特別障害者手当って何?わかりやすく解説

障害がある人を支援する制度はいろいろあるけど、「特別障害者手当」って何?という質問をよく聞きます。障害のために生活が大変な人や家族をサポートするお金の制度があるんですよ。この記事を読めば、特別障害者手当とは何か、誰が対象なのか、どうやって受け取るのかがぜんぶわかります。

先生、「特別障害者手当」って聞いたことあるんですけど、障害年金とどう違うんですか?

いい質問だね。特別障害者手当は、重度の障害がある人の生活を応援するために国が毎月くれるお金のこと。つまり、医療費や日常生活用品代など、障害があるせいでかかる余分な費用をサポートする制度なんだよ。障害年金とは別の制度で、受ける条件も異なるんだ。
毎月もらえるってことですか?どのくらいの金額ですか?

そうだね。毎月もらえるんだ。金額は時代によって変わるけど、だいたい月に27,000円前後。ただし、本人の収入や親の年収によって受け取れないこともあるんだ。これを「所得制限」って言うんだけど、つまり、ある程度の収入がある人は対象外ということなんだよ。
え、じゃあ誰でも特別障害者手当をもらえるわけではないんですね。

その通り。重度の障害がある人で、かつ経済的に困っている家庭が対象なんだ。例えば、視力がほぼない、聞こえない、手足が動かないなど、日常生活で常に誰かのサポートが必要なレベルの障害が条件。そして親の年収が一定額以下という制限もあるんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 特別障害者手当は、重度の障害がある人の生活費を応援する国からの毎月のお金で、医療費や生活用品代などの負担を軽くするためのもの
  2. 受け取るには重度の障害があることと、本人・家族の年収が一定額以下という2つの条件をクリアする必要がある
  3. 毎月27,000円前後もらえるけど、所得制限に引っかかったり、他の支援制度の対象になったりするとは別の判定基準があるから注意が必要
目次

もうちょっと詳しく

特別障害者手当は、1972年から始まった歴史のある制度です。重度の障害があると、生活するだけで健康な人より余分にお金がかかるんです。たとえば、視覚障害がある人は点字本の購入や白杖の交換、聴覚障害がある人は補聴器のバッテリーや修理費。移動が困難な人なら車いすやベッドなどの福祉用具。こういった「障害があるから必要な費用」を少しでも応援しようという制度なんですよ。障害年金や生活保護とは別の制度として、障害のある人を多角的にサポートする日本の社会保障の一部なんです。

💡 ポイント
「障害があるせいでかかる余分な費用」を国が応援する制度。だから、本当に困っている人が対象なんだ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「特別障害者手当と障害年金は同じ制度」
→ 違う制度です。障害年金は「働けなくなった人の生活費」で、特別障害者手当は「障害があるから必要な余分な費用」をサポートするもの。両方もらうこともできます。
⭕ 「特別障害者手当は、障害があるせいでかかる特別な費用を応援する別の制度」
→ 障害年金とは目的が違う制度。ただし、合わせてもらうと障害がある人の生活がより安定するんです。
❌ 「一度もらったら、ずっともらい続けられる」
→ 毎年、条件を確認される更新手続きがあります。収入が増えたり、障害の程度が変わったりすると、もらえなくなることもあるんです。
⭕ 「毎年、資格を確認する更新手続きがある」
→ 年に1回、市区町村で「今も対象者ですか?」という確認があります。だから、状況が変わったら自分から報告することが大事なんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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特別障害者手当とは、どんな制度なのか

特別障害者手当について、一番初めに理解してほしいことは、これが「障害がある人の生活費全部」をサポートする制度ではなく、「障害があるから余分にかかる費用」をサポートする制度だということです。つまり、健康な人と同じ生活をするために必要な、食費や住居費などはすでに他の制度(生活保護など)がサポートしているケースが多いんです。特別障害者手当は、その上乗せで、障害があるからこそかかる費用をカバーしようという考え方なんですよ。

実例で説明すると、全盲の人は健康な人と同じようにご飯も食べるし、家にも住みます。その部分は生活保護や自分の給料でカバーしているかもしれません。でも、点字の教科書を買ったり、白杖が傷んで新しく買い替えたり、点字ディスプレイという特殊な機器が必要になったりします。こういった「見える人には不要だけど、見えない人には必須の費用」を応援しようというのが、特別障害者手当の目的なんです。

制度が始まったのは1972年。当時、障害がある人たちが「健康な人と同じように生きるために、これだけお金がかかるんだ」という訴えを受けて、国が「それなら応援しよう」と作った制度なんです。だから、もともとは「障害があることへの社会的な応援」という考え方なんですよ。今では、月に27,000円程度(2024年現在)が支給されます。この金額も毎年見直されるので、物価が上がったときは増えることもあります。

大事なのは、この手当は「障害がある人全員」がもらえるわけではないということです。どんな障害が対象なのか、そしてどういう経済状況の人が対象なのか、という2つの条件があるんですよ。それぞれ説明していきますね。

特別障害者手当の対象者、誰がもらえるのか

特別障害者手当をもらえる人は、「重度の障害」がある人と決まっています。ここで大事なのは「重度」という言葉です。つまり、軽い障害ではなく、生活するときに常に誰かのサポートが必要なくらいの障害ということなんです。

具体的には、こんな人たちが対象になります:

身体障害の場合
視覚障害なら両眼の視力がほぼない状態(例えば、眼前で指が数えられない程度)、または両眼の視野がすごく狭い状態。聴覚障害なら両耳がまったく聞こえない状態。肢体不自由なら、両腕と両脚が動かないなど、4つの肢がすべて障害を持っているような状態。つまり、どれも「日常生活でほぼ何もできない」レベルの重度障害が対象なんです。

内部障害の場合
心臓病で常に医療ケアが必要、腎臓病で毎日透析が必要、呼吸器の障害で酸素吸入が欠かせない、というように、命に関わる障害がある人が対象になります。

知的障害・精神障害の場合
知的障害なら、ほぼ自分の世話ができない状態。精神障害なら、常に医療者のサポートが必要なほど重い状態。

いずれの場合も、共通していることは「日常生活で常に誰かのヘルプが必要」という点です。一人で買い物に行ったり、着替えたり、食事をしたりできない人が対象だと思うと、わかりやすいですよ。

でも、重度の障害があるだけではダメなんです。もう一つ大事な条件があります。それが「所得制限」です。つまり、本人の収入や親(養護者)の年収が一定額以下であることが必須なんですよ。生活が困っている人たちを応援する制度だから、ある程度の収入がある人は対象外になってしまいます。具体的な金額は毎年変わりますが、だいたい本人の年収が300万円以上だと対象外、親の年収が600万円以上だと対象外というイメージです(正確な数字は市区町村で確認が必要)。

つまり、「重度の障害」と「経済的に困っている」という2つの条件の両方を満たして初めて、特別障害者手当がもらえるわけなんです。障害があるから応援するのではなく、「障害があって、かつ経済的に困っているから応援する」という考え方だということですね。

特別障害者手当の申請方法と手続き

特別障害者手当をもらうには、自分から「ください」と申請する必要があります。自動でもらえるわけではないんですよ。申請の流れを説明しますね。

第一ステップ:市区町村の窓口に行く
まず、自分が住んでいる市町村の福祉事務所や障害福祉課という部署に行きます。「特別障害者手当の申請をしたいんですけど」と伝えるだけで大丈夫。職員さんが必要な書類を教えてくれます。

第二ステップ:書類を用意する
申請に必要な書類は、だいたいこんな感じです:

身分証明書(マイナンバーカード、パスポート、運転免許証など)、診断書(障害があることを医者が証明する書類)、所得に関する書類(親や本人の給料明細や確定申告かくていしんこく書など)、銀行口座の情報(お金を受け取るため)。親と別に住んでいるなら、親の同意書も必要なことがあります。

ここで大事なのは、診断書は「特別障害者手当用」という特別な様式があるということです。普通の診断書では使えないんです。医者に「特別障害者手当の診断書をください」と言えば、正しい様式で書いてくれます。

第三ステップ:書類を提出して判定を待つ
書類が全部揃ったら、福祉事務所に提出します。すると、市区町村が「この人は本当に重度の障害があるか」「本当に経済的に困っているか」を調べます。この調査期間は大体1~2ヶ月かかります。

第四ステップ:決定通知を受け取る
調査が終わると、「認定されました」か「残念ですが対象外です」という通知が来ます。認定されたら、翌月からお金が振り込まれ始めるんです。

毎年の更新手続きも大事
一度認定されても、毎年「今も対象者ですか?」という確認があります。これを「認定更新」と言うんですよ。毎年秋頃に、福祉事務所から「更新の書類を出してください」という通知が来ます。所得や障害の状態が変わっていないかを確認するためなんです。ここで「実は収入が増えました」とか「障害が治りました」という情報が出てくると、認定が取り消されることもあるんですよ。

特別障害者手当と他の制度の関係を理解しよう

ここまで読んでいる人の中には、「あれ、生活保護とはどう違うの?」「障害年金とは何が違うの?」という疑問を持っている人もいるかもしれませんね。実は、この3つの制度は目的が全く違うんです。

生活保護と特別障害者手当の違い
生活保護は、「生活費全部が足りない人」に対して、生活するのに必要なお金を丸ごと応援する制度です。つまり、食費、住居費、光熱費など、誰もが必要とする基本的な生活費をカバーします。一方、特別障害者手当は、生活保護とは別で、「障害があるから必要な余分な費用」を上乗せでサポートする制度なんです。

例えるなら、生活保護はお弁当をくれる制度で、特別障害者手当はそのお弁当に「ハンディキャップのある人には、これも必要だろう」と上乗せしてくれる制度みたいなものですね。実際、生活保護をもらいながら、同時に特別障害者手当ももらっている人はいっぱいいますよ。

障害年金と特別障害者手当の違い
障害年金は「働くことができなくなった人」のためのお金です。つまり、障害があって働けなくなったから、年金の代わりに生活費をもらう、という考え方なんですよ。一方、特別障害者手当は「障害があるから、この費用が必要」という考え方で、働いている人ももらえます。

また、受け取るまでの流れも違います。障害年金は「その障害になる前に一定期間、健康保険料けんこうほけんりょうを払っていたか」という条件が必要だから、働いていた人か、学生時代から保険料を払っていた人が対象になります。特別障害者手当は「今、重度の障害があるか」という今の状態だけで判定するから、条件がシンプルなんです。

そして、両方もらうことも可能です。障害年金ももらいながら、特別障害者手当ももらっている人も実はいるんですよ。ただ、特別障害者手当には所得制限があるから、障害年金をいっぱいもらっている人は、特別障害者手当の所得制限に引っかかってしまうかもしれません。

他の支援制度との組み合わせ
日本には、障害がある人を応援する制度がいっぱいあります。税金の控除こうじょ(つまり、税金を安くしてくれる制度)、医療費の補助、福祉用具の貸し出し、就労支援など。特別障害者手当は、こういった色々な制度の一つなんですよ。複数の制度を組み合わせることで、障害がある人の生活をサポートするという考え方なんです。だから「どの制度が一番得か」ではなく「どの制度が自分に必要か」を考えることが大事なんですよ。

特別障害者手当をもらうときの注意点

最後に、特別障害者手当をもらう時に気をつけてほしいことをいくつか説明しますね。

「隠して申告しない」はダメ
所得制限があるから「実はアルバイトで稼いでるけど黙っておこう」とか「親の収入が増えたけど報告しないでおこう」という人がたまにいます。でもこれは絶対ダメです。後で調査が入ったときに「不正受給」ということで、返金を求められたり、刑事罰を受けたりすることもあるんですよ。つまり、大事なのは「正直に報告する」ということなんです。

状態が変わったらすぐ報告
もし「実は去年から働き始めた」「親が再婚して家族構成が変わった」「障害の状態がよくなった」みたいなことが起きたら、すぐに福祉事務所に報告しましょう。秋の更新のときにまとめて報告するのではなく、変わったらすぐ報告することが大事なんです。そうすると、トラブルになりにくいですよ。

振込口座の管理に注意
特別障害者手当は銀行口座に振り込まれます。だから、「銀行口座を他人に貸す」とか「キャッシュカードを預ける」みたいなことは絶対にしないでください。自分の口座は自分で管理することが大事なんですよ。

書類は捨てずに保管
申請のときの診断書とか、認定通知とか、そういった書類は何年も取っておいてください。後で「本当に対象者だったのか」という確認が入ったときに、証拠として使うことになるからです。

つまり、特別障害者手当は「信用が大事な制度」なんですよ。正直に報告して、誠実に使えば、障害がある人の生活を本当に助けてくれる良い制度なんです。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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