あなたが頭痛がしたり、友だちが脳腫瘍のニュースを見たときに「脳神経外科って何をする医者なんだろう?」って疑問に思ったことはありませんか?実は脳神経外科は、私たちの体のいちばん大切な脳を専門に守り、治す医学分野なんです。この記事を読めば、脳神経外科医がどんな仕事をしていて、どんな患者さんを治しているのか、すべてがわかるようになりますよ。
- 脳神経外科は、脳と神経系統の病気を手術で治す医学分野で、医者たちは脳の中の細かい問題を直すのが仕事です。
- 脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、脳のけがなど、様々な病気を治療し、最新の医療技術を使って正確な手術を行っています。
- 脳神経外科医になるには医学部から数えて13年程度の長い勉強と修行が必要ですが、それだけ重要で責任のある仕事なんです。
もうちょっと詳しく
脳神経外科という名前から「脳の病気全部を治す」と思ってしまう人もいますが、実は医者にはそれぞれ専門分野があるんです。脳神経外科の中にも、脳腫瘍に詳しい医者、脳の血管に詳しい医者、脊椎や脊髄に詳しい医者など、いろいろな「スペシャリスト」がいるんだよ。スポーツの世界で、野球選手の中でもピッチャーや捕手など役割が違うように、医者の世界でも同じなんですね。だから患者さんが来ると、医者たちはその患者さんの症状に合わせて、一番ふさわしい専門医に診てもらうようにするんです。
脳神経外科医の中にもいろいろな専門がある。患者さんの症状に合わせて最適な医者が治療する!
⚠️ よくある勘違い
→ 脳神経外科は手術が専門ですが、すべての脳の病気が手術で治るわけではありません。例えば、脳梗塞の初期段階では薬で治すことが多いです。また、脳神経内科という別の専門分野があって、そこは薬での治療を中心に行います。
→ 脳神経外科医は、脳の中の様々な病気のうち、特に手術で治す必要がある病気を診ます。診察の結果、手術が必要ない場合は薬での治療を勧めたり、他の医者に紹介したりします。
脳神経外科ってどんな医学分野?
脳神経外科は、簡単に言うと「脳と神経系統の問題を手術で直す医学分野」のこと。脳というのは、私たちの体で一番大切な器官です。なぜなら、脳は思考・記憶・感情・体の動きなど、ほぼすべてをコントロールしているからです。あなたが今この文章を読んでいるのも、朝起きて学校に行くのも、友だちと話すのも、全部脳が命令を出しているからなんだよ。
だから脳に問題が起きると、私たちの体全体に大きな影響が出てしまいます。例えば、脳腫瘍があると、頭痛や吐き気がしたり、視力が悪くなったりすることがあります。脳出血があると、体の片側が動かなくなることもあります。こういった病気を治すのが脳神経外科医の仕事なんです。
脳神経外科医が扱う「外科」とは?
医学には大きく分けて「内科」と「外科」があります。内科は、薬やリハビリなど「体の中から治す」方法を使う医学です。一方、外科は、手術などで「体の外から直す」方法を使う医学なんです。脳神経外科は名前に「外科」がついているから、手術を使って脳の病気を直すのが中心なんだよ。
でも「脳の手術」と聞くと、怖いイメージを持つ人も多いと思います。確かに、脳はすごく複雑で、重要な器官です。だから、手術をするときは本当に慎重に慎重を重ねます。医者たちは手術の前に何度も何度も計画を立てて、最新の医療機器を使って、命がけで患者さんを治そうと頑張っているんです。実は、脳神経外科医はとても難しい判断をしなくてはいけません。脳の中で、どこまで病気を取ってもいいのか、どこまで手術してはいけないのか、患者さんの命と生活の質のバランスを取りながら判断するんです。本当に大変な仕事ですが、それだけやりがいも大きいんだよ。
脳神経外科と脳神経内科の違い
脳の病気を治す医者には「脳神経外科医」と「脳神経内科医」の2種類がいます。この2つは何が違うのかというと、治療方法が違うんです。脳神経内科は、薬やリハビリなど「手術以外」の方法で脳の病気を治す医学分野です。つまり、脳神経内科医は薬を使ったり、患者さんのリハビリを手伝ったりして、脳の病気を治すんですね。
一方、脳神経外科医は、脳の中を直接開いて、手術で病気の部分を取り除いたり、問題を直したりするんです。例えるなら、脳神経内科医は「パソコンの動きが悪いときに、ソフトウェアを修理する人」で、脳神経外科医は「パソコンの中を開いて、ハードウェアを修理する人」みたいな感じですね。両方とも大切な仕事で、患者さんの症状に合わせて、どちらの医者に診てもらうかが決まるんです。
脳神経外科医は何をしているのか
脳神経外科医の一日はどんな感じなのか、想像できますか?実は、脳神経外科医の仕事は手術だけではないんです。
診察・検査
まず、患者さんの話を聞きます。「どんな症状がありますか?」「いつから頭痛がありますか?」「家族歴はありますか?」など、詳しく質問するんです。これは野球の監督が試合前に選手の状態をチェックするのと同じで、医者も患者さんのことをよく知ることが治療の第一歩なんですね。
次に、検査をします。脳の状態を見るために、CT(つまり、脳を輪切りにした写真を撮る機械)やMRI(つまり、脳の詳しい画像を撮る機械)を使って、脳の中の病気を見つけるんです。これらの検査で、医者は患者さんの脳に何が起きているかを判断します。
手術の計画・準備
手術が必要だと判断されたら、医者たちはチームで計画を立てます。「どこから脳に入るのか」「どうやって病気の部分を見つけるのか」「どうやって安全に取り除くのか」「手術後はどうなるのか」など、細かく計画するんです。これは遠足の前に先生が計画を立てるのと同じですね。詳しく計画することで、手術をより安全にすることができるんです。
また、手術の前に患者さんや家族に「手術について説明する」という大切な仕事もあります。「手術がどんなものか」「成功する確率」「失敗するリスク」「手術後の回復」など、医者は詳しく説明して、患者さんと家族が納得した上で手術をするんです。これは医者と患者さんの間の信頼を作る、とても大切なプロセスなんだよ。
手術
いよいよ手術の時間です。この時、脳神経外科医は本当に集中力を使います。脳の中はミリメートル単位で細かいんです。想像してください。人間の髪の毛の太さは約0.07ミリ。脳の中の大切な神経の束は、その数倍の太さしかないんです。こんなに細かいところを、医者は手術をしながら壊さないようにしなくてはいけません。だから、手術中は最新の顕微鏡や、時には内視鏡(つまり、小さいカメラを使って脳の中を見る道具)を使うんです。
また、手術中に患者さんが目覚めたままで手術することもあります。「目覚めたままの手術?」と驚くかもしれませんね。これは「覚醒下手術」と言って、患者さんに話しかけてもらいながら手術することで、脳のどの部分が大切かを確認する方法なんです。例えば、「この音が聞こえますか?」と聞いたり、「この指を動かしてみてください」と言ったりして、手術中に脳の大切な部分を傷つけていないかチェックするんですね。
手術後のサポート
手術が終わったら、脳神経外科医の仕事はまだ終わりません。患者さんが無事に回復するように、毎日様子を見に行きます。「痛みはないか」「体が動いているか」「気分は良いか」など、患者さんの状態をチェックするんです。もし何か問題が起きたら、すぐに対応しなくてはいけません。これは、親が赤ちゃんの誕生の後も、毎日お世話をするのと同じですね。医者にとっても、患者さんが元気に回復するのを見るのは、一番嬉しい瞬間なんだよ。
どんな病気を治すのか
脳神経外科医が治す病気はいろいろあります。どんなものがあるのか、見てみましょう。
脳腫瘍
脳の中にできた悪い細胞の塊のことを脳腫瘍と言います。つまり、がんみたいな悪い細胞が脳の中で育ってしまう状態ですね。脳腫瘍には、脳の中から生まれた「一次腫瘍」と、他の臓器のがんが脳に転移した「二次腫瘍」の2種類があります。脳腫瘍があると、頭痛、吐き気、けいれん、視力の低下など、いろいろな症状が出ます。脳神経外科医は、このような腫瘍を手術で取り除くんです。
脳腫瘍の手術は本当に難しいんです。なぜなら、腫瘍の周りには脳のとても大切な部分がいっぱいあるからです。医者は、腫瘍を完全に取り除きたいのですが、同時に脳の大切な部分を傷つけてはいけません。だから、手術中に脳の地図を見ながら、「この辺は取っていい」「この辺は絶対に触ってはいけない」と判断しながら、細心の注意で手術するんですね。
脳出血
脳出血とは、脳の血管が破れて、脳の中に血液が溜まってしまう状態のこと。例えるなら、水道管が破けて、部屋の中に水が溜まってしまうようなものですね。脳出血が起きると、溜まった血液が脳を圧迫して、ひどい場合は命に関わることもあります。脳神経外科医は、手術で血液を取り除いたり、破れた血管を塞いだりして、患者さんの命を救うんです。
脳出血は本当に緊急の病気です。患者さんが倒れて、すぐに病院に運ばれても、時間との戦いなんです。「Golden Hour」(つまり、発症から1時間以内)という言葉があるように、最初の1時間がすごく大切なんですね。だから、脳神経外科医は24時間、いつでも手術ができるように準備しているんですよ。
脳梗塞
脳梗塞とは、脳の血管が詰まってしまう状態のこと。血液が流れなくなることで、脳の細胞が酸素不足になって、死んでしまうんです。例えるなら、ストローに詰まりが起きて、ジュースが飲めなくなるみたいな感じですね。脳梗塞は、中風(ちゅうぶ)とも言われ、日本の死亡原因の上位に入るほど危険な病気です。
脳梗塞の場合、脳神経外科医は手術で血管を通したり、詰まった部分を取り除いたりします。ただし、脳梗塞は脳神経内科医と協力して治療することが多いです。なぜなら、最初は薬で対応することが多いからです。でも、薬で治らない場合や、血管を直接広げる必要がある場合は、脳神経外科医が手術するんですね。
脳のけが
交通事故やスポーツのけがなど、何かのきっかけで脳が傷つくこともあります。これを頭部外傷と言うんです。脳のけがの程度によって、治療方法が変わります。軽いけがの場合は、医者の観察だけで十分なこともあります。でも、重いけがで脳が腫れたり、出血したりしている場合は、手術が必要になります。脳神経外科医は、脳のけがを治して、患者さんが元の生活に戻れるようにサポートするんです。
脳動脈瘤
脳動脈瘤とは、脳の血管の一部がふくらんでしまう状態のこと。風船のように、血管の一部がぷくっと膨らんでいる感じですね。怖いのは、この膨らんだ部分が破裂することです。もし破裂したら、脳出血が起きて、命に関わることもあります。脳神経外科医は、破裂する前に、この脈動脈瘤を修理する手術をするんです。手術の方法には、血管の外側からクリップ(つまり、金属のバネのような道具)で膨らんだ部分を挟む方法や、血管の内側からコイル(つまり、コイル状の金属)を詰める方法などがあります。
脳神経外科医になるまで
脳神経外科医になりたいと思ったら、どのような道のりを歩むのでしょうか?
医学部への入学
脳神経外科医になるには、まず医学部のある大学に入らなくてはいけません。医学部は日本の大学の中でも最も入るのが難しい学部の一つです。なぜなら、医学部は医者を育成するところだから、とても厳しい試験があるんです。医学部に入るには、国語・数学・英語・理科・社会など、すべての科目をバランスよく勉強する必要があります。「脳神経外科医になりたい」という強い気持ちがあっても、医学部に入らなくては話が始まらないんですね。
医学部では6年間、医学について勉強します。1年生は医学の基礎を学びます。2・3年生は、解剖学(つまり、体の仕組みを研究する学問)や生理学(つまり、体がどのように動いているかを研究する学問)など、より詳しいことを学びます。4年生からは、実際に患者さんの診察や治療の見学をするんです。5・6年生は、病院で実際に医者の仕事をしながら学ぶ「臨床実習」をします。これはとても大変で、時には朝早くから夜遅くまで病院にいることもあります。
医師国家試験と研修医
医学部の6年間を終えたら、医師国家試験を受けなくてはいけません。つまり、「あなたは医者として患者さんを治める知識と技術を持っていますか?」という試験ですね。この試験に合格して初めて、医者として働くことができるんです。
医者になった後も、勉強は続きます。新しい医者のことを「研修医」と言って、2年間の研修をしなくてはいけません。この期間は、色々な科(例えば、脳神経外科、内科、外科など)を回って、幅広い医学知識を学ぶんです。これは、新人社員が色々な部署で仕事を学ぶのと同じですね。
脳神経外科の専門医になるまで
研修医の2年間が終わったら、脳神経外科医になることを決めた医者は、脳神経外科の医局(つまり、脳神経外科の医者たちが集まって仕事をしている場所)に入ります。ここからが、本当の修行の始まりなんです。脳神経外科の医局では、5年以上の研修を受けなくてはいけません。
この期間、若い医者たちは先輩の医者に付いて、毎日毎日、脳神経外科の技術を学びます。最初は簡単な仕事からです。例えば、患者さんの診察のお手伝いをしたり、手術の準備をしたり、手術の時に先輩医者のサポートをしたりするんです。少しずつ、少しずつ、難しい手術を任せられるようになっていくんですね。
医学部から数えると、脳神経外科医になるには合計13年くらいかかります。13年!想像できますか?中学1年生から大人になって、社会人になるくらいの時間がかかるんです。でも、この長い道のりの先には、患者さんの命を救う、素晴らしい仕事が待っているんですよ。だから、多くの医者たちは、この長い修行に耐えて、脳神経外科医になることを目指すんですね。
脳神経外科医に必要な能力
脳神経外科医になるには、知識と技術だけでは足りません。どんな能力が必要なのでしょうか?
まず、「集中力」です。手術の時間は数時間続くこともあります。その間、医者は脳のミリメートル単位の世界で、ミスをしてはいけません。野球の投手が、1球1球に集中するように、脳神経外科医は手術の1秒1秒に集中するんです。
次に、「判断力」です。手術中に予定外のことが起きることもあります。そんな時、医者は素早く判断して、患者さんにとって一番いい選択肢を選ばなくてはいけません。これは、野球の監督が試合中に作戦を変えるのと同じですね。
そして、「コミュニケーション能力」です。医者は患者さんや家族に、わかりやすく説明しなくてはいけません。難しい医学用語を使うだけでなく、相手が理解できるような言葉で説明する能力が大切なんです。また、手術の時には、医者たちはチーム(看護師、麻酔科医、技師など)で仕事をするので、チーム内のコミュニケーションも大切ですね。
最後に、「体力」です。長い手術の時間、立ちっぱなしで集中力を保つには、体力がいります。また、緊急の患者さんが来たら、昼夜を問わず対応しなくてはいけません。だから、脳神経外科医には体力も必要なんですよ。
