もしあなたやあなたの友だちの家族に障害がある子どもがいたら、毎月の生活費の負担って本当に大きいですよね。療育や医療費、学用品、日常生活の中で必要なものがたくさんあるのに、お金がギリギリだったら…。実は、そういった家庭を支援するために国が用意している手当があることを知っていますか?それが「障害児福祉手当」です。この記事を読めば、この手当がどんなものか、自分たちは受けられるのか、どうやってもらうのかまでぜんぶわかるようになりますよ。
- 障害児福祉手当は、障害がある子どもの親御さんに国がくれる毎月のお金で、養育の負担を減らすためのもの。
- もらうには、障害の程度が一定以上で、親の所得が基準以下など、いくつかの条件をクリアする必要がある。
- 毎月14,550円がもらえて、市区町村の福祉事務所に申請すれば、審査後に支給開始される。
もうちょっと詳しく
障害児福祉手当というのは、厚生労働省が定めた国の制度で、障害がある子どもの親御さんを支援するための福祉給付金(つまり、生活を助けるためにくれるお金)です。障害がない子どもの場合と比べて、医療費や療育の通所費、特別な学用品など、多くの追加費用がかかります。その家庭の経済的な負担を少しでも軽くするために、この手当が制度化されました。対象となるのは、知的障害、身体障害、発達障害など、様々な種類の障害がある子どもですが、障害の程度が「手帳の等級」や医学的判定で一定以上でなければ対象にならないんです。
親の所得制限があるから、お金持ちの家庭は対象外。でも多くの家庭が対象だよ。
⚠️ よくある勘違い
→ これは本当です。実は、施設に入所している子どもは対象外。自分の家で親御さんと一緒に生活している子どもが対象なんです。
→ 親の所得さえ基準以下なら、障害の種類や程度が基準を満たせば、ほぼもらえます。施設入所していない子どもが対象というのが重要なポイント。
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障害児福祉手当の基本を知ろう
どんな制度?
障害児福祉手当というのは、簡単に言うと「障害がある子どもの家庭を支援する制度」です。障害がない子どもと比べて、障害がある子どもを育てるのにはお金がかかりますよね。例えば、定期的に病院に行って診察を受けたり、リハビリテーションや療育という専門的な訓練を受けたり、特別な用具や衣類が必要になったり…。そうした費用は親御さんにとって大きな経済的な負担になります。その負担を少しでも軽くするために、国が毎月お金をくれる、というのが障害児福祉手当なんです。
実は、この手当が生まれたのは1970年のこと。日本の高度経済成長期に、社会として障害がある人たちへの支援をどうするか、という課題が話題になった時期です。親御さんたちから「医療費や療育費で経済的に苦しい」という声が上がったことがきっかけで、制度化されました。つまり、この手当は、社会全体が障害がある子どもの家庭をサポートしよう、という考え方から生まれた仕組みなんです。
障害児福祉手当と似た制度との違い
障害に関する支援制度には、障害児福祉手当の他にも色々あります。例えば「児童扶養手当」というのは、親が一人の家庭(ひとり親家庭)に対する支援ですし、「特別児童扶養手当」というのは、より重い障害がある子どもに対する支援です。「身体障害者手帳」や「療育手帳」というのは、手当ではなく、医療費の割引や福祉サービスを受けるために必要な証明書みたいなものですね。つまり、手当=お金をくれる制度、手帳=サービスを受けるための証明書、という風に分けて考えるとわかりやすいです。
もらえる条件をチェック
障害の程度について
障害児福祉手当をもらうための最も大切な条件は、「子どもの障害の程度が一定以上であること」です。でも、「一定以上」っていうのは、どうやって判断するのでしょうか。実は、これは医学的な診断に基づいて、都道府県の福祉事務所が判定するんです。判定の対象になるのは、知的障害、身体障害(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など)、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)、その他の障害で、日常生活に著しい支障がある場合です。
判定の基準は、「障害者手帳(身体障害者手帳や療育手帳)」の等級を参考にすることが多いです。例えば、身体障害者手帳なら1級、2級の子どもが対象になるケースが多いですし、知的障害(療育手帳)なら最も重い「A判定(重度)」の子どもが対象になります。でも、手帳がなくても、医師の診断書があれば対象になることもあります。つまり、判定は「手帳の等級だけではなく、医学的な診断によっても判断される」ということを覚えておくといいですよ。
年齢と居住地の条件
障害児福祉手当をもらえる子どもの年齢は、20歳未満です。0歳から19歳までが対象ということですね。20歳になった時点で、障害児福祉手当は打ち切りになって、代わりに「障害基礎年金」という大人向けの制度に移行することになります。
また、「日本国内に住んでいること」というのも大事な条件です。つまり、海外に住んでいたり、海外赴任中の子どもは対象にならないということですね。ただし、短期間の海外出張や修学旅行などは問題ありません。「住所地が日本国内にあるか」ということが判断基準になるわけです。
親の所得制限(最も厳しい条件)
障害児福祉手当をもらうための条件で、親御さんにとって最も厳しいのが「所得制限」です。つまり、親御さんのお給料や収入が一定以下でなければいけない、ということですね。2024年時点では、親の所得の限度額は、父母がいる場合で約600万円程度、一人親の場合で約400万円程度とされています。
ただし、ここで気をつけないといけないのは、「額面のお給料」ではなく、「所得」で計算されるということです。所得というのは、お給料から色々な控除(医療費控除やひとり親控除など)を引いた、実際のお金のことですね。つまり、額面のお給料が基準より高くても、控除が大きければ所得制限に引っかからないこともあるんです。自分の家庭がもらえるかどうか気になる場合は、市区町村の福祉事務所に相談して、個別に計算してもらうのが確実ですよ。
実際にいくらもらえるのか
支給額について
障害児福祉手当の支給額は、2024年4月時点で「月額14,550円」です。年間に直すと、14,550円×12か月で174,600円になります。「少ない」と感じるかもしれません。でも、例えば月に3〜4回、医療の通院や療育に通うのに月5,000円かかるとしたら、その費用が完全にはカバーできなくても、かなりの負担を減らすことができますよね。また、療育の補助教材や特別な衣類など、細かい出費って意外に積み重なるものです。そういう時に月14,550円あると、かなり助かるわけです。
この金額は、毎年4月に見直されます。物価が上がれば、手当の金額も上げられることが多いです。つまり、経済情勢に合わせて、制度が調整される仕組みになっているんですね。
所得額による支給額の変化
ここで気をつけないといけないのは、親の所得によって支給額が変わることです。親の所得が、限度額を少し超えている場合、手当が全くもらえなくなるわけではなく、支給額が減ることがあります。例えば、限度額ギリギリだったら月額2,000円くらいになる、という感じで段階的に減らされていくんです。つまり、「限度額を超えたらゼロ」ではなく、「超えた分だけ減る」という仕組みになっているんですね。
手当の支給日
承認されたら、毎月の支給日は、4月、8月、12月の年3回です。つまり、3か月分ずつまとめて支給されるということですね。例えば、4月に4月・5月・6月分の3か月分をもらう、という形です。これは他の福祉給付金と同じ仕組みで、市町村の予算や事務作業の都合による、という背景があります。
どうやってもらうの?手続きの流れ
第一ステップ:相談と情報集め
まず大事なのは、お住まいの市区町村の福祉事務所や児童福祉課に相談することです。多くの市町村のホームページには「障害児福祉手当」についてのページがあって、必要な書類や申請方法が書いてありますよ。電話で問い合わせたり、窓口に直接行ったりして、「障害児福祉手当をもらいたいんですが、どうしたらいいですか」と聞いてみてください。親切に説明してくれます。
相談の時には、子どもの障害について、「どんな障害があるか」「いつ診断されたか」「今どんな治療や療育を受けているか」などを簡潔に説明できるといいですね。また、親の所得がわかる書類(前年度の税務申告書など)を持っていると、その場で「あなたの家庭は対象になる見込みですよ」と教えてもらえることが多いです。
第二ステップ:必要な書類を集める
申請に必要な書類は、市町村によって少し異なりますが、基本的には以下のようなものが必要です。
まずは「障害児福祉手当認定請求書」という申請書です。これは市町村の福祉事務所に行けばもらえますし、ホームページからダウンロードできることもあります。次に「医師の診断書」です。子どもが通っている医者に「障害児福祉手当の認定のための診断書をください」と言えばいいですね。病院によっては費用が少しかかることもあります(だいたい2,000〜5,000円くらい)。
それから「親の所得を示す書類」が必要です。前年度の税務申告書(確定申告書)や、市町村が発行する「課税証明書」などですね。自営業の親御さんなら青色申告決算書、給与所得者なら給与の源泉徴収票などでもいいことが多いです。また「子どもの健康保険証」「世帯全体の住民票」なども必要になることがほとんどです。
第三ステップ:申請書類を提出
集めた書類を市区町村の福祉事務所に提出します。提出する時には、「何を申請するのか」をはっきり伝えてください。「子どもの障害児福祉手当の認定請求です」という感じでいいですね。書類に不備がないか、その場で簡単にチェックしてくれることが多いです。もし足りない書類があれば、「これが必要です」と教えてもらえるので、後日改めて提出することになります。
書類を提出した後は、市町村の福祉事務所が「これはもらえる条件を満たしているか」を審査します。この審査には通常2〜4週間くらいかかることが多いですね。
第四ステップ:認定と支給開始
審査の結果、「認定」されたら、市町村から「障害児福祉手当認定通知書」という書類が届きます。この時点で、支給が開始されるんです。通常、認定通知が届いた月の翌月から支給が始まることになっています。例えば、6月に認定通知が届いたら、8月(3か月分)からもらえるようになる、という感じですね。
もし申請しても「認定されない」という結果が出ることもあります。その場合は、理由を説明した「却下通知」が届きます。例えば「障害の程度が基準を満たしていない」とか「親の所得が基準を超えている」とか、理由が書かれています。その場合でも、新しい診断書を取り直したり、経済状況が変わったりしたら、改めて申請することができますよ。
障害児福祉手当と他の支援制度の違い
特別児童扶養手当との違い
障害児福祉手当とよく混同されるのが「特別児童扶養手当」です。どちらも「子どもが障害がある家庭に対する手当」ですが、実は対象が少し異なります。特別児童扶養手当は「より重い障害がある子ども(目安として、身体障害者手帳1級程度)」が対象で、月額約36,000円(1級)または24,000円(2級)がもらえます。対して障害児福祉手当は「特別児童扶養手当よりは軽い障害」(目安として、身体障害者手帳2級程度)が対象で、月額14,550円です。
つまり、より重い障害→特別児童扶養手当でより多くのお金をもらう、より軽めの障害→障害児福祉手当で少なめのお金をもらう、という仕分けになっているわけです。ただし、両方の条件を満たす場合もあり、そういう時はどちらか一つだけ選んでもらう、ということになります。
児童養護施設入所とのかかわり
障害児福祉手当は「親と一緒に家で生活している子ども」が対象です。もし子どもが児童養護施設などの障害者施設に入所すると、手当はもらえなくなります。理由は、施設に入っている間は、施設が生活費や医療費などを負担しているからですね。つまり、「親が経済的に負担を抱えているから支援する」という手当の目的から考えると、施設に預けている間は対象外にする、という仕組みになっているわけです。
ただし、短期の入院や短期的な施設利用(レスパイトケアといって、親が疲れた時に一時的に子どもを預ける制度)の場合は、手当がもらえる場合もあります。詳しくは市町村の福祉事務所に相談してくださいね。
身体障害者手帳・療育手帳との関係
身体障害者手帳や療育手帳は「手帳」で、障害児福祉手当は「手当」ですね。目的が全く違います。手帳は「障害がある人が、医療費の割引や福祉サービスを受けるための証明書」です。例えば、医者にかかる時に「身体障害者手帳を持っています」と見せると、医療費が割引されたり、特別な支援を受けたりできるわけです。一方、手当は「毎月お金をもらう」という支援の形ですね。
実は、障害児福祉手当をもらうためには、身体障害者手帳や療育手帳を持っていることが条件になることが多いです。つまり、「手帳で障害が証明されている」→「その証明を基に、手当をもらう」という流れになっているんです。でも、手帳がなくても医師の診断書があれば手当がもらえることもあります。
生活保護との関係
もし親の家庭が生活保護を受けていたら、障害児福祉手当はどうなるのか、という質問がありますね。実は、生活保護を受けている場合、障害児福祉手当をもらった分は「収入」として扱われるので、その分生活保護の支給額が減ります。つまり、手当がもらえても、生活保護費が減ってしまうので、実質的には家庭の収入が増えないわけです。
ただし、生活保護を受けていない、でも経済的に困っている、という家庭であれば、障害児福祉手当は直接入ってくるお金なので、家庭の経済状況を大きく改善することができますね。つまり「生活保護を受けていない、障害児福祉手当の対象の家庭が、この手当から最も恩恵を受ける」ということが言えるんです。
