という結果でも、心の状態次第で罪の重さが全然違うんですよ。
お金の問題も変わる
法律的な責任だけじゃなく、お金の問題でも変わります。例えば、友だちの物を壊した場合を考えてみてください。故意で壊したなら、普通の修理代だけじゃなく、その友だちが受けた精神的な苦しみ(つまり、慰謝料ということ)も払わないといけません。でもうっかり壊した場合、修理代だけで済むかもしれません。
さらに複雑なのは、故意と過失で保険の扱いが変わることもあること。例えば、火災保険。もし自分の物を故意に焼いて、保険金をもらおうとしたら、これは詐欺罪になります。つまり、故意の行為は保険でカバーされないんです。同じ「火事で物がなくなった」という状況でも、故意と過失で全く扱いが違うんですよ。
現実での判断はどうやってる?
証拠から心の状態を探る
ここで難しい問題が出ます。「その時、この人はどう思っていたのか」って、どうやって知るんでしょう。誰も他人の心は読めませんよね。だから、裁判では証拠から「この人は知っていたはずだ」「この人はそうしようと決めていたはずだ」ということを推理していくんです。
例えば、友だちの自転車を持ち去った事件を考えてみます。弁護士は「これは盗んだわけじゃなく、借りたんです」と言うかもしれません。でも、警察や裁判官は何を見るか。その自転車に乗っている時、どんな顔をしていたか。友だちに「借りる」と言ったか言わなかったか。その後、返そうとしたか。友だちの家の近所で乗っていたか、遠くで乗っていたか。こんなことぜんぶが証拠になるんです。小さな証拠の積み重ねから「この人は知っていて、故意にやったんだ」という判断がされるんですよ。
「疑わしきは被告人の利益に」という原則
ただし、大事なルールがあります。「その人が本当に故意だったか、100%わからない場合は、その人を守る」という考え方。つまり、「故意だったかもしれないけど、確実じゃない」という状況なら、罰を重くしないということです。これを「疑わしきは被告人の利益に」(つまり、疑わしい場合は疑われている人の方が有利)という原則と言います。
なぜこんなルールがあるのか。それは、人の心は本当に複雑だから。もしかしたら、その人は本当にうっかりやったのかもしれません。100%わからない場合に、その人を重く罰するのは不公平ですよね。だから、疑いが残る場合は、その人を守ろうということなんです。
日常生活で故意を見分けるコツ
「知っていたかどうか」が最大のポイント
日常生活で「これは故意かな」と考える時は、シンプルに「その人はその結果を知っていたか」を考えてください。友だちが、お気に入りのマグカップをよく置いている棚を見ながら、物を投げたら、そのマグカップが割れた。その人は「マグカップがあることを知っていて、割れるかもって思いながら」投げたのか。それとも「棚の反対側に誰かがいると思って投げたけど、まさかマグカップがあるなんて知らなかった」のか。この違いが故意と過失を分けるんです。
「その後」の態度は判断に使える
ただし、本当に確実に判断する時は、その時の状況だけじゃなく、その後の態度も見ることが多いです。友だちが「ごめんね、悪気なかったんだ。弁償するから」と言う。これは過失の態度。一方、「べつにいいじゃん、気に入らなかったんだし」とうれしそうに言う。これは故意の可能性が高い。人の行動全体から、その時の心の状態をある程度推理できるんです。
「動機」も参考になる
もう1つ大事なのが「動機」(つまり、なぜそうしたのか、という理由)。誰かを傷つける理由があったか。得をする理由があったか。理由がない場合は故意の可能性は低い。理由がある場合は故意の可能性が高い。例えば、誰かのスマートフォンを壊した。その人と喧嘩していたなら故意の可能性が高い。誰かが落とした物を誤って踏んでしまった。これは故意の可能性は低い。動機があるかないかは、その人の心の状態を推理する時に大事な手がかりになるんですよ。
