成年後見制度って何?わかりやすく解説

おじいちゃんやおばあちゃんが年を取ると、認知症になったり判断力が落ちたりして、大切なお金や不動産のことで悪い人に騙されないか心配になることってありますよね。そんなときに、家族や専門家が代わりにサポートしてくれる仕組みが「成年後見制度せいねんこうけんせいど」です。この記事を読めば、この制度がどうやって大切な人を守るのか、仕組みからメリット・デメリットまでぜんぶわかるよ。

先生、「成年後見制度せいねんこうけんせいど」ってなんですか?おじいちゃんが最近物忘れが多くなってきたんですけど…

いい質問だね。成年後見制度せいねんこうけんせいどっていうのは、判断力が落ちた大人のために、信頼できる人が代わりにお金や財産の管理をしてあげる仕組みなんだ。つまり、本人が良い判断ができなくなったときに、家族や専門家が守ってくれるってわけだよ。
でも、どうして制度が必要なんですか?家族がいれば大丈夫じゃないですか?

いい視点だね。実は、家族が勝手に本人の預金をおろしたり、不動産を売ったりするのは法律で許されてないんだ。だから公式な許可、つまり裁判所から「この人が代わりに管理して良いですよ」という認可をもらう必要があるわけ。これで本人の財産が守られるんだよ。
なるほど!でも、誰がその代わりの人になるんですか?

それは本人や家族が裁判所に申し立てるときに決めるんだ。子どもや配偶者のような家族が成年後見人(つまり、本人の代わりをする人)になることもあれば、弁護士とか社会福祉士っていう専門家がなることもあるよ。
その成年後見人は、どんなことをするんですか?

いい質問だ。成年後見人は、お金の管理(銀行から預金をおろす、請求書せいきゅうしょを払うなど)と身上監護(いい病院を探したり、生活のサポートをしたり)の2つをするんだ。簡単に言えば、本人がしなくちゃいけなかったことを代わりにやってあげるってわけ。
📝 3行でまとめると
  1. 判断力が落ちた大人のために、信頼できる人が本人の代わりになってお金や財産を管理する制度だよ
  2. 家族が勝手に財産を使うことはできないので、裁判所の許可を取って「成年後見人」として正式に認めてもらう
  3. 成年後見人はお金の管理と身上監護(いい生活ができるようにサポート)をする責任がある
目次

もうちょっと詳しく

成年後見制度せいねんこうけんせいどは日本の法律で定められた制度で、本人の判断能力が「著しく低下」している場合に使われます。つまり、認知症、知的障害、精神疾患などで、自分のお金を管理したり、大事な契約を判断したりする力がなくなった人のために、社会全体で守ってあげるという考え方です。成年後見人は単にお金を管理するだけじゃなく、本人が尊重される生活ができるようにサポートする責任があるんだよ。

💡 ポイント
成年後見制度せいねんこうけんせいどは本人を守るための制度。後見人は本人のためになることだけをしなくちゃいけない。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「お医者さんが『認知症ですね』って言ったら、すぐに成年後見制度せいねんこうけんせいどを使える」
→ 実は医者の診断だけじゃなくて、裁判所が調査して『この人は判断能力が著しく低下している』って判断する必要があります。医者の診断は一つの証拠に過ぎないんだよ。
⭕ 「成年後見制度せいねんこうけんせいどを使いたいときは、裁判所に申し立てが必要」
→ 家族や本人が「この人のサポートが必要です」と裁判所に申し立てて、裁判所が調査して決める。これで初めて成年後見人として認められるんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

[toc]

成年後見制度せいねんこうけんせいどってそもそも何?本人の判断力が落ちたときのセーフティネット

大事な人が認知症になったら、何が問題になるの?

想像してみてください。おじいちゃんが認知症になって、毎日の生活がだんだん大変になってきた。そんなとき、いちばん怖いのが「悪い人に騙されること」なんだよ。認知症の人は判断能力が落ちているから、本来はいい契約じゃないものでも「これはいい話だ」って信じちゃうことがあります。例えば、金利がすごく高いローンを組まされたり、いらない商品を高い値段で買わされたりね。

でも問題は詐欺だけじゃないんです。本人が銀行に行きたくても、一人じゃ手続きができなくなることもあります。お医者さんの話も理解できなくなるし、どうやって生活を守ったらいいのか、本人だけじゃ決められなくなっちゃうんです。そんなときに、家族が「僕がお金を管理するから大丈夫」って言っても、法律的には本人以外が勝手に財産を使うのはダメなんですよ。だから制度が必要なわけ。

裁判所から「許可」をもらわなきゃダメな理由

「えっ、自分の親なのに、なんで裁判所の許可が必要?」って思う人もいるかもね。でも実は、これが本人を守るための大事なシステムなんだ。

例えば、お母さんが子どもに「お金を管理してくれ」と言ったとします。でも子どもが実は良い人じゃなくて、お母さんのお金を自分のために使っちゃったら?お母さんが「ちょっと待って、私はそんなことを許してない」と言ったとしても、「いや、お母さんが僕に任せたんでしょ」と言い張られたら、どうやって本人を守るんですか?だから、裁判所という公的な機関が『この人は正しく管理できますか?本人のためにやってますか?』と確認するわけです。つまり、みんなが見守ってくれる環境を作ることで、本人がより安心して生活できるってわけなんだよ。

成年後見人になれる人って限られてるの?

成年後見人は誰がなってもいいわけじゃないんです。裁判所が「この人なら大丈夫」と判断した人じゃなくちゃいけません。多くの場合、配偶者(夫または妻)や子どもみたいな家族がなるんですけど、親族の中に適切な人がいなかったり、複雑な財産がある場合は、弁護士や社会福祉士みたいな専門家がなることもあります。

実は、成年後見人になるのはけっこう大変なんだよ。毎年、本人の財産がどうなっているか報告書を裁判所に出さなくちゃいけません。「今月はこれだけのお金を本人のために使いました」「この治療に同意しました」みたいなことを全部記録しておく必要があるんです。つまり、「親だから好きなようにやっていい」じゃなくて、常に「本人のためになってるかな?」と考えながら行動する必要があるってわけ。だからこそ、悪い人が本人を利用するのが難しくなるんですよ。

3つの種類がある:補助、保佐、後見。どれになるかで変わってくる

判断能力の程度で3つに分かれてる

実は、成年後見制度せいねんこうけんせいどには3つのレベルがあるんです。本人の判断能力がどのくらい落ちているかで、どのレベルの制度を使うかが決まってくるんだよ。

一番軽いのが「補助」っていう制度です。これは判断能力が少し落ちてるけど、基本的には自分でできることは自分でやるという感じ。例えば、複雑なお金の契約とか、大事な医療の決定とかは補助人(補助する人)と相談しながらやるけど、日常生活は本人がやる、みたいなイメージですね。

次が「保佐」です。これは判断能力がもっと落ちてて、重要な決定は保佐人が関わる必要があるという感じ。例えば、子どもに家を売ったり、ローンを組んだり、重要な書類にサインするときは、保佐人の同意が必要になるんです。でも日常的なお金の使い方(食べ物を買うとか、医者にかかるとか)は本人がやってもいいよってわけ。

一番重いのが「後見」です。これは判断能力がほぼなくなってる状態で、後見人が本人の代わりにほぼすべての重要な決定をします。お金の管理、医療の決定、生活全般。本人は判断能力がないので、法律的には後見人の判断が優先されるんですよ。

どのレベルになるかは誰が決めるの?

この判断は、裁判所が医者の診断や調査員の報告を元にして決めるんです。本人や家族が申し立てるときに「うちのお父さんは補助が必要です」と言うことはできますけど、最終的な判断は裁判所がするんだよ。

例えば、お医者さんから「認知症です」と言われたとしても、その認知症の程度がどのくらいなのか、本人がどんなことならできて、どんなことができないのか、裁判所の調査官がいろいろ調べるわけです。「お医者さんの診断は認知症だけど、金銭管理は本人がけっこうできてるみたいですね」ってなれば、補助にすることもあります。逆に「かなり判断能力が落ちてますね」ってなれば、後見になるわけです。だから、いちばん大事なのは、本人の実際の生活場面での判断能力がどのくらいなのかってことなんですよ。

成年後見人がやる仕事は2つ:お金の管理と生活のサポート

財産管理って、具体的に何をするの?

成年後見人の仕事で一番わかりやすいのが「財産管理」です。つまり、本人のお金と物を管理するってことなんだよ。

具体的には、こんなことをします。銀行に行って、本人の口座から必要なお金をおろす。毎月の家賃や光熱費、医療費を払う。本人が持ってる土地や家があれば、それの管理も。もし、将来のために不動産を売らなくちゃいけなくなったら、その売却もします。つまり、本人が自分でできなくなった「お金に関すること」を全部代わりにやってあげるってわけです。

でも大事なのは、本人のお金を本人のためだけに使うってルールです。成年後見人が本人の預金から自分のお金を出すのはダメなんですよ。「本人のおじいちゃんが『好きにしていいよ』と言った」と思ってても、法律的には許されない。だから毎年、「今年はこれだけのお金を本人のために使いました」という報告書を裁判所に出さなくちゃいけないわけです。

身上監護って何?単なる介護じゃないんだよ

成年後見人のもう一つの大切な仕事が「身上監護」です。つまり、本人が健康で、安心して生活できるようにサポートするってことなんだよ。

例えば、本人が病気になったら、どこの病院で治療を受けるか決めるのは後見人です。認知症がすごく進んでたら、本人は「病院なんか行きたくない」と言うかもしれません。でも医者は「治療が必要です」と言ってる。そんなときに、後見人が「本人のためにはどうするのが一番いいかな」と考えて、治療に同意するわけです。

他にも、どんな介護施設に入るのがいいか決めたり、本人がどこに住むのがいいか考えたり、本人がやりたい活動をサポートしたり。要するに、本人がその人らしく、安心して生活できるように全体的にサポートするってことが身上監護なんですよ。

だから、成年後見人ってのはすごく責任が重いんです。単に預金をおろしたり、書類にサインするだけじゃなくて、毎日毎日「本人のためになってるか」と考えながら行動する必要があるんですよ。

制度を使うときのメリット・デメリット:使う前に知っておきたいこと

メリット:本人が守られる、詐欺が防げる

成年後見制度せいねんこうけんせいどを使う一番大きなメリットは、本人が悪い人に騙されなくなるってことです。悪い人は「成年後見人がついてる人は騙しづらいな」と思うんですよ。だって、勝手に契約させたり、お金を出させたりしたら、成年後見人が「これはおかしい」って言って取り消すことができるからです。

それからもう一つ、複雑な法律的な手続きがスムーズになるってメリットもあります。例えば、本人が相続をしたとき、本人だけだと手続きが複雑で大変ですよね。でも成年後見人がいれば、相続の手続きを後見人が代わりにできるわけです。

それからね、本人が安心して生活できるってのが何より大事なメリットです。家族が「ちゃんと見守ってくれてる」「信頼できる人が判断してくれてる」って知ってれば、本人も安心だし、家族も安心だしね。

デメリット:プライバシーが減る、手続きが大変

でも良いことばかりじゃないんですよ。成年後見制度せいねんこうけんせいどを使うと、毎年、裁判所に報告書を出さなくちゃいけないんです。「今年、本人のお金をどうやって使ったか」「本人の生活はどんな感じか」を全部書いて出す必要があるんだよ。つまり、プライバシーが減っちゃうってわけですね。

それから、成年後見人が必ず家族とは限らないってのも、人によってはデメリットです。家族以外の人(弁護士とか社会福祉士とか)が成年後見人になると、その人に報酬を払わなくちゃいけません。月に5万円くらい払うことも多いんですよ。となると、本人の財産が減っていっちゃうわけです。

それからね、一度成年後見制度せいねんこうけんせいどを使い始めると、やめるのが難しいんです。「本人の判断能力が戻った」と思っても、裁判所が「いや、まだ判断能力は戻ってない」と判断したら、制度は続くんですよ。だから、始めるときは「本当に必要かな」って慎重に考えなくちゃいけないってわけです。

成年後見人が悪いことしたらどうなるの?

ここで重要なポイント。もし成年後見人が本人のお金を横領したり、本人のためにならないことをしたりしたら、罰せられます。懲役や罰金を食らうこともあるし、民事上の損賠請求もされるんですよ。

実は、成年後見制度せいねんこうけんせいどを悪用する人が増えてるんです。例えば、親が認知症になったので「後見人になります」と言って、実は親のお金を横領してる、みたいなケースですね。だから、最近は家族が後見人になるときでも、別に「監督人」という第三者が後見人をチェックする制度が広がってるんですよ。つまり、後見人がちゃんと本人のためにやってるかを監視する人がいるわけです。

実際に申し立てるときの流れ:難しそうだけど、手順を追えばできる

誰が申し立てるの?どうやって申し立てるの?

成年後見制度せいねんこうけんせいどを使いたいと思ったら、本人か家族が裁判所に「申し立て」をしなくちゃいけません。つまり、「うちの親を成年後見制度せいねんこうけんせいどで守ってください」と裁判所にお願いするわけです。

申し立てできる人は決まってます。本人自身、配偶者、親、子ども、兄妹、祖父母。それから市町村の福祉事務所長もできます。つまり、本人の近い関係の人が中心に申し立てるんですよ。

申し立てるときは、いろんな書類を集める必要があります。本人の「診断書」(医者が判断能力について書いたもの)、本人の住民票じゅうみんひょう、申し立てる人の身分証明書。それから、本人の財産がどのくらいあるのかを書いた「財産目録」。こういったものを全部まとめて、住んでいる地域の家庭裁判所に提出するんですよ。

申し立ての後、どんな流れで進むの?

申し立てをしたら、すぐに成年後見人が決まるわけじゃないんです。裁判所が調査をして、本当に成年後見制度せいねんこうけんせいどが必要なのか確認するんですよ。

まず、裁判所の調査官が申し立ての内容を見て、「この人は本当に判断能力が落ちてるのかな」と疑問に思うことがあったら、本人に会ったり、本人を見守ってる人に話を聞いたりします。それから、お医者さんの診断書をチェック。本当にそのレベルの判断能力がなくなってるのかを確認するんですよ。

その後、裁判所が「この人には補助・保佐・後見のうち、どれが必要か」を判断します。そして、「成年後見人として、このAさんがいいですね」と決める。申し立てから判断まで、けっこう時間がかかることが多いんです。数ヶ月かかることもあります。

実際に後見人になったら、どんな日常を過ごすの?

成年後見人になったら、毎月本人の財産をチェックして、「本人のためにいくら使ったのか」を記録しなくちゃいけません。例えば、「医療費に5万円」「介護サービスに10万円」「本人の食べ物や生活用品に3万円」みたいにね。

それから、本人が大事な決定をする必要があるときは、後見人が出番です。「この治療を受けたいけど、本人は判断できない」ってなったら、後見人が「本人のためになるか」を考えて同意するか同意しないか決める。もし本人が「嫌だ」と言ってても、後見人が「必要だ」と判断すれば、進むこともあります。でも必ず「本人のため」という理由でなくちゃいけません。

そして、毎年1回、裁判所に報告書を出します。「本人の今の状態」「今年はどんなお金を使った」「本人の生活はうまくいってるか」みたいなことを書くんですよ。この報告書を基に、裁判所や監督人(もしいれば)が「ちゃんと本人のためにやってるかな」と確認するわけです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

目次