テレビドラマでよく「家族が医者に何か指示している」シーンを見たことあるよね。実は、医療の現場には患者本人や家族が医者に対して出す重要な指示があるんだ。その中でも「DNR指示」は、自分の人生をどう終わらせたいかを決める、すごく大事なものなんだよ。この記事を読めば、DNR指示が何なのか、なぜそんなことが必要なのか、全部わかるようになるよ。
- DNR指示は患者さんが医者に出す指示で、心臓が止まっても無理に蘇生しないでほしいという意思表示のこと
- 重い病気の人が、苦しい治療より尊厳のある最期を望むときに使う重要な指示
- 患者本人が出すのが基本だけど、家族が本人の気持ちを代わって伝えることもできる
もうちょっと詳しく
DNR指示は、医療現場で「終末期医療」(つまり、病気がもう治らない状態での医療)を考えるときに出てくる大事な指示なんだ。医学が進んだおかげで、心臓が止まったり呼吸ができなくなった人も蘇生できるようになったんだよ。でもね、重い病気の人の場合、蘇生してもまた同じことが繰り返されたり、もっと苦しい治療が増えたりすることもあるんだ。そういうときに「自分の人生のラストを、どう迎えたいのか」を考えるために必要なのがDNR指示なんだよ。これは死を促進するものじゃなくて、患者さん自身が自分の人生と向き合うための仕組みなんだ。
DNR指示は「死を選ぶ」じゃなくて「自分らしい最期を選ぶ」という考え方が大事
⚠️ よくある勘違い
→ DNR指示があっても、医者は患者さんを全力で治療する。違うのは「心臓が止まったときの対応」だけ。他の医療行為は変わらない。
→ 心臓が止まったり呼吸ができなくなったときに、人工呼吸器や心臓マッサージをしないという指示。その他の治療は普通に受ける。
→ 日本では通常、重い病気で治療が無駄になる可能性が高い人が対象。健康な人がいきなり出すことはない。
→ 患者さんの気持ちと、医学的な状況を両方考えて、みんなで話し合って決めるもの。
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DNR指示は、自分の人生を自分で決める指示
「蘇生」って何をするのか知ってる?
まずね、蘇生(そせい)のことを説明しておくよ。つまり、もう動かなくなった心臓や呼吸を、医学の力でもう一度動かそうとすることなんだ。例えば、心臓が止まっちゃった人に対して、医者は何をするかというと、まず「心臓マッサージ」をするんだ。これは胸を強く押して、心臓に変わって血液を全身に送るという技術だよ。それでもダメなら、電気ショック(除細動って言う)で心臓を動かそうとするんだ。テレビドラマで「ドン」って音がして患者さんの体が浮き上がる場面、見たことあるよね。あれだよ。そしてダメなら、チューブを気管に入れて人工呼吸器をつけるんだ。つまり機械に生きることを助けてもらうということだね。
こういう「命がけの蘇生」は、昔は本当に珍しかったんだ。だけど医学が進んだから、今は誰にでもできるようになった。だからこそ、「本当に蘇生してほしいのか、それとも静かに最期を迎えたいのか」を考える必要が出てきたんだよ。
重い病気の人にとって、蘇生って苦しいことになることもある
ここが大事なポイントなんだけど、重い病気の人(例えば、もう治らないがんとか、体がボロボロになっちゃった人)が蘇生された場合、どうなると思う?心臓は一度は動きだすかもしれないんだけど、その人の体の根本的な病気は何も治ってないんだよ。だから、また心臓が止まっちゃうんだ。それが何度も何度も繰り返される。蘇生されるたびに、患者さんはすごく苦しい。肋骨が折れちゃうこともあるんだ。心臓マッサージはそれくらい力が必要なんだよ。そして最後には、もう蘇生できなくなって亡くなる。
そういう状況を考えると、「何度も苦しい思いをするより、今のまま静かに眠るように逝きたい」と願う気持ち、わかるよね。それがDNR指示につながるんだ。
患者さんの「尊厳」って大事にしたいってわけ
医学の話だけじゃなくて、ここには「人間の尊厳」という大事な考え方があるんだ。人間は誰でも、自分の人生のラストをどう迎えたいか、選ぶ権利があると思わない?例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが「あと数ヶ月の命だけど、苦しい治療はもう嫌だ。家族と一緒に静かに過ごしたい」って言ったら、そういう気持ちを尊重したいよね。
DNR指示は、そういう「自分の人生、自分で決めたい」という気持ちを医療現場で実現するための仕組みなんだ。患者さんが「私の最期は、医学的な完璧さより、自分らしさを大事にしてほしい」と言う権利があるんだよ。
日本でDNR指示が難しい理由
死の話が日本ではタブーになってる傾向
実は日本では、死の話をすることが「悪いこと」だと思われることがあるんだよ。そういう文化背景があるから、DNR指示を出すのが難しいんだ。患者さんもね「死を望んでるみたいで怖い」と感じたり、家族も「そんなこと言わない方がいい」と思ったりすることがあるんだ。
でもね、これってすごく大事な問題だから、最近は医者たちが「患者さんの気持ちを尊重しましょう」と呼びかけるようになってるんだ。家族と「もし重い病気になったら、どうしたいのか」を話し合う時間を持つことは、すごく大事だと医学会も認めてるよ。
家族の話し合いが大事
日本でDNR指示を実現するには、患者さんと家族と医者が、みんなで相談する「人生会議」(アドバンス・ケア・プランニングって言う)を行うことが必要なんだ。つまり「もし俺がこういう状態になったら、こうしてほしい」ということを、元気なうちに話し合っておくんだ。
例えばね、親が「もし寝たきりになって、食べ物も食べられなくなったら、延命治療はしないでほしい」って言ったら、子どもたちはそれを覚えておいて、実際にそういう状況になったときに医者に伝える。こうすることで、患者さん本人の気持ちが、実現されるんだよ。これって本当に大事な家族の時間だと思わない?
DNR指示と倫理・法律
日本の法律では明確に決まってない部分がある
アメリカとか外国では、DNR指示がしっかり法律で決まってるんだ。でも日本では、まだ法律がはっきり決まってないんだよ。だからね、医者によって、病院によって、対応が少し違うことがあるんだ。これって患者さんからしたら「本当に自分の気持ちが尊重されるのか、不安だ」って感じちゃうよね。
だからこそ、できれば「終活」(つまり、人生の終わりについて考えて準備すること)の一部として、家族とDNR指示について話し合っておくことが大事なんだ。そして医者にもはっきり伝えておくことで、いざというときに間違いが起きないようにするんだよ。
「患者さん中心」という医学の新しい流れ
昔の医学は「医者が全部決める」という感じだったんだ。でも今は「医者と患者さんと家族が一緒に決める」という考え方が強くなってるんだよ。これを「インフォームド・コンセント」って言う。つまり「医者が状況を説明して、患者さんが納得して、一緒に決める」ということだね。
DNR指示もこの流れの中で出てきた。医学が進んだ今だからこそ、「医学的に何ができるか」だけじゃなく「患者さんは何を望むか」が重要になってるんだ。これって、医学が患者さんを大事にする方向に進んでるってことだよね。
DNR指示を出すときに大事なこと
「終末期医療について話し合う」ための準備
もしあなたが「家族と死後のことについて話し合いたい」と思ったら、どうしたらいいと思う?実は、病院や施設によっては「人生会議」というカウンセリングを やってくれるんだ。社会福祉士とか、医者とか、看護師さんが、患者さんと家族の気持ちを聞いて、一緒に考えるんだよ。
大事なのは「死を覚悟する」んじゃなくて「自分たちの価値観を確認する」ってことなんだ。例えば「お母さんは、何よりも家族と一緒にいることが大事」って考える人なら、そういう条件で医療を受けたいって思うよね。逆に「何が何でも生き続けたい」って人もいるわけだ。どちらが正解じゃなくて、その人の気持ちが大事なんだよ。
書き残しておくことの大事さ
もう一つ大事なのは「書き残しておく」ことなんだ。日本では「リビングウィル」っていう「生前遺言」みたいなものがあるんだ。つまり、元気なうちに「もし自分がこういう状態になったら、こうしてほしい」って紙に書いて、保管しておくんだよ。
なぜかというと、人間は急に倒れちゃうこともあるからね。そういうときに「患者さんは何を望んでたのか」が、すぐにはわからないことがあるんだ。だから書き残しておくことで、家族や医者が患者さんの気持ちを知ることができるんだよ。これ、法的な力をどこまで持つかは国によって違うけど、家族間での理解を深めるには本当に大事なんだ。
医者とのコミュニケーションが一番大事
最後に一番大事なことを言うね。DNR指示が実現されるには「医者と患者さん(や家族)の信頼関係」が必要なんだ。医者が患者さんの気持ちを聞いて、患者さんも医者を信頼する。その上で「もしこういうことになったら、こうしてほしい」という約束ができるんだよ。
だからね、患者さんが元気なうちに「自分の最期について考えてることがある」って医者に相談することが大事なんだ。医者だって「あ、この患者さんはこういう気持ちなんだ」って知ることができるから、いざというときに間違いが起きないんだよ。これが、医療と患者さんが一緒に作る「その人らしい最期」につながるんだ。
