アルバイトをしている高校生の友人が、給料をもらったら「何か安くないか?」と感じることってありませんか?時給がいくらのはずなのに、実際の計算が合わない、そんな経験をした人も多いかもしれません。それ、もしかしたら「最賃違反」という労働法の違反に引っかかっているかもしれません。この記事では、最低賃金が何なのか、どんなときに違反になるのか、そして被害にあったときはどうすればいいのかを、わかりやすく説明していきます。
- 最低賃金とは、国が決めた 「最低でもこれ以上払いなさい」という給料の基準 のこと
- 最賃違反は この最低ラインより低い給料で働かせること で、立派な法律違反
- 最低賃金は 地域によって違う けど、どこにいてもこのルールは守らないといけない
もうちょっと詳しく
日本では「最低賃金法」という法律があって、すべての働く人を守っています。あなたがアルバイトをするときも、社員として働くときも、この最低賃金より低い給料をもらう必要はないんです。この制度があるおかげで、「とにかく安い給料で働いてくれる人を探そう」という経営者の無理な要求から、働く人たちが守られているんですよ。
最低賃金は「働く人の最後の砦」。これより低い給料は、どんな理由があってもダメ。
⚠️ よくある勘違い
→ いいえ。研修期間でも新人でも、最低賃金は守らないといけません。「新人割引」みたいなものは法律では認められていないんです。
→ その通り。この理由は、「働いている時間は働いている時間」だから。どの段階の労働でも、国が決めた最低額は保証されるべきなんです。
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最低賃金ってそもそも何?
働く人を守るための「最低ライン」
最低賃金というのは、つまり「労働者が最低でもこれ以上の給料をもらえないといけない」という、お金の下限のことです。想像してみてください。もしこんな制度がなかったら、会社は「給料は時給500円で我慢してください」みたいなことが言えちゃいます。でも、時給500円では、朝ご飯も買えませんし、学校の教材だって買えませんよね。だから国が「ちょっと待ってください。最低限、これくらいは払ってください」と決めたのが最低賃金なんです。
この制度は1970年代から日本に存在していて、すべての都道府県に決められています。例えば、東京都は時給1,113円(2024年現在)、大阪府は1,089円、沖縄県は983円みたいに、細かく分かれているんですよ。これって結構大事な数字で、会社やお店はこれより低い給料を払うことが禁止されているんです。
なぜ地域によって違うのか
「えっ、同じ日本なのに、地域によって違うの?」と思う人も多いかもしれません。実は、これには理由があるんです。東京で生活する場合と、田舎で生活する場合、かかるお金が全然違うんですよ。東京だと、狭いアパートでも月8万円とか9万円かかるけど、田舎だと4万円とか5万円で借りられたりします。食べ物も、服も、電車代も。全部が高いんです。だから、その地域で「まともに生活するために必要な最低金額」を計算して、それぞれの最低賃金を決めているわけです。
これは本当に考え抜かれた仕組みで、生活の現実に合わせて給料の基準も変えようという姿勢なんです。あなたの地域の最低賃金がいくらなのか知りたい場合は、都道府県の労働局のウェブサイトで調べることができますよ。自分がアルバイトを始めるときは、まずこの金額を確認することが大事です。
どんなときが「違反」になるのか
時給が最低賃金より低い場合
一番わかりやすい違反パターンですね。例えば、東京の最低賃金が時給1,113円なのに、あなたが時給900円で働かされていたら、これはもう確実に最賃違反です。「でも、給料をいっぱいくれるから」とか「やりがいのある仕事だから」とか、そういう理由があっても関係ないんです。法律で決まっていることだから。
ただし、注意してほしいのは「何の給料が対象か」という点です。基本的に、仕事をした時間に対してもらう給料が対象なんですよ。つまり、時給制で働いている場合、単純に「時間単価 × 働いた時間」で計算した金額が、最低賃金を下回っていたらダメということです。
通勤費や制服代を給料から引く場合
ここはちょっと複雑なところなので、注意してください。会社が「通勤費は自分で出してね」と言って、給料から引く場合があります。でも、これはダメなんです。なぜなら、最低賃金は「実際に手元に残る金額」で計算するからです。例えば、時給1,100円でも、毎日100円の通勤費を引かれたら、実際の手取りは低くなってしまいますよね。これは違反に該当する可能性があります。
同じようなことは、制服代やお道具代でも起こります。「この仕事をするために制服が必要だから、あなたの給料から2,000円引いて制服代に回すね」みたいなことを言われたら、これも違反かもしれません。ただし、制服を返すときに代金を返してくれるとか、きちんとした契約になっていれば大丈夫な場合もあります。複雑だから、自分の給料明細をよく確認することが大事です。
固定給で月給制の場合はどう計算するのか
月給制の場合、最低賃金違反かどうかはちょっと複雑な計算をするんです。例えば、あなたが月給20万円だったとしましょう。これが最低賃金を下回っているかどうか判断するには、「その月給を、実際に働いた時間数で割る」という計算をするんです。もし月に180時間働いているなら、20万円 ÷ 180時間 = 時給1,111円となります。これが各都道府県の最低賃金より低かったら、違反になるというわけです。
だから、「月給だから最低賃金は関係ない」というわけじゃないんですよ。むしろ月給制の人は、自分がちゃんと最低賃金をもらっているのか、自分で計算して確認する必要があります。給料明細に書いてある勤務時間を見て、「給料 ÷ 勤務時間 = 時給」という計算をしてみてください。それで最低賃金を下回っていたら、会社に指摘することが大事です。
なぜこんなことが起きるのか
会社がうっかり忘れているパターン
実は、最低賃金違反の全部が「わざとやっている」わけじゃないんです。小さいお店とか、昔からある企業だと、法律が改正されたことに気づかないパターンがあります。例えば、「前は時給800円で大丈夫だったのに、2024年になったら最低賃金が上がってた!」みたいなことが起こるんですよ。会社の経営者が、きちんと最低賃金をチェックしていなかったら、知らず知らずのうちに違反になっていることもあります。
ただ、「知りませんでした」では済まないんです。法律は知ってようが知ってまいが、守らないといけないものだから。だから、ちゃんとした会社なら、毎年4月に最低賃金が上がる時期に、従業員の給料を見直すんです。
意図的に安い給料を払っているパターン
残念ながら、わざと最低賃金違反をしている会社もあります。「この給料で文句を言うな」という強い態度で、低い給料を押し付けるようなブラック企業がいるということです。こういう会社は、「どうせ学生だから、労働法なんて知らないだろう」と思っているのかもしれません。それで、実は違反しているのに、従業員がそれに気づかないのを待っているんですよ。
こういう会社は、他にもルール破りをしていることが多いです。例えば、時間外労働を払わないとか、有給休暇を取らせないとか。最低賃金違反だけじゃなく、いろんな労働法に違反していることがほとんどです。
給料計算の間違いパターン
会社が意図的じゃなく、単に計算を間違えている場合もあります。例えば、通勤費を差し引くときに間違えたとか、勤務時間を記録する際に誤ったとか。コンピュータで給料を計算している会社なら、プログラムのバグで誤った金額になることもあります。こういう場合は、指摘してあげれば、会社は「あ、ごめんなさい」と直してくれることが多いです。
違反だったときはどうなるのか
会社への罰金・罰則
最低賃金違反は、働く側のためだけの法律じゃなく、会社側にとっても厳しい法律なんです。なぜなら、罰則があるから。最低賃金違反をして、それが発覚したら、会社は「50万円以下の罰金」を払わないといけないんです。50万円ですよ。そんなのお店の経営にも大ダメージですよね。
さらに、最低賃金違反が明らかになったら、会社は不足していた給料を全部払わないといけません。例えば、1年間、時給100円足りないままだったら、その1年分の不足分を一気に払わなきゃいけないんです。これって結構な金額になりますよ。
働く人の権利
逆に、あなたが被害者の立場だったら、権利があるんです。一つは「不足していた給料をもらう権利」。これは時効が2年なので、2年分までさかのぼって請求できます。つまり、2年前から最低賃金違反されていたら、その分全部をもらえるということです。
もう一つ大事なのは、会社に報告しても給料を払わないとか、嫌がらせを受けるということが起こる場合があるということです。実は、こういう「報復」も禁止されているんですよ。あなたが「給料が足りません」と指摘したからといって、クビにしたり、給料を減らしたり、シフトを減らしたりするのは、法律違反になります。だから、安心して声を上げることができるんです。
自分が違反されてたら?
まず確認すること
もし自分が最低賃金違反されているのかもと思ったら、まずは自分で確認してください。やり方は簡単です。給料明細を見て、「実際にもらった給料 ÷ 実際に働いた時間数」を計算するだけです。それが自分の都道府県の最低賃金より低かったら、違反の可能性があります。
次に、確認すべきは「何か差し引かれているか」です。通勤費、制服代、道具代とか。こういったものが給料から引かれていないか、給料明細をよく見てください。引かれているなら、それが正当な理由があるのか、契約書で約束されていたのかを確認します。
会社に相談する(まずはここから)
確認して、違反の可能性があったら、まずは会社に相談しましょう。「給料を計算してみたんですが、最低賃金に達していないみたいなんですが」という感じで、落ち着いて言うんです。大事なのは、ケンカ腰じゃなく、「これってどういうことですか?」という質問形式で聞くことです。もしかしたら、会社がうっかり忘れていただけかもしれないから。
良い会社なら、「あ、そうだったのか。ごめんなさい。すぐに直します」と言ってくれます。でも、もし会社が「いや、これは約束だから」とか「仕方ない」みたいな感じで認めなかったら、次のステップに進む必要があります。
労働基準監督署に相談する
会社が応じてくれなかったら、「労働基準監督署」に相談しましょう。これはつまり、国の機関で「働く人の権利が守られているかを監督する部署」です。ここに相談すれば、無料で専門家が相談に乗ってくれます。あなたが最低賃金違反されているのかどうかを調べてくれたり、会社と交渉してくれたり、ときには会社に立ち入り検査を入れたりしてくれるんです。
労働基準監督署は、インターネットで「労働基準監督署」と検索すると、あなたの地域の住所と電話番号が出てきます。匿名で相談することもできるし、実名で相談することもできます。もし会社に報復されるのが怖かったら、匿名でいいんですよ。大事なのは、自分の権利を守ることです。
専門家に相談する
もし労働基準監督署でもうまくいかなかったり、もっと複雑な場合は、労働問題の専門家、つまり「労働弁護士」や「労働組合」に相談することもできます。最近は、無料で相談できる窓口も増えているので、インターネットで調べてみるといいですよ。「労働相談 無料」と検索すれば、いろんな相談窓口が出てきます。
大事なのは、一人で抱え込まないということです。最低賃金違反は、あなたの責任じゃなくて、会社の責任です。だから、遠慮なく声を上げることが大事なんですよ。
