おじいちゃんおばあちゃんが病院にかかるときの医療費のお話、聞いたことありますか?実は、日本には「75歳からは別の医療保険に入る」というルールがあるんです。この仕組みを後期高齢者医療制度といって、僕たちの親世代(保険料を払う立場)にも、おじいちゃんおばあちゃん世代(医療を受ける立場)にも大きく関わっているんですよ。この記事を読めば、「なぜそんな制度があるのか」「自分たちの生活にどう影響するのか」がスッキリわかります。
- 後期高齢者医療制度は 75歳以上の人たちが加入する医療保険で、別の制度として独立している
- 高齢者の医療費は多くなるため、働く世代も負担金を払って支えている仕組み
- このバランスを保つために保険料と医療費の自己負担が決められている
もうちょっと詳しく
後期高齢者医療制度は2008年4月に始まった、比較的新しい制度なんです。それまでは、高齢者の医療費を国全体で支えていたけど、高齢者が増えて医療費がどんどん増えたから「これは持続不可能だ」ということで、新しい仕組みが作られたんですよ。つまり、このままだと保険制度が壊れちゃうから、工夫して対応しようということです。制度が始まったときには反発も大きかったけど、今では日本の医療を支える大事な柱になっています。
高齢化する日本では、医療費を負担する人が減り、医療費を受ける人が増えるから、仕組みを工夫する必要があるんだね
⚠️ よくある勘違い
→ これは大勘違い。医療費の一部は自分たちで払わないといけません。自己負担額という、自分で負担しなければいけない金額が決まってるんです。
→ これが正解。医療費の全部をみんなで支えるけど、年齢や収入によって負担額が変わるという、複雑だけど工夫した仕組みなんですよ。
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後期高齢者医療制度が生まれた理由
日本の人口はどんどん年を取っています。今、日本人の約3人に1人が65歳以上というくらい、高齢者がすごく多い国になってるんですよ。イメージ的には、100人の街の中に30人以上がおじいちゃんおばあちゃんということです。これってすごいことだと思いませんか?
ここで問題が出てくるんです。高齢者は若い人たちよりも病気になりやすいので、医療費(病院に払うお金)がめちゃくちゃかかるんです。例えば、若い人が風邪をひいたら1回で治るけど、高齢者の場合は複数の病気を同時に持ってることも多いし、治療期間も長くなるんですよ。だから、1人あたりの医療費が若い人の数倍になることもあります。
昔は、こういった高齢者の医療費を国全体で支えてたんです。つまり、働く世代が払う健康保険の料金の中から、高齢者の医療費も出していたということです。でもね、高齢者が増えるほど、その負担はどんどん大きくなるんです。イメージとしては、「10人が1人のおじいちゃんを支える」から「3人が1人のおじいちゃんを支える」みたいに、支える人が少なくなるということですね。
このままだと、医療保険の仕組み全体が壊れちゃうんですよ。働く世代の負担が大きすぎて、もう払い続けられなくなってしまう。だから、2008年に日本の政府は新しい制度を作ることにしたんです。それが後期高齢者医療制度。これは、「高齢者の医療費を、ちゃんと独立した仕組みで管理して、公平に負担しよう」という考え方から生まれたんですよ。
「後期」という言葉の意味
ところで、「後期高齢者」って何か変な名前だと思いませんか?「高齢者」ならいいのに、なぜ「後期」なんてついてるのか。これはね、年齢によって分け方が決まってるからなんです。
日本では高齢者を2つのグループに分けてるんですよ。最初のグループは65歳から74歳までで、これを「前期高齢者」といいます。そして、75歳以上が「後期高齢者」です。つまり、高齢者の人生を「前半」と「後半」に分けているということですね。
前期高齢者(65~74歳)は、まだ働いている人も多いし、医療費も後期よりは少ないんです。だから、その人たちは今までの医療保険制度(国民健康保険や組合保険)に入り続けるんですよ。ただし、74歳までの人も、この後期高齢者医療制度を支える側の一つになるんです。つまり、自分たちの保険料の中から、75歳以上の人たちの医療費を応援する部分があるということですね。
後期高齢者医療制度の仕組みはどうなってるのか
支える側と支えられる側
医療保険制度ってね、実は3つの立場が関わってるんですよ。それぞれ説明しますね。
第1は保険料を払う人たち(働く世代)です。会社で働く人や自営業の人たちが、毎月給料から保険料を引かれるでしょう。あれですよ。その人たちが払ったお金が、医療費を支える大事なお金になるんです。イメージとしては、「全員で病気のときのために貯金しておく」という感じですね。
第2は税金を払う人たちも支える側ということです。国や都道府県、市町村が税金から後期高齢者医療制度にお金を出してるんですよ。つまり、私たちが納める税金も、おじいちゃんおばあちゃんの医療に使われているということです。
第3が医療費を受け取る側、つまり75歳以上の高齢者です。この人たちも実は保険料を払ってるんですよ。「えっ、高齢者も保険料を払うの?」と思うかもしれないけど、そうなんです。年金から天引きされたり、直接払ったりする人もいます。ただし、若い人が払う保険料よりは安く設定されてます。
医療費の負担の仕組み
では、実際のお金の流れはどうなってるのか、説明しますね。
後期高齢者が病院に行ったとき、その医療費は誰が払ってるのか。答えは「みんなで分け合ってる」です。その割合がこんな感じなんですよ。
一つの例として、医療費が1万円かかったとしましょう。そのうち、高齢者本人が払うのは1000円か1500円くらい(つまり10~15%)。残りの8500~9000円はどこから来るのか。その大部分(約40~50%)は働く世代が払う保険料から出てるんです。そして、残りの約40~50%は税金(国庫負担)から出ているんですよ。つまり、患者本人・働く世代・国の3者で支えているわけです。
ここで大事なポイント。高齢者が払う保険料って、実は自分たちが払ってきた分以上には足りないんですよ。だから、足りない分は別のところから補われてるんです。この「足りない分を補う」という仕組みが、世代を超えた助け合いの証だと思いませんか?
毎月の保険料はいくらなのか
保険料の決まり方
後期高齢者医療制度の保険料は、すべての人が同じではないんです。計算方法があるんですよ。大きく分けると、2つの部分から成り立ってます。
一つ目が「均等割」という、みんなが同じ金額を払う部分です。つまり、全員が「これくらいは払おうね」という基本的な額が決まってるということですね。イメージとしては、クラス全体で何かやるときに「とりあえず1人1000円ずつ出そうよ」みたいなものです。
二つ目が「所得割」という、その人の収入に応じて変わる部分です。つまり、たくさん年金をもらってる人は、その分多めに保険料を払うということですね。これも公平だと思いませんか?働いてる時代は所得が多いほど保険料が多かったのと同じです。
だから、保険料は「均等割+所得割」で計算されるんです。金額の目安としては、1年間で平均6万円くらいの保険料を払ってる人が多いですね。もちろん、これは都道府県によって少し違うし、その人の収入によっても変わります。
保険料が払えないときはどうなるのか
ここで気になる質問が出るかもしれません。「保険料が払えない人はどうなるの?」ということですね。
日本は「健康保険に入ってない」という状態を許さないんです。つまり、払えなくても仕組みとしては強制加入ということですね。でも、本当に払えない人のための制度もあります。例えば、低い年金しかもらってない人は、保険料が減らされることもあります。これを保険料の軽減といって、生活に困ってる高齢者も医療が受けられるようにしてるわけですよ。
後期高齢者医療制度が及ぼす影響
働く世代への影響
ここからは、僕たちを含む若い世代にこの制度がどう影響するのか、説明していきますね。
働く世代の人は、毎月給料から引かれる健康保険の料金の中に、「後期高齢者支援金」という名前のお金が含まれてるんですよ。つまり、自分たちの医療費のためだけじゃなくて、おじいちゃんおばあちゃんの医療費も支えているということです。この支援金の金額は、高齢者の医療費が増えると、自動的に増えていくんです。
だから、高齢者の人口が増えたり、医療費が上がったりすると、働く世代の負担もどんどん重くなるんですよ。今、日本の働く世代が減っていて、高齢者が増えているから、この負担バランスが厳しくなってきているんです。イメージとしては、お店の売上が減ってるのに、借金の返済額が増えてるみたいな状態ですね。
そういう意味で、この制度の将来がどうなるのかは、日本全体の大事な問題なんですよ。みんなで「どう工夫して、公平に負担していくか」を考え続ける必要があるんです。
高齢者本人への影響
では、高齢者本人にはどう影響するのか。
良い点としては、75歳以上になると医療費の自己負担が減る傾向があります。つまり、病院に行ったときに払う金額が、若い人より安くなるということですね。これはありがたい制度です。また、複数の病院に行ったときの費用上限も決まってるので、むちゃくちゃ高い医療費を一気に払う必要がない仕組みになってるんですよ。
ただし、保険料を払う義務もあります。年金が少ない人でも、毎月保険料が引かれるんですよ。これは経済的に厳しい高齢者にとっては、大変な負担です。だから、生活保護を受けてる人や、本当に生活が苦しい人のために、保険料の減免制度があるんです。
医療の現場への影響
最後に、医療を提供する病院や診療所への影響も考えてみましょう。
医療機関は、後期高齢者の医療費として受け取れるお金が国によって決められてるんです。つまり、「高齢者の診察は1回これくらいのお金で」という風に、上から決められてるということですね。これは医療機関にとって経営的な制約になります。
その一方で、患者さんの側から見ると、医療の質が保たれるように国が監視する仕組みもあるんですよ。つまり、「安いからって質の悪い医療をしちゃダメですよ」ということですね。こういう複雑なバランスの中で、医療の現場は動いてるんですよ。
日本以外の国では、高齢者医療をどう支えてるのか
ここで面白い話をしましょう。日本が後期高齢者医療制度を作ったのは2008年だけど、他の国ではどうやって高齢者の医療を支えてるのか、知ってますか?
例えば、アメリカでは「メディケア」という制度があります。これは65歳以上の人を対象にした医療制度で、日本の後期高齢者医療制度とよく似てますね。でも、アメリカは日本ほど高齢化していない(人口が若い)ので、負担のバランスはまだ比較的楽なんですよ。
ドイツでは「法定健康保険」という仕組みで、全年代を通じて同じ保険制度に入ってます。だから、日本みたいに「75歳になったら別の制度」みたいなことがないんですよ。その代わり、保険料の率(割合)は高めに設定されてます。
イギリスでは「NHS(イギリス国民保健サービス)」という国営の医療制度があって、基本的に医療費がタダなんです。その代わり、税金で全部まかなわれてるから、税率が日本より高くなってます。
こういう比較をしてみると、日本の後期高齢者医療制度ってどれだけ工夫された仕組みか、わかると思いませんか?完全にタダでもなければ、完全に自分で払うわけでもなく、みんなで助け合うという制度になってるんですよ。
