闘争権って何?わかりやすく解説

「給料が安すぎる!もっと上げてほしい!」って思ったこと、一度はあるんじゃないかな。でも、会社に「給料上げてください」って一人で言いに行っても、なかなか聞いてもらえないよね。そんなとき、労働者が持っている強力な「切り札」が闘争権なんだ。この記事を読めば、闘争権がどんな権利で、どうして必要なのかが全部わかるよ。

闘争権って、なんか戦いの権利みたいで怖い響きがするんだけど…。これって暴れてもいい権利なの?

ははは、暴れるのはダメだよ!闘争権っていうのは、労働者が会社に対してストライキ(仕事を集団でやめること)などの争議行為をする権利のことだよ。つまり「給料上げろ」「働く環境を改善しろ」って要求するために、みんなで一斉に仕事を止めても、会社から解雇されたり罰せられたりしないよ、という権利なんだ。
じゃあ、ストライキって合法なの?仕事をサボってるだけじゃないの?

そう思う人も多いんだけど、ちゃんと憲法第28条で守られた正当な権利なんだ。普通、仕事をしないと「契約違反」になるよね。でも、労働者が労働組合ろうどうくみあい(つまり、会社に要求するために働く人たちが集まって作った団体)を通じて正当なストライキをする場合は、会社から損害賠償を請求されたり、クビにされたりしないように法律で守られているんだよ。
なんで闘争権なんていう権利が必要なの?普通に話し合えばよくない?

いい質問!想像してみて。「給料を下げます」って会社が言ったとき、社員一人が「嫌です」って言っても、会社は「じゃあやめてもらっていいですよ」って言えるよね。でも、社員100人全員が「嫌です、仕事しません」ってなったら、会社は困って真剣に話し合うしかないよね。つまり闘争権は、力の差がある会社と労働者の間を対等にするための切り札なんだ。話し合いがうまくいかなかったときの「最後の手段」として機能しているんだよ。
ストライキ以外にも闘争権でできることってあるの?

あるよ!たとえばサボタージュ(つまり、仕事はするけど意図的にゆっくりやること)とか、ピケッティング(つまり、ストライキ中に他の人が代わりに仕事をしに来ないように入口に立って説得する行動)とかがある。ただし、何でもやっていいわけじゃなくて、暴力はもちろんダメだし、社会全体に大きな被害が出るようなことも許されていないんだ。「正当な争議行為かどうか」が大事なポイントだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 闘争権とは、労働者が会社に対して ストライキなどの争議行為 をしても法的に守られる権利のこと
  2. 憲法第28条 で保障された権利で、団結権・団体交渉権とあわせて「労働三権」と呼ばれる
  3. 会社と労働者の 力の差を埋める切り札 として、正当な範囲内での争議行為に刑事・民事の免責が与えられる
目次

もうちょっと詳しく

闘争権は、正式には争議権とも呼ばれ、団結権労働組合ろうどうくみあいを作る権利)・団体交渉権(会社と話し合いをする権利)とセットで「労働三権」を構成しているよ。この三つは全部、憲法第28条に書いてある。闘争権が特に大切なのは、「最後の手段」として機能するから。団体交渉で話し合っても会社が全然聞かないとき、労働者は「じゃあストライキするよ」って言えるんだ。この「カード」を持っているだけで、会社が真剣に交渉に応じやすくなる効果もある。闘争権が認められている行為は、刑事上の責任(犯罪にならない)と民事上の責任(損害賠償を請求されない)の両方から守られているよ。ただし「正当性」があることが前提で、暴力や生産物の破壊は認められない。

💡 ポイント
闘争権=使える「切り札」。持っているだけで交渉力が上がる!

⚠️ よくある勘違い

❌ 「ストライキをすると会社に損害を与えるから違法だ」
→ 会社に損害が出ても、正当な争議行為なら違法にならない。これが闘争権の核心部分だよ。
⭕ 「正当な争議行為なら民事・刑事ともに免責される」
→ 法律(労働組合ろうどうくみあい法第8条など)がしっかり守ってくれる。だから安心して権利を行使できるんだ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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闘争権ってどんな権利?基本をおさえよう

闘争権の意味をひとことで言うと

闘争権(とうそうけん)とは、労働者が会社(使用者)に対して、賃金アップや労働環境の改善などを求めるために、ストライキなどの争議行為を行っても法的な責任を問われないという権利だよ。「争議権」とも呼ばれることが多い。

もう少し噛み砕いて言うと、「仕事をやめても、クビにされないし、損害賠償も払わなくていいよ」という権利なんだ。これ、めちゃくちゃ強力な権利だよね。普通に考えると、仕事を途中でやめたら「契約違反だ!」って言われるはず。でも、正当なストライキなら、それが許される。

たとえば学校の文化祭で、クラスで決めた出し物に対して「準備作業が不公平だ」と感じたとき、みんなで話し合いを求めて「公平に分担されるまで作業しない」って決めたとしよう。これがストライキのイメージに近い。一人が「やりません」と言っても無視されるけど、クラス全員が「やりません」と言えば、先生も真剣に聞くよね。

闘争権は憲法で守られている

日本国憲法の第28条にはこう書いてある。「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」この「団体行動をする権利」の中に闘争権が含まれているんだ。つまり国の最高法規、憲法レベルで守られている権利なんだよ。だから会社の就業規則や契約書に「ストライキをしたら解雇する」と書いてあっても、そのルールは無効になる。憲法の方が強いからね。

闘争権が生まれた歴史的な背景

昔の労働者はどんな状況だった?

闘争権がなぜ必要になったのか、歴史をちょっと振り返ってみよう。産業革命の時代(今から200年くらい前のヨーロッパや、明治・大正時代の日本)、労働者の状況はひどいものだった。1日14〜16時間働かされたり、子どもまで工場で働かされたり、給料は超低賃金。それでも「嫌なら辞めろ」と言われるだけで、個人ではどうすることもできなかった。

なぜこんなことが起きたのかというと、会社と労働者の間には圧倒的な力の差があったからだよ。会社側はお金と権力を持っていて、労働者一人ひとりは弱い立場。「給料を下げます」と言われても、「じゃあやめます」と言ったところで次の仕事が見つかるかわからない。だから泣き寝入りするしかなかった。

労働者が団結し始めた

そこで労働者たちは考えた。「一人では弱くても、みんなが集まれば会社と対等に話せるんじゃないか?」そうして生まれたのが労働組合ろうどうくみあいだよ。最初は「ストライキをするのは犯罪だ」とされていた時代もあった。でも、歴史の中で少しずつ認められるようになっていったんだ。日本でも、第二次世界大戦後に今の憲法が作られたとき、労働者の権利がきちんと盛り込まれた。その中心が労働三権で、闘争権はその一つとして確立されたんだよ。

具体的にどんなことができる?ストライキ以外も知っておこう

ストライキ(同盟罷業)

闘争権の代表的な行使方法がストライキだよ。つまり、労働者が集団で仕事を停止することだ。「賃金が上がらなければ働かないぞ」という意思表示だね。バスや電車の運転手さんたちがストライキをすると、電車が動かなくなって話題になることがあるよね。あれがまさにストライキの例だよ。

ストライキ中、労働者は賃金をもらえない。でも会社も生産や営業ができなくなるから損害が出る。どっちがより長く我慢できるか、という面もある。だから会社は真剣に交渉テーブルに着くことが多いんだ。

サボタージュ(怠業)

サボタージュとは、仕事を完全にやめるのではなく、意図的に作業を遅らせたり、最低限しかしないことで会社にプレッシャーをかける争議行為だよ。たとえばレストランの料理人たちが「早く作るのをやめて、すごくゆっくり料理する」とか、「注文を受けるだけで追加のサービスは一切しない」というイメージだね。

完全なストライキより会社へのダメージは小さいかもしれないけど、労働者も完全に賃金を失わないというメリットがある。会社側からすると「仕事は続いているのに効率が落ちる」という状況が続くから、じわじわプレッシャーになるんだ。

ピケッティング

ピケッティングとは、ストライキ中に職場の入口などに労働者が立って、ストライキ破り(スト破り)をしようとする人を説得する行動のことだよ。「ストライキをしているのに、別の人を連れてきて代わりに働かせる」というのを防ぐための行動なんだ。ただし、暴力をふるったり、出入りを物理的に完全に封鎖したりするのは許されない。あくまで「説得」の範囲に限られる。

職場占拠

労働者が工場や職場を占拠して、会社側が代替労働者を入れられないようにする争議行為もある。ただしこれは手法の中でも強力なものとされていて、違法性の判断が難しい場合もある。日本では他の手法に比べて少ないけど、歴史的には行われてきた方法だよ。

闘争権が認められる条件と限界

「正当な争議行為」でないといけない

闘争権は強力な権利だけど、何をしてもいいわけじゃない。法律で守られるのは正当な争議行為に限られるんだ。正当かどうかを判断するポイントはいくつかある。

  • 目的が正当か:賃金アップや労働条件の改善など、労働者としての利益のための行動であること。政治的な目的だけのストライキは正当性が認められにくい
  • 手続きが正当か労働組合ろうどうくみあいの決定に基づいて行われること。個人が勝手にやるのはNG
  • 手段が正当か:暴力・破壊行為・不法占拠などはNG。あくまで平和的な手段であること

暴力はいかなる場合もダメ

闘争権があっても、暴力を使ったり、機械を壊したり、会社の建物を傷つけたりするのは、完全にアウトだよ。そういう行為は刑事犯罪になる可能性があるし、争議行為の正当性も失われる。「正当に要求する権利」と「何でもやっていい権利」は全然違うんだ。

公益と闘争権のバランス

電気・ガス・水道・病院・鉄道など、社会の生活に不可欠なサービスを担う業種では、闘争権に制限がかかっている場合がある。これを公益事業と言って、つまり「社会全体に大きな影響が出る職場」のことだ。たとえば、電力会社の全員がストライキをして電気が完全に止まったら、病院の患者さんの命に関わるよね。だから、一定のサービスを維持する義務(必要最小限の業務継続)が課されることがある。また、公務員の多くはストライキが法律で禁止されているんだ。

闘争権・団結権・団体交渉権の「労働三権」をまとめて理解しよう

三つの権利は「セット」で機能する

闘争権は単独で存在しているわけじゃなくて、団結権団体交渉権とセットになって初めて強力な意味を持つよ。

  • 団結権(だんけつけん):労働者が労働組合ろうどうくみあいを結成したり、加入したりする権利。つまり「仲間を作る権利」だね
  • 団体交渉権(だんたいこうしょうけん):労働組合ろうどうくみあいとして会社側と対等に話し合う権利。会社は正当な理由なく交渉を拒否できない
  • 闘争権(争議権):話し合いがまとまらないときに、ストライキなどの争議行為をする権利

この三つをたとえ話で説明するね。クラスで文化祭の準備が不公平だったとする。まず団結権があるから、不満を持つ生徒たちが集まってグループを作れる。次に団体交渉権があるから、そのグループで先生(=会社)と「公平にしてください」と話し合いの場を設けることができる。それでも先生が聞かなければ、闘争権として「話し合いが解決するまで文化祭の作業をしない」という手段が使えるんだ。

公務員と民間労働者では違いがある

実は、働く人全員に同じように三権が認められているわけじゃないんだ。一般企業で働く人(民間労働者)は基本的に労働三権が全部認められているけど、公務員の場合は制限がある。警察官や自衛官、消防士などは労働組合ろうどうくみあいを作る権利(団結権)自体が認められていない。一般の公務員(市役所の職員など)は組合を作れるけど、ストライキ(争議行為)は禁止されているんだ。「国民全体への奉仕者」という立場から、私企業の労働者とは違うルールが設けられているよ。

闘争権があることで社会はどう変わる?

闘争権がある社会とない社会では、何が違うんだろう。闘争権がなかったら、会社側は「文句があるならやめろ」と言い放題になる。労働者は強く要求できなくなり、賃金はどんどん下がり、労働環境は悪化する一方になりかねない。逆に闘争権があることで、会社は「このままだとストライキになるかも」と思うから、最初から真剣に労働者の要求に向き合う。つまり闘争権は実際に使われなくても、存在するだけで労働者の交渉力を高めるんだ。まるで「核抑止力」みたいなもので、「持っているだけで相手が慎重になる」という効果があるんだよ。現代の日本で働く人たちが一定の賃金や働きやすい環境を手に入れてきた背景には、こうした労働三権、特に闘争権の存在が大きく関係しているんだ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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