大人になったら、給料から「年金」というお金が引かれることを知ってますか?「え、何それ?」と思うかもしれません。実は、この年金システムは、みんなで助け合って、歳をとった人や困った人を支える大事な仕組みなんです。この記事を読めば、公的年金とは何か、なぜ必要なのか、そしてあなたの将来とどう関係しているのかが、スッキリわかるようになりますよ。
- 公的年金は 国が運営する老後保障制度 で、働いている間に給料から納めたお金が、歳をとった時にもらえる仕組みです
- 会社員・自営業者・公務員など 働き方によって加入する年金の種類 が変わり、納める金額ももらえる金額も異なります
- 老後資金だけでなく、ケガや死亡時にも 家族をサポートする機能 があるため、みんなで助け合う社会保障制度です
もうちょっと詳しく
公的年金は日本の社会保障制度の中でも特に重要な柱です。歴史的には、昔は家族が高齢者を支えるのが当たり前でしたが、時代とともに家族の形が変わり、また人口構成も変わってきました。そこで国が国民全体で老後を支える仕組みを作ったわけです。今、日本は高齢化社会で、働く人が少なく、年金をもらう人が増えている状況にあります。だからこそ、若い世代が今からしっかり年金に向き合うことが、自分たちの将来を守ることにもなるんですよ。
年金は「自分で貯めるもの」ではなく「みんなで支える仕組み」。今働いている人が高齢者を支え、自分たちが高齢になった時に次世代に支えてもらう、という世代間の助け合いです。
⚠️ よくある勘違い
→ 実は違います。今あなたが納めたお金は、現在の高齢者に支払われています。あなたが年をとった時に、その時の若い世代があなたを支える。お金の流れは「自分の過去と自分の未来」ではなく「世代と世代の流れ」なんです。
→ これが正解です。だから人口構成が変わると年金制度にも影響が出ます。若い人が減り、高齢者が増えると、働く人ひとりあたりの負担が増えるという課題も出てくるわけです。
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公的年金とは何か — 基本の「き」
年金ってお金がもらえるシステム
公的年金の最も簡単な説明は「年をとった時にお金がもらえるシステム」です。でもこれだけ聞くと、「え、じゃあ貯金と何が違うの?」と思うかもしれませんね。大事な違いがあります。
貯金は「自分で貯めたお金は自分のもの」という考え方です。貯金額が少なければ、もらえるお金も少ない。でも公的年金は違う。納める金額や期間で基本的な額が決まりますが、その後「何歳まで生きるか」は予測できないですよね。だから、どんなに長く生きても年金はもらい続けられるんです。
例えば、Aさんが100歳まで生きたとしましょう。貯金だけで生活していたら、貯金がなくなったら終わり。でも公的年金は毎月支給されるので、100歳まで安心して生活できるわけです。これって、すごく大事な仕組みですよね。自分がいつまで生きるかわからない人生で、確実に生活を支えてくれるシステムなんです。
また、年金にはもう一つの大事な役割があります。働いている時にケガをして働けなくなった場合、公的年金から障害年金というお金が支給されます。さらに働き手が亡くなった場合、残された家族に遺族年金が支給されます。つまり、老後資金というだけじゃなく、人生のいろいろなリスクに対応する社会保障制度なんですよ。
給料から自動的に引かれるのはなぜ?
給料をもらう時に「あ、年金が引かれてる」と気づく人も多いと思います。「勝手に引かれるのってズルくない?」と感じるかもしれませんが、これには理由があるんです。
もし年金が「任意」、つまり「好きな人だけ入る」という仕組みだったらどうでしょう。若くて健康な人は「将来のことはまだいいや」と入らないかもしれません。でも、予期しない病気やケガで働けなくなったら、その時に困ってしまいます。また、年金制度は「働いている世代が高齢世代を支える」という仕組みなので、途中で人がいなくなると制度全体が壊れてしまいます。
だから国は、全員参加を原則としているんです。これを「強制加入」と言います。つまり強制というのは、あなた自身を守るためでもあり、社会全体を守るためでもあるということなんですよ。
年金の種類 — 働き方で変わる
会社員が入る「厚生年金」
会社員として働いている人が入るのが「厚生年金」です。つまり、大企業でも中小企業でも、会社と雇用契約を結んでいれば、ほぼ自動的に加入することになります。
厚生年金の特徴は、本人と会社が一緒にお金を出すということです。例えば、月給が30万円だったとします。年金や健康保険などで約9%、つまり約2万7000円が引かれます。でも実は、会社も同じくらいのお金を負担しているんです。だから実際には月5万4000円くらいが年金制度に納められているわけです。
これって、実はとってもお得なシステム。自分が納めた以上のお金が年金に積み立てられているから、高齢になった時にもらえるお金も多くなるんです。また、年金以外にも、ケガや病気で働けなくなった時の保障、亡くなった時の遺族への保障なども厚い手厚いサポートを受けられます。
自営業者が入る「国民年金」
商店を営んでいる人、フリーランスの人、農業をしている人など、会社に属さない人が入るのが「国民年金」です。これは本人だけが負担する仕組みになっています。現在は月額1万6000円程度(年によって変わります)を自分で納めることになります。
「あ、会社員より安い」と思うかもしれません。でも、考え方が違うんです。会社員は、会社も同額負担しているから、実は月3万円くらい納めているのと同じ。でも国民年金は1万6000円だけなので、実は負担が軽いんです。ただし、その分、高齢になった時にもらえる年金額も、厚生年金よりは少なくなります。
自営業者は個人で年金を納めるので、納め忘れのリスクがあります。だから、毎月納付書が送られてきて、コンビニや銀行で納めることになっています。最近は自動振替という便利な方法もあって、銀行口座から自動的に引き落とされるようにすることもできます。
公務員が入る「共済年金」
公務員や教員、警察官など、公的機関で働く人が入るのが「共済年金」です。かつては年金制度が分かれていたのですが、2015年から厚生年金に統一されています。つまり、今は公務員も基本的には厚生年金と同じシステムに入っているわけです。
共済年金の特徴は、公務員という安定した身分があるため、比較的手厚い保障が受けられるということです。ただ、年金制度自体は統一されてきているので、会社員と大きな違いはなくなってきています。
みんなが納めたお金はどこに行く?
現在の高齢者に支給される仕組み
ここが公的年金の最も大事な考え方なので、しっかり理解してください。あなたが今給料から納めている年金は「あなたが年をとった時のために貯金されている」のではなく、「今この瞬間に年金をもらっている高齢者に支給されている」んです。
これを「賦課方式」と言います。つまり現役世代が負担して現在の受給者を支える、という仕組みですね。
昔、日本は若い人がたくさんいました。例えば、働いている人10人が1人の高齢者を支えるような感じでした。だから年金制度もうまく回っていたんです。でも今は、働いている人が少なく、高齢者が増えています。場所によっては、働いている人3人で1人の高齢者を支えるくらいになってきています。
だから「年金がもらえなくなるのでは?」という心配をする人もいます。でも制度は少しずつ変わっていて、年金をもらい始める年齢を段階的に遅くしたり、納める期間を長くしたりして、制度を維持しようとしているんですよ。
どのくらいの人が年金に頼っているか
日本には現在、年金をもらっている人が約4000万人います。毎月、その人たちにお金が支給されているわけです。この金額は毎月数兆円という、すごく大きなお金なんですよ。
これだけの人が年金で生活しているということは、年金制度が崩壊したら、その4000万人がいきなり困ってしまうということになります。だから、日本の社会全体を支える超重要な仕組みなんです。
あなたが将来年をとった時も、年金制度がちゃんと機能していて、安心して老後を過ごせるかどうかは、今の若い世代がどう向き合うかにかかっているんですよ。大げさに聞こえるかもしれませんが、それくらい大事な仕組みなんです。
いくらもらえるの?年金額の計算
基本的な計算方法
「結局、年金っていくらもらえるの?」という質問が出てくると思います。これが意外と複雑なんですよ。年金額は、加入期間と納めた保険料によって決まります。
例えば、国民年金の場合を考えてみましょう。20歳から60歳まで、40年間きちんと納めたとします。そうすると、現在は月額約6万5000円の基礎年金がもらえます。これは、きちんと納めた全員が同じ額をもらえます。
一方、厚生年金に加入している会社員の場合は、給料が高い人ほど、納める金額が多いので、もらえる年金もその分多くなります。これを「報酬比例部分」と言います。つまり、給料が50万円の人と30万円の人では、もらえる年金額が違うということですね。
納めない場合のリスク
年金は「強制加入」なので、原則として全員が対象です。でも、中には納められない人や、納めるのを忘れてしまう人もいますよね。
もし10年間、年金を納めずにいたらどうなるでしょう。年金をもらう権利は「25年以上加入していること」という要件がありました。昔はそうでしたが、現在は「10年以上」に短くなっています。でも、納めていない期間がある場合、その分、高齢になった時にもらえる年金が減ってしまうんです。
だから、途中で納められなくなった場合は、役所に相談して「申立」という手続きをすることが大事です。申立をすると、一時的に納められない期間を「納めたもの」として計算してくれることもあります。また、生活が困っている場合は「免除制度」というものもあって、納付が全額免除されたり、部分的に免除されたりします。
年金の大事な役割 — 老後だけじゃない
ケガや病気で働けなくなった時
公的年金は「老後資金」というイメージが強いかもしれませんが、実はもう一つ大事な役割があります。それが「障害年金」です。
例えば、20代で重い交通事故に遭って、両足が動かなくなってしまったとしましょう。働くことができなくなってしまいました。こういう時、公的年金から毎月お金が支給されるんです。これを障害年金と言います。
年金は「年をとったらもらえるもの」という法律ではなく、「保険」だと考えるといいですよ。例えば、火災保険は、火事が起きた時にお金がもらえます。生命保険は、亡くなった時にお金がもらえます。同じように、年金は「働けなくなった」という人生のリスクに備える保険なんです。
障害年金には1級から3級までのレベルがあります。1級が最も重い障害で、毎月の支給額が多くなります。だから、もし何かあっても、本人と家族が生活できるようにサポートされているわけです。
働き手が亡くなった時の遺族年金
また、もし働き手である親が亡くなってしまった場合、その家族にも年金が支給されます。これを「遺族年金」と言います。
例えば、お父さんが会社員で、40歳の時に突然亡くなってしまったとしましょう。お母さんと高校生の子ども、中学生の子どもがいる場合、お母さんと子どもたちに毎月遺族年金が支給されます。これがあることで、家族の生活が急に困らないようにセーフティネットになるわけです。
子どもが成人するまで支給されるので、教育費に充てることもできます。また、お母さんが働いていなかった場合でも、生活費がサポートされるので、すごく大事な制度です。
つまり、公的年金というのは「年をとった人を支える制度」というだけでなく、「働き手が社会で何かあった時に、その家族を守る制度」なんですよ。だから、みんなで支える価値がある、重要な社会保障制度なんです。
