就職氷河期って何?わかりやすく解説

社会の勉強をしていると「就職氷河期」という言葉を聞いたことがあるかもしれないね。大人が就職について話しているときに、昔は大変だったという話になることもあるよ。でも「氷河期」なんて大げさなネーミングだから、きっと何か深刻な問題があるんだろうなって想像できるよね。この記事を読めば、就職氷河期が何だったのか、なぜそんなことが起きたのか、そしていまの私たちにどう関係しているのかがわかるよ。

先生、「就職氷河期」って何ですか?よく聞く言葉ですけど、氷河期って大げさじゃないですか?

いい質問だね。就職氷河期っていうのはね、つまり大学を卒業しても就職できない人が大量に出た時代のことなんだ。1990年代から2000年代初めの日本で実際に起きたんだよ。
えっ、大学を卒業しても就職できないんですか?今だったら大変な時代ですね。でもなぜそんなことが起きたんですか?

そこが大事なポイント。日本の経済が悪くなった時期があってね、企業が新人を採用できなくなっちゃったんだ。会社が経営を削ろうとして、新卒採用をしなくなったり、極端に減らしたりしたわけ。せっかく大学に行ったのに、就職できないという悪循環が生まれたんだよ。
そうなんですね。でも、その時代の人たちはどうしたんですか?ずっと就職できないままですか?

いい質問。その時代の人たちはね、就職できなかったから、派遣社員はけんしゃいん(つまり、一時的に働く労働者)やアルバイトで働いた人が多いんだ。だから正社員になるきっかけをつかめず、その後も給料が低いままという困った状況が続いた人もいる。これが社会問題になってるんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 1990年代から2000年代初めに、大学を卒業しても 就職できない人が大量に出た時代 が「就職氷河期」だ
  2. 日本の経済が悪くなって、企業が 新人採用を減らしたこと が原因だった
  3. その時代の人たちは派遣やアルバイトで働き、 正社員になるチャンスを失った人も多い という問題が残っている
目次

もうちょっと詳しく

就職氷河期がなぜ「氷河期」と呼ばれるのかというと、企業の採用活動が完全に「凍りついた」状態になったからなんだ。通常の時代なら、企業は毎年新しい人を採用して育てる。でも氷河期の時代は、そういう採用枠がほぼなくなってしまった。だから、新卒採用試験に受かることがものすごく難しくなったんだよ。経済が悪い時期が長く続いたから、これが「氷河期」という名前で呼ばれるようになったわけだ。

💡 ポイント
氷河期は自然現象じゃなくて、経済が原因で企業の採用が「凍りついた」状態になった

⚠️ よくある勘違い

❌ 「就職氷河期は昔の話だから、今の私たちには関係ない」
→ 今の大人たちの多くが当事者だったんだ。だからその経験が社会全体に影響を与えてる。また、不況になるとこんなことが起きる可能性があるってことを学べるんだよ。
⭕ 「就職氷河期は経済全体の問題で、その時代の人たちは個人的には何も悪くない」
→ 時代のタイミングが悪かったという大きな理由があるんだ。だからこそ、不況になったときの対策が大事になってくるってわけ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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就職氷河期とはどんな時代だったのか

就職氷河期というのはね、簡単に言うと「会社が新入社員をほぼ採用しなくなった時代」のことなんだ。普通は、企業というのは新しい人を採用して、その人たちを育てながら会社を大きくしていく。でも就職氷河期は違った。その当時、日本の経済が悪くなったから、企業が「今は新人を採用してる余裕はない」と判断してしまったわけだ。

この時代の具体的な期間というと、だいたい1993年から2005年くらいまでと言われてるんだ。13年近くという本当に長い期間、ずっと採用が減ったままだったんだよ。想像してみてほしい。君が大学を卒業しようってときに、周りの企業のほとんどが「申し訳ないけど、今は新人は採用してません」って言ってきたら、どう思う?そういう状況だったわけだ。

実際の数字で見ると、当時の新卒採用の倍率(つまり、1つの就職枠に何人が応募したか)はものすごく高かった。100人の応募に対して1人だけ採用される、みたいなレベルだったんだ。もちろん個人の努力も大事だけど、いくら頑張っても採用枠自体がない状態では、どうしようもないよね。そういう理不尽さが、就職氷河期の大きな特徴だったんだ。

また、「氷河期」という名前がつけられたのも、意味がある。通常、企業の採用というのは景気に合わせて増えたり減ったりする。でも氷河期の時代は、長期間にわたって採用が完全に「凍りついた」ような状態だったから、こういう名前がついたわけなんだ。景気が少し良くなっても、企業はなかなか採用を再開しなかった。それほど深刻な状況だったということだね。

当時の採用状況の実例

具体的には、大手の製造業や銀行などが大量に採用を減らした。例えば、毎年100人採用していた会社が、急に5人しか採用しませんって感じ。建築業界や金融業界も大きな打撃を受けた。採用を減らしただけじゃなくて、既に働いている社員をリストラ(つまり、会社から辞めさせること)する企業も出てきたんだ。そういう厳しい経営状況の中で、新人に給料を払う余裕はなくなっちゃったわけだよ。

なぜ就職氷河期が起きたのか

就職氷河期が起きた理由というのは、基本的には日本の経済が大きく落ち込んだからなんだ。1990年代の日本は、それまでバブル経済(つまり、投機的な理由で株価や不動産の値段が非常に高くなった状態)で好調だった。会社は次々と新しい建物を建てたり、たくさんの人を採用したり、派手な事業に投資したりしてた。

でもね、バブルというのは必ずはじけるもんなんだ。1990年代初めにそのバブルがはじけちゃった。株価が下がり、不動産の値段も下がり、銀行も経営危機に陥った。企業は「あ、これは大変だ。経営を立て直さないと会社がつぶれる」と気づいたわけだ。そして企業が最初に削ろうとしたのが、「新人採用」だったんだよ。

なぜなら、新人採用というのは、企業の経営には即座には必要ないと思われたから。既に働いている人たちは気をつけて降格したり給料を下げたりすればいいけど、新人を採用するのは「未来への投資」だからね。その投資をやめることで、企業は短期的に経営を安定させようとしたわけだ。

また、企業の採用というのは、長い目で見ると性格が決まる。「今年は採用なし」って決めたら、その翌年はどうなってるか分からないから、採用を再開するのに慎重になる。だから、景気が少し良くなっても、企業は「来年もまた悪くなるかもしれない」と思って、採用を再開しなかった。その結果、13年も採用不況が続いてしまったわけなんだ。

景気悪化のドミノ効果

もう一つ大事な視点は、企業の採用不況は全体の経済をさらに悪くするということだ。会社が新人を採用しなければ、大学を卒業した人たちのお金の使い方も限られる。給料がない、あるいは低い派遣やアルバイトでは、家を買ったり、車を買ったり、物を買ったりできない。そうするとお店の売上が減る。するとお店も経営が悪くなって、また採用を減らす。こういう負の連鎖が起きてたんだよ。

就職氷河期の世代にどんな影響があったのか

就職氷河期の時代に大学を卒業した人たちは、その後の人生にずっと影響を受け続けることになった。これが就職氷河期の一番深刻な問題だったんだ。

まず、就職できなかった人たちのほとんどは、派遣社員はけんしゃいんやアルバイトで働くしかなかった。派遣社員はけんしゃいんというのは、つまり一時的に働く労働者で、給料は安い。アルバイトも当然、給料は安い。そういう低い給料で働き始めるしかなかったわけだ。

ここで大事なポイントがある。会社というのは、新卒採用(つまり、大学を卒業したばかりの人を採用すること)で正社員になる人がほとんどだ。でも派遣やアルバイトで働き始めた人たちは、その後、なかなか正社員になれなかった。なぜなら、企業というのは「前の会社で正社員として働いてた経験」を重視するからだ。派遣やアルバイトの経験は「正式な仕事経験」として見られないことが多い。だから、一度派遣やアルバイトになってしまうと、正社員になるチャンスをなくしてしまう可能性が高かったんだよ。

給料の差というのも大きかった。正社員と派遣社員はけんしゃいんでは、生涯賃金(つまり、働いている間にもらう総額の給料)が数千万円違うこともある。また、正社員は会社が退職金(つまり、仕事をやめるときにもらうお金)をくれるけど、派遣やアルバイトはそういうものがない。さらに、結婚したいとか、家を買いたいとか、子どもが欲しいとか、人生の重要な決断をするときに、派遣やアルバイトの給料では難しくなっちゃう。

精神的な悩みもあった。就職氷河期の世代の人たちは、自分たちが頑張らなかったから就職できなかったんじゃなくて、時代のタイミングが悪かったから就職できなかった。でも社会は「努力が足りないんだろう」みたいなプレッシャーをかけることもあった。その精神的なダメージというのは、今でも続いてる人も多いんだ。

世代による経験の格差

面白いことに、就職氷河期の「前の世代」と「後の世代」では、経験がぜんぜん違うんだ。氷河期の前は、大学を卒業すれば普通に就職できたから、正社員として働き始められた。でも氷河期の時代に卒業した人たちは、派遣やアルバイトになった人が多い。その後、景気が回復してくると、また企業は採用を始めるんだけど、その時点で既に「派遣経験者」になってる。だから採用試験でも不利になりやすい。この世代間の格差というのが、社会問題として今でも議論されてるんだよ。

就職氷河期の人たちはどうしたのか

では、実際に就職氷河期の時代に大学を卒業した人たちは、どうやって対応したんだろう?全員が非正規雇用(つまり、派遣やアルバイトのように安定してない雇用形態こようけいたい)になったわけじゃないんだ。

一つは、「自分で起業する」という選択をした人もいた。企業から採用されるのが難しければ、自分で事業を始めればいいじゃないか、という考え方だ。全員が成功したわけじゃないけど、中には起業して成功した人たちもいる。

もう一つは、大学の大学院(つまり、大学の上のレベル)に進学した人も多い。大学院に進むことで、採用状況が改善するまで時間を稼ぐことができるし、より高い学歴を得ることができる。修士号(つまり、大学院を卒業した証明)を持ってると、採用試験で少し有利になることもあるからね。

そして、実は採用凍結の時代でも、全ての企業が採用を減らしたわけじゃないんだ。例えば、IT業界は成長していたから、採用を続けていた企業もあった。だから、就職先を自分の地元だけに限定しないで、全国や業界を広げて探した人たちもいる。

また、大事なポイントとしては、就職氷河期の後期になると、景気が少し回復してきたんだ。2000年代の半ばになると、企業も「そろそろ採用を再開しよう」と考え始めた。だから、遅めに就職活動をした人の中には、正社員として採用された人もいるんだよ。ただし、時間を失ってる分、人生設計に影響があったのは事実なんだ。

人生の選択肢の違い

就職氷河期の人たちは、その後の人生で、いろんな分岐点を経験してる。正社員になれた人も、派遣のままの人も、起業した人も、様々なキャリアを歩んでるんだ。ただし、共通してるのは「時代のせいで、自分の選択肢が限られた」という経験。その経験が、その後の人生にずっと影響してるんだよ。

今の就職状況との違い

就職氷河期が終わった後、日本の企業の採用はどう変わったんだろう?そこは意外かもしれないけど、実は大きく変わってないんだ。

2010年代や2020年代の方が、むしろ企業の採用は増えてる。理由は、日本の人口が減ってるからだ。高齢化社会が進んで、若い人の数が減ってる。企業は「もっと人が欲しい」と考え始めたわけだ。だから、大学を卒業した人たちは、就職氷河期の時代より圧倒的に就職しやすい状況になってる。

でも、今の就職活動には別の問題が出てきた。企業が「新卒一括採用」のシステムを変え始めてるんだ。つまり、大学を卒業した時点で就職するんじゃなくて、大学3年生から就職活動を始めるとか、海外の企業みたいに通年採用(つまり、1年中いつでも採用を受け付けるという意味)する企業が増えてきたわけだ。

また、正社員と派遣・アルバイトという二つのカテゴリーだけじゃなくて、「有期契約社員」「業務委託ぎょうむいたく」「フリーランス」みたいに、いろんな働き方が増えてきた。これは一つには、働く人の「自由な選択」を増やす意図もあるけど、企業の側から見ると「安定した正社員の数を減らす」という意図もあるんだ。

給料についても変わってる。就職氷河期の時代は、正社員と派遣の給料の差が大きかった。でも今は、正社員でも給料が上がりにくくなってきてるし、派遣でも時給が上がってる企業もある。ただし、全体的には「給料が増えない」という悩みはむしろ増えてるんだ。

最後に、今の君たちが知るべき大事なことは、「就職」というものが昔より複雑になってるということ。昔は「大学を卒業して、いい企業に正社員として採用される」というのが、人生の成功の象徴だった。でも今は、そういう一つの道だけが成功じゃなくなってる。起業する人もいれば、フリーランスで働く人もいれば、海外で働く人もいる。その分、自分の人生を自分で選べる自由が増えたともいえるけど、同時に「どの道を選べばいいのか」という判断が難しくなってるんだよ。

就職氷河期という経験から学べることは、経済状況は予測不可能だってことだ。だから、君たちが社会に出るときに大事なのは、「柔軟性」。どんな状況になっても対応できるような、複数のスキルを身につけておくこと。そして、一つの企業や一つの業界に固執しないで、視野を広く持つことが大事だと思うんだ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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