友だちが作ったゲームのキャラクターデザインが、他の人が発表した作品にそっくりだったり、スマホアプリの機能が他社の製品と似ていてトラブルになったり、SNSで「これ、あの企業のやり方をマネしてない?」みたいな話を見かけたことはありませんか?こういった場合「特許侵害」という法律問題が関わっていることもあります。「発明」って聞くと大げさに聞こえるけど、実は身の回りのいろんなものが守られているんです。この記事を読めば、特許侵害がどういうものなのか、なぜそれがダメなのか、そして自分の創作物をどう守るのかがわかりますよ。
- 特許侵害とは、発明者の許可なく、その発明を真似することです
- 機械だけじゃなく、技術ややり方など広い範囲が守られています
- 先に申請した人が権利を持つので、時間差が大切です
もうちょっと詳しく
日本では、新しい発明は「特許庁」という役所に申請することで保護されます。申請してから約1年半で審査が始まり、「本当に新しいのか」「本当に役に立つのか」が調べられるんです。審査に合格すれば、その発明は20年間(種類によって異なる)、発明者だけが独占的に使える権利が得られます。もし他の人や企業がその期間中にマネをしたら、それが「特許侵害」になって、訴えられる可能性があります。実は身の回りの製品の多くは、こうした特許で守られているんです。
特許は自動的には守られません。自分で申請して初めて権利が生まれるんです
⚠️ よくある勘違い
→ 実は先に申請した人のものになります。同時に思いついても関係ないんです
→ その通り。企業がすぐに申請するのはこのためです
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特許侵害とは、他人の発明を勝手に使うこと
特許侵害をもう少し詳しく説明すると「他人が特許を持っている発明を、その人に許可をもらわないで、製造したり、売ったり、使ったりすること」です。ここで大事なポイントは「勝手に」というところです。もし発明者に「使っていいですか?」と聞いて、「いいよ」と言われたら、それは侵害ではありません。でも許可なくやったら、それはアウトなんです。
例を出すと、ある化粧品メーカーが「毛穴の汚れを吸い取る特殊な泡」という新しい技術を発明したとしましょう。その会社が特許を取ったら、他の化粧品メーカーは同じような泡を使った製品を売ることができなくなります。もしライバル企業がこっそり同じ技術を使って製品を売ったら、それが特許侵害になってしまうわけです。発明者には「これは自分のもの」という独占的な権利があるから、他の人が勝手に使うのはダメなんですね。
ただし、ここで勘違いしやすいのが「似ているだけではダメ」ということです。全く同じやり方でないと侵害に当たらないわけではなく、「本質的に同じ技術」なら侵害になる可能性があります。例えば、髪を染めるのに「赤と青の液を混ぜる方法」で特許を取っていたら、他の会社が「同じように赤と青の液を混ぜるけど、混ぜる順序が逆」という方法を使っても侵害になるかもしれません。なぜなら、「赤と青を混ぜる」という本質は同じだからです。
日本だけでなく、アメリカやヨーロッパなど、ほぼ全ての国で特許制度があります。だから、ある国で特許を取った発明は、その国では守られますが、他の国では守られません。これも大事なポイントです。例えば、日本でスマホの新しい画面技術の特許を取っても、中国では別に申請しないと守られないんです。だから大きな企業は、複数の国で特許を申請するんですよ。
なぜ特許侵害は起きるのか:誰でも陥りやすい落とし穴
特許侵害がなぜ起きるのかというと、実は「知らずにやってしまう」というケースが結構あるんです。例えば、ある企業が新しい機能を思いついたと思い込んで開発したのに、実は誰かがすでに特許を取っていた、みたいなことです。インターネットで似たような商品を見かけても「たまたまかな」くらいに思って、特許を調べずに開発してしまうんですね。
もう一つの理由は「その技術が常識だと思い込むこと」です。例えば、「スマホの画面をタップして操作する」というのは今や常識ですよね。でも、もし誰かがこの技術に特許を持っていたら、新しいスマホメーカーもこの方法を使うわけにはいかなくなります。もちろん、基本的な技術は多くの企業が共有できるようになっていますが、「え、これも特許があるの?」みたいなものは結構あるんです。
また、海外の小さな企業や個人が取った特許まで全てチェックするのは、実際には難しいんです。大企業でも「気付かなかった」ということがあります。ただし「知らなかった」では言い訳にならず、侵害は侵害なんです。だから企業は製品を出す前に、「特許の調査」という作業をするんですよ。専門家を雇って「これって誰か特許を取ってないかな」と調べるわけです。
個人の発明者でも同じです。例えば、あなたが何か新しい工夫を思いついて、それをSNSで発表したとします。もし誰かがすでに特許を持っていたら、あなたはその人に訴えられる可能性があります。自分の発明だと思い込んでいても、世界中の人が同じことを考えているかもしれないんですね。だから「自分の発明かな」と思ったら、まず「これってもう誰か特許持ってない?」と調べるのが大事なんです。
特許侵害の具体例:身の回りで起きているトラブル
実際にはどんな特許侵害が起きているのか、具体例を見てみましょう。まず有名なのがスマートフォンの分野です。アップルというアメリカの企業が「タッチスクリーン」や「スワイプ操作」に関連した特許をいくつも持っていますよね。だから他のメーカーがスマホを作る時は、この特許を避けるような工夫をしなきゃいけません。もし同じような操作方法を使ったら、訴えられる可能性があるわけです。実は、スマホ業界ではこうした特許争いが何年も続いています。
別の例として、医薬品の特許侵害があります。ある薬の製造方法に特許があると、その特許が切れるまで、他の製薬会社は同じ方法でジェネリック医薬品を作ることができません。ジェネリック医薬品というのは「効き目は同じだけど、もう特許が切れたから安く売れる医薬品」のことです。つまり、特許で護られている期間は、開発した企業だけが高い値段で売ることができるんですね。
食品業界でも特許侵害は起きます。例えば「ある独特の製造方法で作ったお菓子」に特許があるとします。その方法を知った別のメーカーが「我々も同じように作ろう」と思っても、特許のせいでできないんです。もし勝手にやったら侵害になります。スーパーで売られているお菓子の多くは、こうした特許の上に成り立っているんですよ。
ソフトウェアやアプリの世界でも同じです。例えば、ある企業が「写真を加工する新しい方法」を特許にしたら、他のアプリ企業はその方法を使えなくなります。SNSで有名なフィルター機能とか、加工の工夫とか、実は特許で守られているものが結構あります。でも使う側(つまり私たちユーザー)は、そんなことを気にせず使っているんですね。企業側が責任を持って、許可を取ったり、ライセンス料を払ったりしているから、私たちは安心して使えるわけです。
特許侵害をされた時はどうなるのか:やられた側の苦労
では、もし自分の発明が特許侵害されたら、どうなるのでしょうか?まず言えることは「放っておけば大変になる」ということです。なぜなら、侵害している企業や個人は、あなたの許可なく利益を得ているわけだからです。その間、あなたは損をし続けています。
発明者がとれる最初の手段は「警告」です。つまり「あなたは私の特許を侵害しています。やめてください」という通知を相手に送るんです。メールでも手紙でも、弁護士を通じたりします。多くの場合、これで相手は「あ、特許があったのか」と気付いて、やめてしまいます。知らずにやっていた場合は特に、「ごめんなさい」ってなるわけです。
ただし、相手が無視して続けた場合、発明者は「裁判」を起こすことができます。これは「あなたの行為は違法だから、やめさせてください。そして、これまでの損害賠償をください」という裁判です。日本の裁判所が「あなたが正しい」と判断すれば、相手に「製造や販売をやめなさい」という命令が下されます。同時に、これまでに侵害者が得た利益の一部を、発明者に払わせるんです。
実は特許侵害による損害賠償は、結構大きなお金になることが多いです。例えば、ある企業がスマートフォンの重要な技術を侵害していたら、判決で数百万円から数十億円の賠償金を払うことになるかもしれません。だから大企業は、新しい製品を出す前に必ず「これって特許侵害してないかな」と調べるんですよ。
また、国によって特許の強さが違います。アメリカの特許は日本の特許より強い傾向があり、裁判で負けたときの賠償金も大きくなることがあります。だから企業が重要な発明をした時は、日本だけじゃなくアメリカやヨーロッパでも特許を取るわけです。全世界でビジネスをする企業なら、特許の申請も全世界規模でやるんですね。
自分の発明を守るために:やるべきこと
では、もし自分が何か発明をしたら、どうやって守ればいいのでしょうか?答えは「特許を申請する」ことです。ただし、ここで注意が必要です。発明が世に出る前に申請しなきゃダメということです。例えば、あなたが新しいおもちゃの仕組みを思いついたとします。その時点では、誰もそのおもちゃを知りません。ここで申請すれば、あなたが最初の発明者として登録されるんです。でも、もし発表してから申請したら、「あ、もう世に出ちゃったから、もう誰でも知ってる技術じゃん」ということで、特許が認められない可能性があります。だから「思いついたら、まず申請」というのが原則なんですね。
申請の流れを簡単に説明すると、まず「特許庁に書類を出す」んです。書類には「発明が何なのか」「どうやってやるのか」「なぜこれが新しいのか」を詳しく書きます。すると、特許庁の審査官が「これって本当に新しいのか」「本当に役に立つのか」を調べるんです。世界中の特許データベースを検索して「あ、これ誰か取ってるじゃん」って見つかったら、認められません。でも「あ、これは本当に新しいな」って思ったら、「あなたの特許が認められました」となるわけです。
申請にはお金がかかります。日本での申請なら数万円程度で、審査を受けるために数万円、認められたら維持費が毎年かかります。大企業なら当たり前にやってることですが、個人発明者だと「申請できるのかな」と思うかもしれません。でも、個人でも申請できます。ただし、弁護士や特許の専門家を雇うと、さらにお金がかかります。だから個人で申請することもあるんです。
もう一つ大事なことは「秘密にすること」です。発明を申請する前に、SNSで発表したり、友だちにしゃべったり、企業に売り込んだりしちゃダメです。なぜなら「もう世に出ちゃったから、誰でも知ってる」ってことになって、特許が認められなくなるからです。だから、本当に良い発明をしたなら「申請するまでは口外厳禁」なんですね。企業の研究員が新しい発明をしても、発表は申請が終わった後、という流れが多いです。
最後に、特許を取った後のことです。特許を取ったら、その権利を「他人に売る」こともできます。例えば、大手企業が「その技術が欲しい」と言ってきたら、「ライセンス料をください」と言える権利が生まれるわけです。個人発明者が特許を売って、大金を得るというケースもあります。また、複数の企業が同じような技術を持つ場合、「これを一緒に使えるようにしよう」と協力することもあります。つまり、特許を取ることで、ビジネスのチャンスが広がるんですね。
