企業型年金って何?わかりやすく解説

もしかして、あなたの親が会社から給料をもらうときに、「企業年金拠出金」みたいな項目を見たことありませんか?給料明細を眺めていて「これ何が引かれてるんだろう…」って思ったことあるよね。実は会社って、従業員のために将来のための貯金をしてくれているんです。それが「企業型年金」。この記事を読めば、なぜ給料から引かれるのか、老後にどんな風にお金が返ってくるのか、その仕組みがスッキリわかりますよ。

先生、給料明細に「企業型年金」って書いてあるんですけど、これ何ですか?何でお金が引かれるんです?

いい質問だね。簡単に言うと、会社があなたの老後のための貯金をしてくれているんだよ。つまり、年をとって働けなくなったときにもらえるお金のために、今から積み立てているの。給料から引かれるのは、その積み立てに使うお金なんだ。
でも、どうして会社が貯金を手伝ってくれるんですか?

それはね、昔から日本では会社が従業員の老後を支える責任があるって考えられてきたんだ。それにね、会社が年金制度を整えることで、優秀な人材が集まりやすくなるし、従業員も安心して働けるっていうメリットがあるんだよ。
老後にちゃんともらえるんですか?

もらえるよ。でもね、掛金(つまり、毎月積み立てる金額)をどれくらい積み立てたか、どのくらいの期間働いたかで、もらえる金額が変わるんだ。それに、会社や制度によって、会社が上乗せしてくれる場合もあるんだよ。
すごい、そんなに複雑なんですね…

複雑に聞こえるけど、要するにね、「会社と一緒に老後資金を貯める」って考え方なんだ。これからこの記事で詳しく説明するから、最後には「あ、そういうことか!」ってなるよ。
📝 3行でまとめると
  1. 企業型年金は会社が従業員の老後資金を支援する制度で、給料から毎月掛金が引かれて積み立てられる
  2. 会社によっては給料からの引き出し額に加えてマッチング拠出という上乗せがあり、もらえる金額が増える
  3. 60歳以上になると積み立てたお金を年金または一時金として受け取ることができる
目次

もうちょっと詳しく

企業型年金について、まず一番大事なポイントを押さえましょう。これは国が決めた制度ではなく、会社が従業員のために自主的に用意する制度です。だから会社によって内容が違うんです。あなたの親の会社にあっても、友だちの親の会社にはないかもしれません。企業型年金に加入することで、給料から毎月のお金が引かれるのはちょっと損に見えるかもしれませんね。でも、税金が安くなるメリットがあるんです。つまり、引かれたお金は税金がかからない扱いになるから、実は得をしているんですよ。

💡 ポイント
企業型年金は会社が従業員のために用意する福利厚生。引かれたお金は税金の対象にならないから、お得な制度なんだ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「給料から引かれるってことは、確実に損してる」
→ 引かれたお金は税金がかからないから、実際には手取りでそこまで減ってないんです。計算してみると、普通に税金を払うより得なケースが多いですよ。
⭕ 「給料から引かれるけど、税金面で優遇されてるからお得」
→ この理解で正解。将来のための貯金ができて、税金も安くなるから、企業型年金は従業員にとってメリットが大きい制度なんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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企業型年金ってそもそも何?

会社が従業員の老後を支援する制度

企業型年金とは、つまり「会社が従業員のために老後資金を用意する仕組み」のこと。あなたの親が働いている会社が「従業員の皆さんの老後のために、一緒にお金を積み立てましょう」という提案をしているんです。想像してみてください。普通のお父さんとお母さんが給料をもらって、そこから生活費を出して、残ったお金を貯金していますよね。企業型年金は、その貯金の一部を会社も一緒にしてくれるということ。毎月の給料から一定額が自動的に引かれて、その金額は会社の指定する運用機関に預けられます。その預けたお金は株や債券といった投資商品で運用され、老後により多くのお金になって返ってくるんです。

この制度には大きなメリットがあります。それは「税金の優遇」です。普通、給料をもらったら所得税しょとくぜいという税金を払いますよね。でも企業型年金で引かれたお金は、税金を計算するときの「給料」から除かれるんです。つまり、税金がかかるお金が減るから、払う税金の額も減るということ。これはすごくお得なんですよ。例えば、月に5万円が引かれる場合、その5万円分の税金がかからないわけです。会社によっては月に数千円から数万円の優遇があるんですから、積み重ねるとかなりの額になります。

いつから老後資金として受け取れるのか

企業型年金でお金を受け取り始めるのは、基本的に60歳からです。あなたが今10代なら、その親が60歳になるまで、お金は会社の指定する機関でずっと運用され続けます。長い期間をかけて、少しずつ増えていくんですね。60歳になったら、その積み立てたお金を「年金」として毎月受け取るか、あるいは「一時金」として一度にもらうか、あるいはその組み合わせで受け取ることができます。これは人によって選択肢が異なるので、その時になって会社や専門家に相談することになります。

会社の負担について知ろう

ここで大事なポイントです。企業型年金に積み立てられるお金は、従業員(つまり親)の給料から引かれるだけではなく、会社も負担しているんです。これを「事業主拠出」と言います。会社は従業員のために、定期的にお金を足してくれるわけ。その額は会社によって違いますが、従業員が給料から引かれるお金よりも、会社が足す額のほうが大きいこともあるんですよ。こう聞くと「えっ、会社ってそんなに従業員のためにお金をかけるの?」と驚くかもしれませんね。でも会社側にも利点があるんです。良い年金制度があると、優秀な人材が集まりやすくなり、従業員の満足度も上がるから、会社全体の業績にもいい影響を与えるんですよ。

自分の給料からいくら引かれるの?

掛金の額は会社や制度によって異なる

企業型年金で毎月給料から引かれるお金のことを「掛金」(かけきん)と言います。つまり、年金制度に積み立てるために拠出するお金という意味ですね。この掛金の額は、会社ごとに、また制度ごとに全く異なります。ある会社では月に3万円かもしれませんし、別の会社では月に1万円かもしれません。その会社の従業員の給料水準や、企業の経営状況によって決まるんです。基本的には会社が「従業員の給料のこのくらいの割合を年金に回そう」と決めて、運用します。

引かれたお金は、あなたの親の個人の口座に積み立てられます。想像してみてください。銀行の普通預金のように、毎月お金が足されていくイメージです。でも、その口座の持ち主(従業員)が勝手に引き出すことはできません。あくまで老後資金として、60歳になるまで切り崩されないものなんです。だからこそ、老後資金が確実に貯まるんですよ。もし年金制度がなかったら、給料をもらっても今の生活費に使ってしまって、老後資金が貯まらないかもしれませんよね。企業型年金は「強制的に」貯金させてくれる仕組みなんです。

掛金の計算方法

掛金がどのように計算されるかというと、会社の制度によって異なります。最も一般的なのは「定額制」。つまり、給料の額に関わらず、毎月一定額が引かれるというやり方です。例えば「全員月に3万円」というように決まっているわけ。別の方法もあって、「給料に対する一定割合」という計算方法もあります。例えば「給料の5%」というように決まっていれば、給料が高い人はより多く、給料が低い人はより少なく引かれます。

そしてね、「マッチング拠出」という仕組みもあるんです。これは、会社が用意した掛金の額に加えて、従業員が自分の給料からさらに追加でお金を積み立てることができる制度。例えば、会社が月に3万円拠出しているなら、従業員が月に1万円追加して、合わせて月に4万円にすることができるというわけです。これは任意なので、やりたい人だけが追加で積み立てるんですよ。手取りが減るのは嫌だという人は、会社の分だけ受け取ります。

税金が安くなる仕組み

給料から企業型年金の掛金が引かれるとき、その引かれたお金は「課税所得かぜいしょとく」から除外されるんです。課税所得かぜいしょとくって何かというと、所得税しょとくぜいを計算するときの基準になるお金のこと。もし月給が30万円だとします。そこから企業型年金で月に3万円が引かれたら、税金の計算では「27万円が給料」ということになるわけです。実際には3万円受け取ってないのに、税金は27万円分だけかかるということ。つまり3万円分の税金を払わなくてもいいんですよ。

これがどのくらいお得かというと、所得税しょとくぜいは給料が多いほど高い率がかかるんです。累進税率(るいしんぜいりつ)といって、給料が多いほど税率が高くなる仕組みがあるんですね。だから、給料から引かれるお金が大きいほど、節税せつぜい効果は大きくなります。年間で数万円の税金が安くなることもあるんですよ。これは見方を変えると、会社と従業員が一緒に「税金のシステムをうまく活用して、老後資金を効率的に増やしている」ということなんです。

どうやってお金が増えるの?

運用機関が投資で増やす仕組み

引かれたお金は、会社が指定する「運用機関」というところに預けられます。ここは銀行や証券会社のような、お金の運用を専門とする会社です。その運用機関は、預かったお金を株や債券、不動産などの投資商品で運用するんです。想像してみてください。あなたが銀行に預金すると、銀行はそのお金を企業に貸し出したり、投資したりしますよね。企業型年金の運用機関も、同じようなことをしているんです。ただし、個人の普通預金よりも、ずっと大きな額を、複雑な方法で運用するんですよ。

運用機関は、従業員の年齢やリスク耐性に応じて、複数の投資商品を組み合わせます。これを「ポートフォリオ」といって、つまり「複数の投資商品の組み合わせ」ということですね。若いときは、リスクがあっても利益が出やすい株式をたくさん入れる。年を取ってきたら、安定性の高い債券を多くする。こういう風に、年齢に応じてバランスを変えていくんです。このおかげで、一気にお金が減るリスクを避けながら、少しずつ増やしていくことができるんですよ。

利息と運用益の違い

銀行の普通預金なら「利息」というお金が付きますよね。でも企業型年金の場合は「運用益」という形でお金が増えます。利息と運用益の違いって何かというと、利息は銀行が「このくらい付けます」と決めた、比較的決まった額なんです。対して運用益は、市場の動きに応じて変わるんですよ。株が上がれば運用益も増えるし、株が下がれば運用益も減る。つまり、運用益は不確定なものなんです。

だからこそ、運用機関は「できるだけリスクを減らす」という工夫をするんですね。複数の投資商品を組み合わせることで、片方で損が出ても、もう片方で利益が出て、全体のバランスが取れるようにするわけ。これを「分散投資」(ぶんさんとうし)といって、つまり「卵を一つのカゴに入れないで、複数のカゴに分ける」という考え方なんです。もし一つのカゴが落ちても、他のカゴは無事だからね。

長期運用だからこそ増える

企業型年金の最大のメリットが、「長い期間をかけて運用できる」ということなんです。あなたの親が30代で年金制度に入ったなら、60歳になるまで約30年間、ずっとお金を運用し続けるわけ。この30年間は、いろいろなことが起こります。景気がいい時期もあれば、悪い時期もある。株が上がる時期もあれば、下がる時期もある。でも、30年という長い期間があれば、短期的な変動なんて気にしなくていいんですよ。

例えば、月に3万円を30年間積み立てたら、合計で1,080万円になります。でも実際には、運用益がプラスされるから、1,200万円や1,300万円、あるいはそれ以上になることもあるんですよ。会社が上乗せしてくれたら、さらに増えます。このように「時間の力」を使って、お金が増えていくんです。短期的な投資は失敗しやすいけど、長期投資は成功しやすいというのは、投資の基本なんですよ。

老後に本当にもらえるの?

60歳以降の受取選択肢

企業型年金で積み立てたお金は、60歳に達したら受け取ることができます。「受け取る」といっても、何パターンかあるんです。一つ目は「年金として毎月受け取る」というもの。例えば、積み立てた総額が1,200万円なら、それを20年で割って、毎月5万円ずつ受け取るというやり方です。これは「年金」という形なので、毎月決まった額が支払われます。あるいは「一時金」という形で、積み立てた額を一度にもらうこともできます。1,200万円全部を一度に受け取るわけです。会社によっては、年金と一時金の両方を組み合わせることもできるんですよ。例えば、600万円を一時金でもらって、残りの600万円を年金で毎月受け取るとかね。

受取にかかる税金

ここで大事なのが、受け取るときの税金です。年金として受け取る場合と、一時金として受け取る場合で、かかる税金の額が違うんです。年金として受け取る場合は、「雑所得」という扱いになって、受け取った額の一部が税金の対象になります。一時金として受け取る場合は、「一時所得」という扱いになって、やはり税金がかかるんですけど、計算方法が違うんですよ。

どちらが得かというと、その人の状況によって変わるんです。例えば、一度に大きなお金が必要な人は、一時金で受け取ってから貯金を使うほうがいいかもしれません。でも、毎月の生活費が足りない人は、年金で毎月受け取ったほうが、生活が安定するかもしれませんね。税金の面では、正社員として働いているうちは、給料からいろいろな税金が引かれていますが、60歳以降は働き方が変わる人も多いから、税金の計算も変わるんですよ。だから、受け取り方は、60歳が近づいてから、専門家に相談して決めるのが一般的なんです。

会社を辞めた場合はどうなるの?

「もし途中で会社を辞めたら、積み立てたお金はどうなるの?」という質問はよくあります。安心してください。途中で会社を辞めても、積み立てたお金は返ってきます。「脱退一時金」という形で、それまで積み立てた額を一度に受け取ることができるんです。ただし、会社によっては手続きに時間がかかることもあるし、税金がかかることもあります。また、ある程度の期間(通常は数年以上)働いていないと、脱退一時金を受け取れない場合もあるんですよ。

あるいは、転職先の会社も企業型年金制度を持っていれば、積み立てたお金をそちらに「移換」することもできます。つまり、前の会社で積み立てたお金を、新しい会社の年金制度に移してもらうわけ。こうすれば、税金も最小限に抑えられるし、新しい会社での年金と一緒に運用することができるんです。企業型年金は、あくまで「従業員のための制度」だから、従業員が不利にならないように、いろいろな選択肢が用意されているんですよ。

企業型年金のメリットとデメリット

メリット①税金が安くなる

企業型年金の最大のメリットが、税金の優遇なんです。給料から引かれたお金は「課税所得かぜいしょとく」から除外されるから、その分の所得税しょとくぜい住民税じゅうみんぜいが安くなります。さっきも説明しましたが、年間で数万円の節税せつぜい効果があることもあります。これは「強制貯金」でありながら、税金の優遇も受けられるという、すごくお得な制度なんですよ。

メリット②会社の上乗せがある

会社は従業員の掛金に加えて、自分たちのお金も足してくれます。これを「事業主拠出」といいますね。つまり、従業員が月に3万円積み立てるなら、会社が月に3万円足して、合わせて月に6万円が積み立てられるというわけです。これは本当にお得。従業員が給料から出したお金の倍のお金が、老後資金として貯まっていくんですから。

メリット③長期投資の安定性

30年、40年という長い期間をかけて、複数の投資商品に分散投資するから、リスクが低いんです。短期的には株価が下がることもありますが、長期的には上がることが多いんですよ。だから、時間をかけることで、リスクを減らしながらお金を増やしていけるわけです。

デメリット①途中でお金が引き出せない

企業型年金の最大のデメリットが、基本的に60歳までお金が引き出せないということなんです。給料から毎月引かれるから、手取りは減ります。でも、何か急にお金が必要になっても、その中から勝手に引き出すことはできないんですよ。あくまで「老後資金」として、60歳まで触ることができないお金なんです。

デメリット②運用リスクがある

銀行預金と違って、運用益は保証されていません。市場の動きに左右されるから、場合によっては元本割れすることもあるんです。つまり、積み立てた額よりも、60歳のときに受け取る額が少なくなることもあるということ。もっとも、長期投資だからそこまでひどいことは少ないけど、リスクがあることは頭に入れておく必要があります。

デメリット③会社依存になる

企業型年金は、会社が制度を続ける限り成り立つんです。もし会社が経営難になって、制度を廃止することになったら、どうなるか。積み立てたお金は返ってきますが、その後の運用はどうなるのか、という不安があるんですよ。また、会社が倒産したら、どうなるのかという心配もありますね。もっとも、これはめったにあることじゃありませんが、リスクとして考えておく必要があります。

現代における重要性

最後に、企業型年金が現代においてなぜ重要なのかをお話しします。日本は少子高齢化が進んでいます。つまり、子どもが減って、年寄りが増えているんですね。昔は、公的年金こうてきねんきん(国からもらえる年金)だけで老後が過ごせましたが、今はそれだけでは足りない時代になってきました。だから、企業型年金のような「上乗せの年金制度」が、ますます重要になってきたんです。

また、人生100年時代と言われていますね。つまり、100歳まで生きることが珍しくなくなったということ。昔は60歳から85歳までの25年間の老後資金を用意すればよかったけど、今は60歳から100歳まで、40年間の老後資金が必要な時代になってきたんですよ。そんな長い期間を過ごすためには、企業型年金のような「長期でコツコツ貯める仕組み」が本当に大事になってくるわけです。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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