無線LANって何?わかりやすく解説

家のWi-Fiが遅いな…と感じたことありませんか?スマホやパソコンをどこでも使いたいのに、ケーブルでつながなきゃいけないなんて不便…って思ったことありませんか?その便利さを実現しているのが「無線LAN」です。この記事を読めば、自分の周りにある無線LANがどんなものなのか、どうやって動いているのか、すべてがわかるようになりますよ。

先生、「無線LAN」ってよく聞くんですけど、正確には何ですか?

いい質問だね。無線LANというのは、つまりケーブルを使わずに、電波で機器同士がつながる通信システムのことだよ。LAN(ラン)というのは「Local Area Network」の略で、「近い範囲内での通信ネットワーク」という意味。だから「ケーブルなしで、近い範囲の機器同士をつなぐ」ってわけ。
あ、だから「Wi-Fi」って言ったり「無線LAN」って言ったりするんですね。同じ物?

ほぼ同じと思ってもいいけど、正確には違うんだ。無線LANは技術全体の話で、Wi-Fiはそのなかでも「きちんと基準を満たしている無線LAN」のことを指す。つまり、すべてのWi-Fiは無線LANだけど、すべての無線LANがWi-Fiとは限らないってわけ。スーパーとお菓子の関係みたいな感じ。
なるほど!では、家に「Wi-Fiルーター」があるのはなぜですか?

いいところに気づいたね。Wi-Fiルーターは、インターネットの線(有線)から受け取った信号を、電波に変えて周りに発信する機械なんだ。ルーターという名前は「道を示す」という意味で、データがどこへ行くべきかを案内する仕事をしてるから。スマホやパソコンは、そのルーターが出している電波をキャッチして、インターネットにつながるってわけ。
📝 3行でまとめると
  1. 無線LANはケーブルなしで電波を使う通信で、Wi-Fiはその標準規格のこと
  2. 家のWi-Fiルーターが電波を発信する装置で、スマホなどがそれをキャッチする
  3. インターネットをどこからでも使いたいという課題を解決する技術
目次

もうちょっと詳しく

無線LANの核心を理解するには、「有線」と「無線」の違いを知ることが大事です。有線LANというのは、つまりケーブル(LAN 線)を使ってインターネットにつなぐ方法。パソコンのポート(穴)にケーブルをぶっ刺して通信するわけです。一方、無線LANは、その「ケーブルの代わりに電波を使う」という発想。電波なら目に見えないし、壁を通り抜けたり、空間に広がったりするから、ケーブルを引き回さなくても大丈夫。だから、スマホみたいに色々な場所で使う機器に最適なんですよ。

💡 ポイント
有線より遅いと思われることもあるけど、最新の無線LANの速度は有線に負けず劣らずです

⚠️ よくある勘違い

❌ 「無線LANとWi-Fiは全く別の物」
→ Wi-Fiは無線LANの一種だから、完全に別ではありません。無線LANが大きなカテゴリーで、Wi-Fiはその中の一つの基準です。
⭕ 「Wi-FiはIEEE 802.11という標準規格に対応した無線LAN」
→ 正しくはこう理解します。いろいろな企業が無線LAN製品を作っても、ちゃんと通信できるように「基準」が決められていて、それがWi-Fiという名前で呼ばれています。
なるほど〜、あーそういうことか!

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無線LANが誕生した背景:なぜケーブルをなくしたかったのか

今でこそスマホやタブレットは当たり前ですが、昔はそういう機器がありませんでした。パソコンもデスクトップ型で、机の上に固定されていたわけです。デスクトップパソコンなら、LANケーブルを刺しっぱなしにしておいても問題ありませんでした。しかし1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ノートパソコンが普及し始めたんです。

ノートパソコンというのは、つまり「持ち運べるパソコン」。でも当時は、インターネットに接続するためにはLANケーブルを挿さなきゃいけなかった。リビングにいるときはケーブルが届く位置に置き、別の部屋に移動するときはケーブルを抜いて… こんな面倒くさいやり方では、本当の意味で「持ち運べる」とは言えませんよね。

それに、企業でも同じ問題がありました。会議室ごとにケーブルを引っ張るなんて、工事が大変だし、机の上もケーブルだらけになっちゃう。そこで考えられたのが「電波を使って、ケーブルなしでデータをやり取りする技術」つまり無線LANです。

ケーブルなしでもデータが届く仕組み

「でも、ケーブルなしでデータがちゃんと届くの?」って疑問が出てくるかもしれません。実は、電波というのは、光や音と同じく「波」として空間を伝わるものなんです。ラジオやテレビ放送と同じ原理。違う点は、無線LANが使う電波の周波数(つまり波の細かさ)と、データの中身です。

具体的には、データを細かく分割して、電波に乗せて送信します。スマホやパソコンのWi-Fiアンテナが、その電波をキャッチして、元のデータに組み立て直すんです。これが起こるのが、ほぼ光の速度に近いスピードで。だから、目には見えませんが、数メートル離れた場所に、物凄い勢いでデータが届いているってわけ。

なぜ「電波」を選んだのか

技術者たちが無線LANを発明したとき、電波を選んだ理由は何だと思いますか?それは、電波が「目に見えない」「壁を通り抜ける」「一度に複数の機器に届く」という特性を持っていたからです。

例えば、赤外線(リモコンみたいに直線的に進む)なら、何か物が邪魔になると通信が遮断されちゃいます。でも電波なら、壁があってもある程度は通り抜けるし、複雑に折れ曲がって目的地に届きます。これはちょうど、音が部屋の壁を通り抜けて聞こえてくるのと似ています。高い周波数の電波を使うことで、たくさんのデータを高速に送れるようになったんです。

無線LANの仕組み:電波がどうやってデータを運ぶのか

ここまでで、無線LANが「電波でデータを送る技術」だということが分かりました。では具体的に、その電波はどうやってデータを運んでいるんでしょうか。これを理解するには、「変調」という考え方が大事です。

データを電波に乗せる「変調」という技術

パソコンやスマホが扱うデータというのは、「0」と「1」という数字の並び(つまりデジタルデータ)です。一方、電波というのは、「波」という物理的な現象。そっこで問題が発生します。「0と1」という情報を、どうやって「波」に乗せるのか?

答えは「変調」という技術です。変調というのは、つまり「元の波を、データに合わせて変形させること」。いくつかの方法があります。

一つは「振幅変調」。これは、波の大きさを変えるやり方。データが「1」なら大きな波、「0」なら小さな波、という具合に。もう一つは「周波数変調」。波が上下する回数(周波数)を変えるやり方です。そして最も一般的な「位相変調」は、波のタイミングをずらすやり方。これらを組み合わせることで、複雑なデータを電波に載せることができるんです。

具体例で考えると、テレビのリモコンの赤外線をイメージしてください。リモコンが発する赤外線は、点灯・消灯のパターンで、「電源オン」というデータを送信しています。無線LANも同じ原理。電波の強弱やタイミングを変えることで、「0」と「1」の情報を送っているわけです。

Wi-Fiルーターが中心となる通信

では、実際に家のWi-Fiネットワークがどう動いているのか、順を追って説明しましょう。

まず、Wi-Fiルーターというのは、インターネットプロバイダーから来たケーブル(有線)を受け取ります。そのケーブルを通じてインターネットの信号が入ってくるわけです。ルーターはその信号を処理して、「スマホの方へ何かデータを送りたい」「パソコンからデータをもらいたい」という指示を、電波に乗せて周りに放送します。

スマホやパソコンは、そのルーターが出している電波を「探査(さくさ)」するんです。つまり「あ、Wi-Fiルーターがこっちにある」と気付いて、自分からルーターに接続を申し込みます。これを「ハンドシェイク」と呼ぶこともあります。友達同士が手を握って約束するみたいに、機器同士が「これからデータをやり取りしようね」って合意するわけです。

接続が確立したら、スマホやパソコンが「YouTubeの動画を見たい」というデータを送信します。ルーターはそれを受け取って、インターネットの向こう側のYouTubeのサーバーに「このスマホが動画をリクエストしています」という情報を送ります。すると動画データがルーターに返ってきて、ルーターがそれを再び電波に乗せてスマホに送信する。この往復が数百万回、数秒のうちに起こることで、動画がスムーズに再生されるんです。

複数の機器が同時につながる仕組み

「でも、スマホとパソコンが同時にWi-Fiを使ったら、どうなるの?」という疑問も出てくるでしょう。実は、Wi-Fiルーターは複数の機器からの通信を、物凄い速度で「切り替え」ながら処理しているんです。

身近な例で言うと、学校の先生が、何人もの生徒からの質問を、次々と聞いて答えるみたいな感じ。「Aさんの質問に答える→Bさんの質問に答える→Cさんの質問に答える→また Aさんに戻る」という風に、物凄い速度で回転させているわけです。もちろん、ルーターの性能によって、同時に処理できる機器の数や速度は変わります。古いルーターなら遅くなるし、新しい高性能なルーターなら快適に複数の機器を扱えるってわけですね。

無線LANの種類と規格:802.11 という基準の話

家のWi-Fiルーターの箱を見ると、「IEEE 802.11ac対応」みたいな表記が書いてあることがあります。これ、何のことだと思いますか?実は、無線LANの「ルール」を決めた基準の名前なんです。この基準があることで、どのメーカーの製品でも同じように通信できるようになっているんですよ。

802.11a/b/g/n:無線LANの進化の歴史

無線LANが最初に発明されたとき、速度は遅いものでした。でも技術が進むにつれて、どんどん速くなっていったんです。その歴史を知ると、今の無線LANがどれほど優れているのか分かります。

一番最初は「802.11b」という規格。これは1999年くらいにできて、最大速度が11Mbps(メガビットパーセコンド。つまり1秒間に11メガビットのデータが送れる)でした。「あ、インターネットできるじゃん!」という程度の速度ですね。YouTubeなんて見られません。

その次が「802.11a」と「802.11g」です。Aは54Mbps、Gも54Mbpsですが、使う周波数が違います。周波数というのは、電波の細かさのこと。周波数が高いほど、たくさんのデータを高速に送れるけど、壁を通りにくくなります。Aは高周波で高速だけど距離に弱く、Gは低周波で距離に強いけど比較的遅いという特徴がありました。

次が「802.11n」。これは2009年くらいにできて、最大速度が150Mbps、後に450Mbpsまで進化しました。これでようやく、YouTubeを快適に見られるようになったんです。

最新の802.11ac/ax:いま一般的な規格

今、ほとんどの家のWi-Fiルーターは「802.11ac」という規格を使っています。これは最大速度が1.3Gbps(ギガビット。つまり1,300Mbps)という高速で、4K動画もサクサク見られます。「ac」は「5GHz」という高周波を使っているので、干渉が少なく、複数の機器をつないでも安定しています。

そして最新は「802.11ax」。これはWi-Fi6という別名でも呼ばれていて、最大速度は9.6Gbpsという、もうダイアルアップ時代の人には想像もつかないほどの速度。ただし、この速度が出るのは、理想的な環境での話です。実際の家では、壁や他の電子機器の影響を受けるので、もっと遅くなります。

でも重要なのは、規格が新しいほど「同時に複数の機器をつないでも安定している」という点です。昔のルーターで10個のスマホをつなぐと大変なことになりますが、最新のWi-Fi6なら、スマホ・パソコン・タブレット・ゲーム機などが同時につながっていても、それぞれ快適に使えるんですよ。

周波数帯域:2.4GHzと5GHz の違い

無線LANを使う上で、もう一つ大事な知識が「周波数帯域」です。ルーターの設定画面を見ると、「2.4GHz」と「5GHz」という2つのネットワークが表示されることがあります。何が違うのか、説明しましょう。

「2.4GHz」というのは、低い周波数の電波を使うやり方。メリットは、壁をよく通り抜ける、遠い距離まで届く、古い機器でも対応している、という点。デメリットは、電子レンジとかBluetoothとか、他の機器も同じ周波数を使うので、干渉(つまり邪魔をされる)が起きやすい、という点。だから、同じ周波数帯で通信している複数の機器がいると、速度が落ちることがあるんです。

一方「5GHz」というのは、より高い周波数の電波を使うやり方。メリットは、他の機器との干渉が少ない、速度が速い、という点。デメリットは、壁を通りにくい、距離に弱い、古い機器は対応していないことがある、という点です。

つまり、自分の部屋がルーターから近い場合は5GHzの方が快適ですが、隣の部屋や、ルーターから遠い場所で使う場合は2.4GHzの方が安定している。だから、ルーターは2つの周波数帯を同時に放送してくれるんですよ。機器の方で「どの周波数を使いたいか」を選べるようになっているわけです。

無線LANのメリット・デメリット:何が便利で、何が大変なのか

ここまで読んだら、無線LANがどういう技術か、だいたい分かってきたと思います。では、実際に使ってみると、どんなメリットとデメリットがあるのか、整理してみましょう。

無線LANのメリット:なぜみんな使うのか

まず最大のメリットは「ケーブルがない」という自由度です。スマホはもちろん、ノートパソコンもタブレットも、リビングから寝室から、どこでも持ち運べる。スマホでYouTubeを見ながら、トイレに行ったり、お風呂に入ったり、庭に出たりできるわけです。ケーブルでつながれていたら、こんなことはできませんよね。

次のメリットは「工事が簡単」という点。有線LANを家中に引き直そうと思ったら、業者を呼んで壁に穴を開けたり、ケーブルを這わせたりと、大工事になります。でも無線LANなら、ルーターを置いて、スマホから接続するだけで完了。引っ越した先で、すぐにネット環境を作られるんです。

そして「複数の機器を同時につなげる」というメリットも大きい。有線LANだと、ポート(繋ぐ穴)の数が限られています。パソコン、ゲーム機、プリンター… いくつもの機器を使いたいなら、ハブという機械を買って拡張しなきゃいけません。でも無線LANなら、そんな面倒はなし。スマホだろうがタブレットだろうが、パソコンだろうが、みんな一度につなげます。

また、「導入コストが安い」というのも見逃せません。ルーター一台数千円あれば、家全体をカバーできます。その点、有線LANで家全体をカバーしようと思ったら、材料費や工事費で何倍もかかっちゃいます。

無線LANのデメリット:何が難しいのか

では、デメリットは何でしょうか。一番よく聞くのは「速度が遅い」という不満です。でも、これは古い情報。最新の無線LANの速度は、実は有線LANと変わらないレベルになっています。問題は、「距離が遠い」「壁が多い」「他の機器との干渉がある」という環境の方。ルーターから遠かったり、鉄筋の壁が間に何枚もあったりすると、電波が弱くなって遅くなるんですよ。

次のデメリットは「セキュリティ対策が必要」という点。有線LANなら、ケーブルを引っ張ってこない限り、他人は接続できません。でも無線LANの電波は空中を飛んでいるから、設定をいい加減にしていると、近所の人に勝手にネットを使われちゃう可能性があるんです。だから、パスワード(暗号化キー)を設定して、許可した機器だけがつながるようにしなきゃいけないんですね。

そして「干渉が起きることがある」というのも、有線LANにはないデメリット。電子レンジ、Bluetooth機器、別のWi-Fiルーターなど、同じ周波数を使っている機器が近くにあると、通信が邪魔されることがあります。だから、ルーターの置き場所を工夫したり、周波数帯を変えたりして、対策する必要があるんです。

また「接続が不安定になることがある」というのも、ユーザーを悩ませる問題。有線LANなら、接続していれば安定しています。でも無線LANは、電波の状態に左右されるから、突然切れちゃったり、つながったり切れたりを繰り返したり、という現象が起きることもあります。これを解決するには、ルーターの再起動や、機器の設定を見直したり、ということが必要になるんですよ。

無線LANと有線LANの使い分け

ここまでの説明を聞くと「じゃあ無線LANじゃなくて有線LANの方がいいのでは?」って思う人もいるでしょう。実は、賢い使い方というのは「両方を活用する」ことなんです。

例えば、パソコンでビデオ編集をするとか、大容量のファイルを転送するとか、「絶対に安定した、高速な接続が必要」という場合は有線LANを使う。一方、スマホを持ち歩きながら、リビングで動画を見るとか、外出先のカフェでネットをするとか、「自由度が大事」という場合は無線LANを使う。こうやって使い分けることで、両方の良さを活かせるってわけです。

実は、最新の家やオフィスでは、こういう使い分けが当たり前になっています。デスクトップパソコンやサーバーは有線LAN経由で、スマホやノートパソコンは無線LANで、という感じですね。両方あることで、システム全体が安定して、かつ便利になるんですよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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