特定疾患って何?わかりやすく解説

病院でもらう診断書に「特定疾患」という文字を見たことありますか?なんだか難しい名前だけど、実はこれは患者さんを助けるためにある制度なんです。この記事を読めば、特定疾患が何なのか、どうして存在するのか、そしてどんな人たちが対象になるのかが、きっとわかるようになるよ。

先生、「特定疾患」ってよく聞くけど、何ですか?何か特別な病気のことですか?

いい質問だね。特定疾患っていうのは、治療がむずかしかったり、かかると日常生活に大きな影響が出たり、原因がまだよくわかっていない、そういった特別な病気のことなんだよ。つまり、普通の病気と比べて、患者さんがとても困る病気ということだね。
そっか。でも、なんでそんな特別な名前をつけるんですか?特定疾患だからって何が変わるんですか?

いいところに気づいたね。特定疾患に指定されると、治療費を国や都道府県が助成してくれるんだよ。つまり、患者さんの負担を減らしてくれるってわけ。治療がずっと続く病気だから、お金の心配なく治療に専念できるように、という政府の支援制度なんです。
わあ、それっていいですね。では、どんな病気が特定疾患に指定されているんですか?

それはね、国の厚生労働省が定めた対象疾患のリストがあって、今は300以上の病気が指定されているんだよ。例えば、膠原病(こうげんびょう)という体の免疫システムが異常になる病気とか、難治性てんかんとか、そういった珍しくて治りにくい病気が多いんだ。
📝 3行でまとめると
  1. 特定疾患とは、治療が難しく生活に大きな影響を及ぼす病気のこと
  2. 患者さんの治療費を国や自治体が助成する支援制度がある
  3. 現在、300以上の病気がこの制度の対象に指定されている
目次

もうちょっと詳しく

実は、「特定疾患」という言い方は日本独特の制度なんです。医学的には「難治性疾患」や「稀少疾患」と呼ばれることもあります。つまり、治りにくい珍しい病気、ということですね。これらの病気は一般的ではないため、医学の研究が十分に進んでいないことが多く、患者さんの数も少ないので、製薬会社も治療薬を開発する動機がなかなか生まれません。だからこそ、国が支援する必要があるんです。こうした患者さんを見捨てないというのは、社会全体で支え合う、という大切な考え方に基づいているんですよ。

💡 ポイント
日本の特定疾患制度は、患者さんが経済的に困らないようにするための人道的な支援なんです

⚠️ よくある勘違い

❌ 「特定疾患に指定されると、治療の質が変わる」
→ 治療の内容や質が変わるわけではありません。変わるのは、患者さんが払うお金の額です。医学的には何も変わらないんです。
⭕ 「特定疾患指定は経済的なサポート制度」
→ あくまで「治療費の助成」という経済的な支援。病気そのものや治療法が変わるわけではなく、患者さんの経済的負担を減らすための制度です。
なるほど〜、あーそういうことか!

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特定疾患ってなに?

難しい病気を国が認める仕組み

特定疾患というのは、簡単に言うと「とても珍しくて、治すのが難しい病気」のことです。つまり、医学の世界でも、まだ完全には治す方法がわかっていない、そういった病気たちを特別に「特定疾患」として認めよう、ということなんですね。

では、具体的にどんな条件を満たすと「特定疾患」になるのでしょうか。厚生労働省は、以下のような基準を設けています。

まず第一に、「原因がまだわかっていない」または「原因がわかっていても治す方法がない」ということです。例えば、体の免疫システムが暴走して、自分の体を攻撃してしまう膠原病という病気があります。これは、なぜそんなことが起こるのか、まだはっきりわかっていないんです。だから、完全に治すことが難しいんですよ。

第二に、「かかっている患者さんの数が少ない」という基準があります。これは「稀少性」と呼ばれることもあります。つまり、患者さんが少ないので、その病気についての情報や研究が進まないということですね。あなたが学校で何か困ったことがあれば、クラスに同じ経験をした友達がいるかもしれません。でも、珍しい病気の患者さんは、そういった「同じ経験をした人」が世の中に数百人か数千人しかいないかもしれません。だから、孤立しやすく、情報も集めにくいんです。

第三に、「長期間の治療が必要である」という基準もあります。つまり、一度かかると、何年も、時には一生涯、治療を続けなければならない病気ということですね。例えば糖尿病みたいに、毎日の管理が必要になるような病気です。そうなると、治療費がどんどん積み重なっていってしまいます。

第四に、「日常生活に大きな支障がある」という基準です。これは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、とても大事な条件なんです。その病気のせいで、学校に行けなくなったり、友達と遊べなくなったり、そういった生活上の大きな困難が生じるということですね。

特定疾患の指定方法

「この病気を特定疾患にしてください」と決めるのは、厚生労働省という日本の政府の部署です。ここに医学の専門家たちが集まって、「これは本当に大変な病気だね」「これはサポートが必要だね」と判断して、指定するんです。

現在、300を超える病気が特定疾患として指定されています。2015年には「難病の患者に対する医療等に関する法律」という法律が施行されて、対象となる病気がさらに増えました。つまり、より多くの患者さんが支援を受けられるようになったということですね。

なぜ「特定疾患」という制度があるの?

患者さんを助けるという国の役割

ここで大事な質問が出てきます。なぜ、国はわざわざ特定疾患という制度を作ったのでしょうか?それは、簡単に言うと「自分たちでは対応できない患者さんを、社会全体で支えよう」という考え方からなんです。

想像してみてください。あなたや家族が、突然珍しい病気になってしまったとします。病気のせいで、学校に行けなくなったり、仕事ができなくなったりするかもしれません。医者にも「原因がわかりません」と言われるかもしれません。そんな状況で、毎月何十万円、何百万円という治療費の請求書せいきゅうしょが届いたら、どうしますか?おそらく、とても困ってしまいますよね。

そういう困った人たちを見捨てない、という考え方が、この制度の根底にあるんです。日本の社会は「弱い立場にある人も、社会全体で支えようよ」という思想に基づいています。だから、健康な人たちが納める税金の一部を使って、患者さんの治療費を助成するんですよ。

医学研究の促進

もう一つの理由は「医学の研究を進めるため」というのもあります。珍しい病気は、患者さんが少ないので、研究をしても利益が少ないと、大手の製薬会社は思うんですね。だから、その病気の治療薬を開発しようという研究が進まないことが多いんです。

でも、特定疾患として国が認めると、「この病気の研究には国がお金を出しますよ」という信号になります。すると、大学の医学部や、国立の研究機関なども、その病気の研究に力を入れるようになるんです。つまり、患者さんのお金の負担を減らすだけじゃなくて、「この病気をなんとか治す方法を見つけるぞ」という社会全体の目標になるんですよ。

地域によって制度が異なる

実は、特定疾患の制度って、国のレベルだけじゃなくて、都道府県(東京都とか大阪府とか)のレベルでも運用されているんです。つまり、各自治体が独自に「うちの地域では、この人たちを支援しよう」と決める部分もあるということですね。

だから、同じ特定疾患を持っていても、住んでいる地域によって、受けられる支援の内容が少し違うかもしれません。これは、各地域の事情(人口、財政状況など)が異なるからなんです。ちょっと不公平に感じるかもしれませんが、地方にもお金を配分して、全国で患者さんをサポートしようという仕組みなんですよ。

実際に特定疾患に指定されている病気の例

膠原病ってどんな病気?

膠原病(こうげんびょう)という言葉を聞いたことがありますか?これは特定疾患の中でも、かなり有名な病気の一つです。簡単に言うと「体の免疫システムが、自分の体を攻撃してしまう病気」のことですね。

通常、免疫システムというのは、バイキンやウイルスから体を守る、つまり「体の中の敵」を排除する仕事をしています。でも、膠原病になると、この免疫システムが勘違いして、自分の体の細胞を「敵だ」と思い込んで攻撃してしまうんです。自分の体が自分の敵になってしまう、ということですね。

膠原病の一種に「全身性エリテマトーデス」という難しい名前の病気があります。これは、顔に蝶のような形の赤い発疹が出たり、関節が痛くなったり、全身の疲れが続いたりします。患者さんの多くは、若い女性なんですよ。

この病気がなぜ「特定疾患」に指定されているかというと、まず「原因がはっきりわかっていない」というのがあります。なぜ免疫システムが暴走するのか、医学でもまだ完全には解明されていないんです。そして「治すのが難しい」というのもあります。薬で症状を抑えることはできますが、「完全に治った」という状態になることは難しいんですよ。

難治性てんかん

もう一つの例として「難治性てんかん」があります。てんかんというのは、脳の電気信号が異常になって、けいれんや意識障害が起こる病気ですね。多くのてんかん患者さんは、薬で症状をコントロールできるんですが、中には「どんな薬を飲んでも、けいれんが止まらない」という難治性のてんかんがあるんです。

難治性てんかんの患者さんは、いつけいれんが起こるかわかりません。学校にいるときに起こるかもしれませんし、夜寝ているときに起こるかもしれません。そのため、常に不安を抱えながら生活していることになります。毎日の薬代も相当な額になりますし、病院通いも頻繁になります。だから、特定疾患として支援の対象になっているんですよ。

遺伝性疾患も含まれる

特定疾患には、親から子どもへと遺伝する「遺伝性疾患」も多く含まれています。例えば「脊髄性筋萎縮症」という病気があります。これは、神経が脂肪のような物質で覆われるのが減ってしまう病気で、だんだんと筋肉が弱くなっていくんです。

こういう病気は「治す」というより「進行を遅くする」「症状を軽くする」という治療が目標になることが多いんですね。長期間の治療が必要になるので、特定疾患として支援の対象になっているんです。

特定疾患の患者さんが受けられる支援

医療費の助成

特定疾患に指定されると、患者さんが受けられる最大の支援は「医療費の助成」です。つまり、治療にかかるお金を、国や自治体が一部または全部負担してくれるということですね。

具体的には、病院にかかるときに払う医療費が、通常よりも安くなるか、あるいはほぼ無料になるということです。お医者さんの診察代、検査代、薬代などが、この対象になります。患者さんにとっては、とても大きな負担が減るんですよ。

ただし、これは全国一律ではなくて、その患者さんの所得によって変わることもあります。つまり、お金持ちの患者さんは、少し多めに払うかもしれませんし、低所得の患者さんはほぼ無料かもしれません。これは「能力に応じて払う」という、公平性を考えた仕組みなんですね。

研究への支援

個々の患者さんへの支援だけじゃなくて、その病気の研究に対しても、国がお金を出しています。つまり、「この病気をなんとか治す方法を見つけるために、研究者たちにお金をあげますよ」ということですね。

こういった研究支援があると、大学の医学部や、国立の研究機関の研究者たちが、その病気の研究に力を入れるようになるんです。すると、新しい治療法が見つかるかもしれません。今は治らない病気も、将来は治る病気になるかもしれないんですよ。実は、この仕組みによって、世の中に新しい治療法が生まれることもあるんです。

相談窓口や情報提供

医療費の助成や研究支援だけじゃなくて、患者さんが「どうしたらいいんだろう」と困ったときに相談できる窓口も、特定疾患制度の中には含まれています。つまり、医療の専門家に相談したり、同じ病気の患者さん同士で情報交換したり、そういった場所が用意されているんですよ。

特に、珍しい病気の患者さんは「この病気について、どこで情報を集めればいいんだろう」と困ることが多いんです。でも、こういった窓口があれば、信頼できる情報を得ることができます。また、同じ病気の人たちと繋がることで、治療のやり方や、生活のコツなども教えてもらえるんですね。これは心理的な支援にもなるんですよ。

あなたの身近にもある特定疾患

見た目ではわからない

あなたの学校にも、特定疾患を持っている子がいるかもしれません。でも、見た目ではわかりませんよね。なぜなら、特定疾患の多くは「見た目には健康そうに見える」という特徴があるからなんです。

例えば、膠原病の患者さんでも、普通に学校に来ていることもあります。でも、実は疲れやすかったり、時々病院に行ったり、毎日薬を飲んでいたりするんです。周りの友達には、そういった努力が見えていないかもしれません。

患者さんへの接し方

もし、あなたの周りに特定疾患を持っている子がいたら、どうしたらいいでしょうか?答えは簡単です。「普通に接する」ということですね。

特定疾患を持っている子も、病気を持たない子も、本質的には同じ人間です。ただ、病気という負担を背負っているだけなんですよ。だから、特別視する必要はありません。その子ができることなら一緒にやればいいし、体力的に難しいことがあれば「無理しなくていいよ」と優しく声をかければいいんです。

そういう思いやりの気持ちが、実は患者さんにとって、とても大きな支援になるんですよ。医療費の助成や薬の治療も大事ですが、周りの人たちの理解と優しさも、患者さんの生活を支える大切な力になるんです。

社会全体で支える仕組み

最後に、覚えておいてほしいことがあります。特定疾患という制度は、単に「お金を助成する」というだけじゃなくて、「社会全体で大変な人たちを支えようよ」という、社会の優しさを形にしたものなんですよ。

あなたが健康で元気に学校に行けるのは、当たり前じゃなくて、実は社会全体が「みんなが健康に生きられるような仕組み」を作ってくれているからなんです。そして、もし将来あなたが病気になってしまったら、その時は社会があなたを支えてくれるんですよ。こういう「お互いに支え合う」という考え方が、一番大事なんです。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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