お店に行ったときや、何か商品を買ったときに、お店の人に対して言ってはいけない言葉を言っている人、見かけたことはありませんか?「何をしてるんだ!」と大声で怒鳴ったり、くり返し同じ文句を言ったり……こういう理不尽な対応のことを「カスハラ」と言うんです。実は、この問題が今、すごく大きくなっていて、働く人たちの心と体に傷をつけています。この記事を読めば、カスハラが何か、なぜダメなのか、そして私たちができることが見えてくるよ。
- カスハラはカスタマーハラスメントで、顧客が店員や企業に理不尽な要求や暴言をぶつけることだよ。
- クレームは問題の解決が目的だけど、カスハラは相手を傷つけることが目的になってる。
- 働く人の心と体を傷つけるので、法律でも禁止される動きが出てきてるんだ。
もうちょっと詳しく
カスハラが深刻な問題として注目されるようになったのは、ここ数年のことです。昔は「お客さんは神様」という考え方があって、店員さんが理不尽な対応をされても「それも仕事」という空気がありました。でも今、働く人たちが心の病気になったり、仕事をやめたり、中には自殺に至るケースもあります。だから企業も社会も「これはいじめだ、許してはいけない」と気づき始めたんです。警察が対応することもあります。
クレームは相手を変えるための言葉。カスハラは相手を壊すための言葉。この違いを意識することが大事。
⚠️ よくある勘違い
→ 商品の不具合を指摘するのは正当なクレーム。でもそこから「お前たちはダメだ」「何度も謝れ」に変わるとハラスメントになってしまう。問題解決が目的かどうかが分かれ目だよ。
→ 「このサービスをこうしてほしい」という具体的な要望はいい。でも相手の人間としての価値を否定する言い方は、どんな状況でもダメ。プロ意識を持つことが大事。
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カスハラは「クレーム」じゃなくて「いじめ」
カスハラを理解するために、まずクレームとの違いをはっきりさせておきましょう。クレームというのは、商品やサービスに問題があったときに、その問題を指摘して改善してもらうための行為です。例えば、飲食店で頼んだ料理に虫が入っていたら「これは使えません。作り直してください」と伝えるのはクレームですね。これは正当な権利です。
一方、カスハラはそれとは全く違います。相手の人間としての価値を否定したり、傷つけたり、追いつめることが目的になってしまってるんです。「料理に虫が入ってた」という問題の解決じゃなくて、「お前たちは無能だ」「人間として失格だ」みたいに、相手の人格を攻撃し始めるわけです。
例えば、こんな場面を想像してみてください。あなたがコンビニでバイトしてるとします。お客さんが来て「この弁当、期限が明日までだ」と言ってきました。これはクレームです。「期限の新しいものに変えてください」って言われたら、交換すればいい。これで解決です。でも、もしそのお客さんが「お前、目玉ついてんのか」「何度も謝れ、本気が感じられない」「責任者を呼べ、お前ごときじゃ話にならん」みたいに言い始めたら?これがカスハラです。もう問題の解決じゃなくて、あなたをいじめてる。あなたが何度謝ってもダメ。相手の目的は「あなたに対する罵倒」になってるんです。
だから大事なポイントは、クレームは「物事を改善したい」という前向きなものだけど、カスハラは「相手を傷つけたい」という破壊的なものってこと。クレームは消費者として正当な権利ですが、カスハラはただのいじめなんです。そしてこのいじめの対象が、働いてる一人の人間だってことを忘れちゃいけません。
「相手を変えたい」と「相手を傷つけたい」で態度が全く変わる。同じ言葉でもその動機がカギ。
カスハラが増えてる理由と実例
じゃあなぜ、カスハラが最近増えてきたのか。理由はいくつかあります。
まず一つ目は、昔の「お客さんは神様」という考え方の悪い側面が今も残ってることです。お金を払ってる人は、相手をどう扱ってもいいって思い込んでる人がいるんですね。でも考えてみてください。お金を払うことと、相手の人間をいじめることって、全く別の話ですよね。」
二つ目は、SNSの普及です。昔は店で怒ったことは、そこで終わってました。でも今は「この店は最悪だ」ってTwitterに書いたら、何千人も見ます。だから店の評判を傷つけようとして、どんどん悪く言う人がいるんです。実例としては、大手飲食店で「従業員の対応が気に入らない」という理由で、顧客が店内に何時間も居座ったり、SNSで大量に悪い評価を書いたりするケースがあります。もともとの問題は小さかったのに、それをネタにして企業や店員さんをたたく。これはカスハラです。
三つ目は、ストレス社会だからです。仕事でうまくいかなかったり、人間関係がうまくいかなかったり、いろんなストレスを抱えてる人は多いですよね。その怒りを、立場が弱い店員さんにぶつけてしまうんです。実際のニュース例では、宅配便の配送遅延に怒った顧客が、配達員に暴言を吐いて脅迫したケースがあります。配達員は何も悪くないのに。これはストレスのはけ口にされてるんです。
四つ目は、ルール意識の低さです。「ちょっと厳しく言うくらいいいだろう」って思う人が、だんだんエスカレートしていくんです。」最初は「この商品ダメじゃん」って言うだけ。次は「何してんだよ」って言い始める。その次は「お前ら無能だ」って人格攻撃に変わる。こういう段階的なエスカレーションが起こるんですね。
カスハラは「単発の悪口」じゃなく、何度もくり返されたり、長時間続いたりすることが多い。
働く人たちが受けるダメージ
ここが最も大事なポイントです。カスハラを受けた働く人たちの心と体がどうなるのか、知ってほしいんです。
まず、心の傷は本当に深いです。毎日、理不尽な言葉を浴びてると、「自分は価値のない人間なんじゃないか」って思い始めるんです。これはいじめを受けた子どもが、同じような感情になるのと一緒ですね。自分の存在を否定されてるように感じるから、自信がなくなります。実際、カスハラを受けた店員さんやコールセンターの人が、心の病気になって仕事をやめてしまったケースは山ほどあります。パニック障害とか、うつ病とか。
次に、その職場全体の雰囲気が悪くなります。一人の人がカスハラを受けると、周りの同僚も「自分も受けるかもしれない」って不安になるんです。だから職場がピリピリして、みんなストレスを抱え始めます。その結果、ミスが増えたり、さらにお客さんのクレームが増えたり、悪循環が生まれるんです。
そして、一番悲しいのは、仕事そのものが嫌いになることです。本当は「お客さんの役に立ちたい」って思ってた人が、「この仕事は地獄だ」って感じるようになる。せっかくの仕事へのやる気が、完全に失われてしまうんですね。
実例を挙げると、大手飲食チェーン店で、レジ係の女性がカスハラを受けて、その後の3ヶ月間で12人が辞めてしまったケースがあります。一人のカスハラが、そこまで大きな影響を与えるんです。あるコールセンターでは、カスハラを受けた従業員が「死んでもいいや」と思い詰めて、実際に自殺してしまったという痛ましいケースもあります。
これね、他人事じゃないんです。例えば、あなたが将来、カフェで働くとします。そこに理不尽なお客さんがやってきて、毎日あなたをなじるようなことが起こったら?あなたはどう感じますか?その仕事、続けられますか?」
カスハラは相手の人生を変えてしまう。被害者は心の病気になったり、仕事をやめたり、最悪の場合は命を失うこともある。
法律やルールが動き始めた
こういった問題が深刻化したから、法律やルールの側面でも変化が起こり始めました。これはいい兆候です。なぜなら、「これはいけない」という社会的な認識が広がってるってことだから。
まず、企業側が動いています。大手飲食店やコンビニは「カスハラ対策マニュアル」を作って、店員さんに「こんなときは無理して対応しなくていい。報告してね」って教えるようになりました。例えば、脅迫や暴言を受けたら、その場で接客を中断して報告するって決めてるんですね。
次に、警察の対応です。カスハラのせいで働く人が自殺に追い込まれたり、脅迫されたりしたケースでは、警察が動きます。つまり、刑事事件として扱われるわけです。脅迫罪とか暴行罪とか、そういった犯罪に問われる可能性があります。
そして、法律の側面でも。例えば、パワーハラスメント防止法とかセクシュアルハラスメント防止法みたいに、「カスハラ防止法」を作ろうという動きが出てきてます。まだ完全には実現してませんが、このような法制化の流れは、カスハラを許さない社会へのシフトを示してるんです。
さらに、企業が被害者の働く人たちをサポートするようになってきました。例えば、カウンセリングを無料で受けられるようにしたり、給料の補償をしたり、フリー勤務(出勤日を自分で決められる)を認めたりってことです。
あと大事なのは、SNSの時代だからこそ、逆に「カスハラをした人の行動が記録される」ってことです。昔は「言ったもん勝ち」という雰囲気がありましたが、今は店内のカメラに映ってたり、SNSで話題になったり、という形で「カスハラした人の名前や顔が広がる」ことがあります。そうすると、その人の評判が傷つくんです。つまり、カスハラをした側も、社会的なペナルティを受ける可能性が高まったんですね。
カスハラは社会的に許されないものって、企業も法律も警察も認識し始めてる。やった人への制裁も厳しくなってきてる。
私たちができることと心がけ
最後に、大事なメッセージです。カスハラを防ぐために、私たちができることって何か。
一つ目は「店員さんは人間」という当たり前のことを思い出すことです。お金を払ったら、相手を何に言ってもいいわけじゃない。相手も同じ人間で、傷つくし、落ち込むし、家に帰っても悩んでる。そういう想像力を持つことが第一歩です。」
二つ目は「問題と人格は別」という分け方をすることです。「この商品は不具合がある」と「この人間は失格だ」は、全く別の話ですよね。不具合を指摘するのはいい。でも相手の人格を否定する必要はないんです。「このサービスをこう改善してほしい」という具体的な要望に止めておく。それが大人のマナーです。
三つ目は「自分のストレスを他人にぶつけない」ってことです。仕事が嫌だからって、コンビニの店員さんに怒るのは筋違いです。もし怒りを感じたら、深呼吸して、その怒りが本当に相手に向けるべきものなのか考えてみる。多くの場合、答えは「いいえ」です。
四つ目は「被害者を守ること」です。もし友だちがカスハラを受けたら、「大変だったね」って話を聞いてあげる。もし学校で同級生がいじめを受けてたら、先生に報告する。こういう小さなアクションが、被害者を救うんです。
五つ目は「自分がカスハラをしたときに気づく」ってことです。万が一、あなたが誰かに理不尽な言い方をしてしまったら、「あ、今のはカスハラだった」って気づいて、「ごめんなさい」って謝る。これって大人でも難しいんですけど、若い時からこの習慣を身につけることが大事なんです。
そしてね、カスハラは「個人の問題」じゃなく、「社会全体の問題」だってことを忘れないでください。「お客さんは神様」とか「お金を払ってるから何を言ってもいい」みたいな昔の価値観を、私たちの世代で変えていく必要があります。仕事をしてる人も、お客さんも、同じ人間。相手の人格を尊重し合う社会を作ることが、カスハラをなくす一番の方法なんです。
カスハラをなくすのは、法律や企業の力だけじゃなく、一人ひとりの心がけ。あなたの「相手を大事にする」という気持ちが、社会を変える。
