バイト先や会社で働いているのに、「これは請負契約だから」って言われて、会社の従業員じゃなく「個人事業主」扱いされたことはありませんか?実は、そういう状態は「偽装請負」という違法な働き方かもしれません。この記事を読めば、自分がどんな立場で働いているのか、そして何か問題があったときにどうすればいいのかがわかるようになるよ。
- 偽装請負は、本当は雇用契約なのに請負契約にされる違法な働き方のこと
- 会社は給料や有給などの費用を減らすために、わざと偽装請負にしている
- もし偽装請負なら、労働基準監督署に相談して守ってもらえる
もうちょっと詳しく
偽装請負が生まれる背景には、会社の利益最大化という目的があります。正社員や契約社員として雇用すると、会社は健康保険や厚生年金などの社会保険料を負担しなければいけません。さらに、有給休暇や残業代、病気の時の手当なども必要になります。でも請負契約にすれば、すべてが働く人の負担になります。つまり、会社は従業員を守る責任から逃げているんですね。労働法は、こうした不公正から労働者を守るために作られた法律です。
偽装請負の違法性は、「実際の働き方」で判断される。契約書に「請負」と書いてあっても、実は指揮命令を受けていたら、それは偽装請負と判定されるよ。
⚠️ よくある勘違い
→ 実は契約書の内容より、「実際の働き方」のほうが大事。毎日会社に行って、上司の指示を受けて、会社の指定した時間に働いているなら、それは雇用契約なんだ。だから契約書が請負でも、働き方が雇用と同じなら偽装請負になっちゃうんだよ。
→ その通り。労働法は、あなたがどう働いているかで判断するんだ。契約書なんて関係ない。だから、実際に見守られながら仕事をしてるなら、あなたは保護されるべき労働者って認められるんだよ。
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偽装請負って、どういう状態なの?
偽装請負という言葉は難しく聞こえるかもしれませんが、意味は単純です。偽装請負とは、つまり「本当は雇用契約なのに、請負契約のようなフリをして契約を結ぶこと」を言います。
働く人からすると、毎日会社に行って、上司から指示をもらって、会社が決めた時間に仕事をしています。見た目は、完全に「従業員」なんです。でも、契約上は「請負」になっているから、会社からは「あなたは従業員じゃなく、個人事業主扱いです」と言われてしまいます。これが、偽装請負の状態です。
例えば、コンビニで毎日朝7時から夜7時まで働いている人がいるとしましょう。上司から「この棚に商品を並べて」と指示されて、会社の制服を着て、会社の指定した場所で働いています。でも契約書には「請負契約」と書いてある。これが偽装請負ですね。大事なポイントは、「契約書に何て書いてあるか」ではなく、「実際にどう働いているか」が重要ということです。
偽装請負と正当な請負契約の違い
ただし、請負契約がすべて違法というわけではありません。本当に正当な請負契約もあります。例えば、大工さんが「この家をリフォームしたら、100万円払う」という契約をするのは、正当な請負契約です。大工さんは毎日朝7時に現場に行くわけではなく、リフォームの内容と期限が決まっていて、あとは自分のペースでやります。誰に指示されるわけでもなく、自分でスケジュールを決めることができます。
正当な請負契約の特徴は、「自分で仕事の進め方を決められる」「報酬は仕事の結果で決まる」「複数の会社の仕事をしてもいい」という感じです。これに対して、偽装請負は「毎日会社に行って」「上司の指示に従って」「会社の決めた時間に働く」ので、明らかに雇用契約なんです。
雇用契約と請負契約、何が違うの?
ここで、雇用契約と請負契約の違いをはっきりさせておきましょう。これを理解すると、自分の働き方が偽装請負かどうかがわかるようになります。
まず、雇用契約は、つまり「従業員を雇う契約」のことです。会社が従業員を雇うと、会社は従業員を守る責任が生まれます。具体的には、毎月のお給料を払うことはもちろん、有給休暇を与える、残業代を払う、健康保険や厚生年金の料金を一部負担する、という責任があります。さらに、もし従業員がケガや病気で働けなくなったら、補償をしなければいけません。これらはすべて、法律で決まったルールです。
一方、請負契約は、つまり「ある仕事を完成させたら、そのお金を払う契約」です。例えば、「ウェブサイトを作ったら50万円」とか「データ入力を1000件終わらせたら5万円」みたいな感じです。請負契約では、会社は「仕事が完成すること」だけを要求します。どうやって完成させるかは、本人の自由です。
給料・休暇・保険の違い
雇用契約と請負契約の違いを分かりやすく説明します。雇用契約の場合、毎月決まった金額が給料として入ってきます。年間で決まった日数の有給休暇があります。健康保険や厚生年金に入れて、会社が半分払ってくれます。残業をしたら残業代が出ます。病気で休んでも給料が出ることもあります。ボーナスがもらえることが多いです。
これに対して請負契約では、仕事をしたら契約書に書いた金額をもらいますが、仕事をしなければお金をもらえません。自分で国民健康保険や国民年金に入る必要があり、全額自分で払います。時間で給料が出ないから、残業代という概念がありません。病気で働けなくても、お金はもらえません。ボーナスもありません。こう見ると、雇用契約のほうが、ずっと安定していて、働く人が守られているのがわかりますね。これが、偽装請負が違法になっている理由です。
なぜ会社は偽装請負をするの?
では、なぜ会社はわざわざ違法な偽装請負をするんでしょうか。答えは簡単で、「お金を節約したいから」です。正社員を1人雇うと、会社にはかなりの費用がかかります。例えば、月給20万円の従業員がいるとします。会社が払うのは20万円だけではなく、その他に健康保険の会社負担分がおよそ2万円、厚生年金の会社負担分がおよそ1.8万円、労災保険や雇用保険がおよそ5000円かかります。さらに、ボーナスがあれば月給の2〜3ヶ月分、有給休暇の給料が年間20日くらい必要になります。つまり、月給20万円の従業員を雇うと、会社の実際の負担は25万円を超えるんです。年間で考えると300万円以上になります。
でも、もしこれを請負契約にしたら、どうなるか。仕事の量に応じて給料を払うので、決まった額を払う必要がありません。有給休暇もない。ボーナスもない。健康保険や年金の負担もない。つまり、会社の負担が大幅に減るんです。これが、偽装請負が起こる理由です。労働者をこき使いたいわけではなく、単純に「コストを下げたい」という企業の事情があるんですね。
偽装請負が多い業界
偽装請負は、特に以下のような業界で起こりやすいと言われています。派遣業界では、人材派遣会社が社員を「請負」という名目で企業に派遣する場合があります。配送業や運送業では、ドライバーを「個人事業主」扱いにして、実は細かく指示を与えていることがあります。飲食店ではバイトを「請負」という名目で、でも毎日勤務を指定してシフトを作っています。製造業や工場では、派遣社員や期間労働者を「請負」にして、でも毎日現場に来させます。デリバリーサービスでは、配達員を「個人事業主」とするが、配達先や時間帯を細かく指定しています。共通点は、労働力が必要だけど、できるだけコストを下げたい、という業界ですね。
もし偽装請負だったら、どうする?
もし「あ、これ偽装請負かもな」と思ったら、どうすればいいんでしょうか。安心してください。対処する方法がちゃんとあるんです。まずは相談することが大事です。相談できる場所はいくつかあります。労働基準監督署が一番公的な相談窓口です。労働基準監督署は、つまり厚生労働省に属する機関で、働く人の権利を守るために存在してるんです。ここに相談すれば、「これは偽装請負ですか?」という質問に、ちゃんと答えてくれます。もし偽装請負だと判断されたら、会社に対して指導や改善勧告をしてくれます。相談は無料で、名前を伏せて相談することもできます。
法テラスというのは、つまり政府が運営する法律相談窓口です。弁護士さんが無料で法律相談に乗ってくれます。偽装請負について、どう対処すればいいかアドバイスをくれます。もし会社に労働組合があったら、そこに相談することもできます。労働組合は働く人の利益を守るために存在する組織なので、親身に相談に乗ってくれるはずです。
もし偽装請負と判定されたら
もし本当に「これは偽装請負だ」と判定されたら、その人は遡って、つまり昔に戻って雇用契約として扱われます。つまり、もらえなかった給料や残業代が払われることになります。健康保険や厚生年金に加入できるようになります。有給休暇が認められます。ボーナスやその他の福利厚生がもらえるようになります。もし病気で働けなくなっても、補償を受けられます。つまり、今までは「個人事業主」扱いだから全部自分持ちだったことが、会社が負担してくれるようになるわけです。これは、かなり大きな変化ですね。
また、もし偽装請負を指摘したことで、解雇されたり給料を減らされたり、いじめられたりしたら、それは「不当な報復」として違法になります。つまり、会社はあなたに報復することができないんですよ。もし報復を受けたら、労働基準監督署に相談すれば、会社に対して厳しく指導が入ります。だから、安心して相談して大丈夫です。自分の権利は法律で守られているんだと覚えておいてくださいね。
