メンバーシップ型って何?わかりやすく解説

「なんで日本の会社って、入社するときに何の仕事をするか決まってないの?」って思ったことない? 海外のドラマを見てると「マーケティング担当として採用」とか「エンジニアとして契約」ってはっきりしてるのに、日本って「とりあえず入社して、配属は後で決めます」みたいなことが多いよね。この不思議な採用のしくみには、ちゃんと名前があって、「メンバーシップ型」って呼ばれてるんだ。この記事を読めば、日本独特のこの働き方のしくみが、なぜ生まれてどんな特徴があるのかがスッキりわかるよ。

日本の会社って「メンバーシップ型」って言われてるって聞いたんだけど、メンバーシップってなんのこと? 会員みたいなもの?

いい感覚だよ! まさに「会員になる」に近いイメージなんだ。メンバーシップ型っていうのは、「この仕事をやってもらうために雇う」じゃなくて、「うちの会社のメンバーとして迎え入れる」という考え方で採用するしくみのことだよ。スポーツチームで言うと、「ポジションはとりあえず入部してから決めよう」って感じで部員を受け入れるイメージだね。
じゃあ逆に、仕事内容を決めてから雇うやり方もあるってこと?

そう、それがジョブ型っていうやり方! 「プログラマーを1人募集」「経理担当が必要」みたいに、仕事の内容・給料・勤務場所をあらかじめ決めておいてから人を募集するんだ。欧米の会社はこっちが主流だよ。メンバーシップ型とジョブ型は、いわば「人ありき」か「仕事ありき」かの違いなんだね。
メンバーシップ型だと、入社してから急に「来月から大阪に転勤ね」とかってなるの? それちょっとこわくない?

するどい! メンバーシップ型の会社では、会社側が異動・転勤・部署替えを命じる権限を持つことが多いんだ。「会社のメンバー」として雇われてるから、会社の都合で動かしやすいしくみになってるんだよね。嫌だなって思う人もいれば、「色んな仕事を経験できる」って好きな人もいる。どっちもメリットとデメリットがあるってことだね。
なんで日本はそのやり方が多いの? 昔からそうなの?

実は戦後の高度経済成長期(つまり日本がぐんぐん豊かになってた1950〜70年代)に広まったんだ。当時は会社もどんどん大きくなるから、人材を長く育てて会社に定着してもらう必要があった。そこで「一度入社したら定年まで雇い続ける」終身雇用とセットで、このメンバーシップ型が根付いたんだよ。日本の文化や歴史と深く結びついてるしくみなんだね。
📝 3行でまとめると
  1. メンバーシップ型とは、仕事内容より先に「人」を採用する 日本独特の雇用スタイル のこと
  2. 会社のメンバーとして入るため、 異動・転勤・部署替え が会社の判断で行われやすい
  3. 戦後の 終身雇用・年功序列 の文化とセットで発展してきた、日本の働き方の根幹にある考え方
目次

もうちょっと詳しく

メンバーシップ型雇用は、正式には「日本型雇用システム」とも呼ばれる雇用のしくみだよ。このしくみのポイントは「人を雇う=その人の時間と能力をまるごと会社に預けてもらう」という考え方にあるんだ。だから働く場所も、仕事の内容も、勤務時間も、会社がある程度自由に決められる。その代わり、会社は「よほどのことがない限り解雇しない」という安心感を提供するしくみになってるんだ。つまり、社員は「安定」を得る代わりに「自由」を会社に預ける、という関係性なんだよ。最近は「ジョブ型に切り替えよう」という動きも出てきてるけど、日本の大企業の多くはまだメンバーシップ型を続けているのが現実なんだ。

💡 ポイント
メンバーシップ型=「会社のメンバー」として雇われるしくみ。仕事より人が先!

⚠️ よくある勘違い

❌ 「メンバーシップ型は古くて悪いしくみだ」
→ 新しいしくみ=正しい、古いしくみ=悪い、とは言えないよ。メンバーシップ型には「雇用の安定」「色んな仕事を経験できる」というメリットもあるんだ。
⭕ 「メンバーシップ型とジョブ型はどちらも一長一短がある」
→ ジョブ型だと専門スキルは高まるけど、その仕事がなくなれば雇用も不安定になりやすい。どちらが合うかは会社の性質や個人の価値観による。
なるほど〜、あーそういうことか!

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メンバーシップ型とは何か? 基本をわかりやすく解説

「メンバーシップ型」という言葉、就職活動のニュースや経済の授業で聞いたことがある人もいるかもしれないね。でも「なんとなくわかるけど、ちゃんとは説明できない」って人が多いはずだから、まず基本からしっかり整理してみよう。

「仕事に人をつける」か「人に仕事をつける」か

世界の雇用のしくみは大きく2つに分けられるよ。ひとつは「この仕事をやる人を探そう」という考え方、もうひとつは「まず人を雇って、仕事は後で決めよう」という考え方だ。前者をジョブ型、後者をメンバーシップ型と呼ぶんだ。

たとえば、学校の部活で考えてみよう。ジョブ型はバスケ部で「3ポイントシュートが得意な選手を1名募集!」みたいなイメージ。対してメンバーシップ型は「とにかく部員として入部して、ポジションは練習しながら決めていこう」という感じだよ。日本の会社のほとんどは、この「まず仲間に入れる」メンバーシップ型でやってきたんだ。

採用時に「職務内容」を決めないのが特徴

メンバーシップ型では、採用する段階で「この人に何の仕事をしてもらうか」を細かく決めないことが多いよ。「営業部配属」とか「研究開発部門」みたいな大まかな方向性は決まることもあるけど、具体的な仕事の中身、勤務する場所、担当する業務の範囲などは、入社してから会社の都合で決まっていく。これが「人ありき」の採用スタイルの核心なんだよ。大学を卒業したら一斉に採用する「新卒一括採用」も、このメンバーシップ型と深く結びついたしくみなんだ。

メンバーシップ型が生まれた歴史的な背景

メンバーシップ型は、ある日突然誰かが「こうしよう!」と決めたわけじゃなくて、日本の歴史の流れの中で自然に育ってきたしくみなんだ。その背景を知ると、「なぜ日本だけこうなったのか」がよくわかるよ。

高度経済成長期に根付いたしくみ

第二次世界大戦が終わった後、日本は急速に経済を立て直していったんだ(これを「高度経済成長」っていうよ)。工場がどんどん建てられ、会社がどんどん大きくなっていく中で、会社には「長く働いてくれる人材」が必要だった。そこで「一度入ったら定年まで面倒みるよ」という終身雇用(つまり一生同じ会社で働く慣行のこと)が広まったんだ。

年功序列とのセットで機能してきた

メンバーシップ型と一緒に広まったのが年功序列(つまり勤続年数が長いほど給料や役職が上がるしくみのこと)だよ。若いうちは給料を抑えて長く働いてもらい、ベテランになったら給料を増やすという約束を会社が暗黙でしてきたんだ。「長くいれば報われる」という安心感が、社員を会社につなぎとめてきたわけだね。このセットがうまく機能していた時代は、会社も社員もハッピーな関係だったと言えるよ。

バブル崩壊後にほころびが見え始めた

1990年代にバブル経済が崩壊して(つまり土地や株の値段がバブルのように膨らんで、それが弾けて一気に不景気になった出来事のこと)、会社の業績が悪化すると「終身雇用を守り続けるのが難しい」という状況になってきたんだ。それでも日本社会には「解雇はできるだけしない」という文化が根強く残って、メンバーシップ型は今も多くの大企業で続いているんだよ。

メンバーシップ型の3大特徴を整理しよう

メンバーシップ型雇用には、他の雇用スタイルと比べてとくに目立つ特徴が3つあるよ。これをおさえると、日本の職場で起きていることがぐっと理解しやすくなるはずだ。

特徴① 異動・転勤が会社の命令で行われる

メンバーシップ型の社員は「会社のメンバー」として雇われているから、どこの部署で何の仕事をするかは基本的に会社が決めるよ。「来年から北海道の支社に転勤して」「営業部から人事部に異動してほしい」というような辞令(つまり会社からの正式な命令書のこと)が突然来ることも珍しくない。拒否すると「命令に従わない」として問題になることもある。仕事の自由度は低いけれど、「どこかの部署で必ず使ってもらえる」という安心感はあるね。

特徴② 専門性より「なんでもできる人」が評価されやすい

色んな部署をぐるぐると異動するしくみなので、「この分野だけめちゃくちゃ詳しい」という専門家タイプより、「営業も経理も人事も一通りわかる」というゼネラリスト(つまり幅広い知識をもつ万能型の人材のこと)が評価されやすい傾向があるんだ。よく「社内政治が得意な人が出世する」と言われるのも、このしくみと関係があるよ。

特徴③ 解雇されにくいが、辞めても損しやすい

会社が一方的に社員をクビにする「整理解雇」は、日本では法律上かなり厳しい条件が必要でハードルが高いんだ(これを解雇規制という)。だから「よほどのことがない限り解雇されない」という安心感がある。でも逆に、自分から会社を辞めると退職金が少なくなったり、次の会社でもまた下からのスタートになったりすることが多い。つまり「一度乗ったら降りにくい」乗り物みたいなしくみなんだよ。

メンバーシップ型のメリットとデメリット

どんなしくみにも良い面と悪い面があるよ。メンバーシップ型も例外じゃない。ここでは社員側と会社側、それぞれの視点から整理してみよう。

社員側のメリット:安定・成長・帰属意識

まず「雇用が安定している」のは大きなメリットだよ。景気が悪くなっても簡単にはクビにならないから、ローンを組んで家を買ったり、長期的な生活設計を立てたりしやすいんだ。また「色んな部署を経験できる」から、会社全体の仕組みをわかったうえでマネジメントができる人材に育ちやすいという面もあるよ。さらに「この会社の一員だ」という仲間意識・帰属意識(つまり組織への愛着・所属感のこと)が生まれやすいのも特徴だね。

社員側のデメリット:自由が少なく、専門性が身につきにくい

一方で「自分のやりたい仕事ができない」「転勤したくないのにさせられる」という不満も大きい。また同じ会社内でいろんな仕事を少しずつかじることになるから、「この分野のプロ」として市場で評価されるスキルが身につきにくいというデメリットもあるんだ。転職市場で「あなたの専門は何ですか?」と聞かれたとき、答えに詰まってしまう人が多いのはこのためだよ。

会社側のメリットとデメリット

会社側からすると、「人材を長く育てられる」「人員配置を柔軟に変えられる」というメリットがあるよ。でも一度雇ったら簡単に解雇できないから、「仕事ができない人でもずっと給料を払い続けないといけない」というコスト面の問題も抱えてしまうんだ。また優秀な人が「もっと専門性を活かしたい」と思っても転職を引き留めにくいという課題もある。

今、メンバーシップ型はどう変わろうとしているのか

近年、日本の働き方は大きな転換点を迎えているんだ。「メンバーシップ型からジョブ型へ」という動きが、政府も含めてどんどん出てきているよ。最後にその流れを確認しておこう。

大企業でジョブ型への転換が進んでいる

富士通・日立製作所・資生堂など、有名な大企業がここ数年でジョブ型の導入を発表しているんだ。とくに管理職以上や専門職については「職務内容を明確にして採用・評価する」という方向にシフトしてきているよ。背景には「グローバルな競争に勝つには専門性の高い人材が必要」「優秀なエンジニアを高い給料で採りたい」という企業側の事情があるんだ。

でも、すぐには全部変わらない

とはいえ、日本全体がいきなりジョブ型に変わるわけじゃないよ。「新卒一括採用」「年功序列」「解雇規制」はまだ多くの会社で続いているし、法律の仕組みや会社の文化を変えるには時間がかかるんだ。多くの会社が「メンバーシップ型とジョブ型を組み合わせたハイブリッド型」をめざしているのが現状だよ。

働く人として知っておくべきこと

これから就職・転職を考える人にとって大事なのは、「自分が入ろうとしている会社はメンバーシップ型か、ジョブ型か」を意識することだよ。メンバーシップ型の会社なら「安定を得る代わりに、ある程度会社の都合に合わせる覚悟が必要」。ジョブ型の会社なら「専門スキルをしっかり磨いて、市場で評価される人材になることが求められる」。どちらが良いではなく、自分の価値観やライフスタイルに合った選択をすることが大事なんだ。メンバーシップ型を理解しておくことは、日本で働くうえでの「基礎知識」と言っても過言じゃないよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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