退職所得って何?わかりやすく解説

親が会社を辞める時、会社からまとまったお金(退職金)がもらえることがあるよ。でも、その時に気になるのが「税金ってどのくらい払うの?」という疑問。実は、退職金にかかる税金の計算は、給料の税金とは違う特別なルールがあるんだ。この記事を読めば、退職金の税金がどう計算されるのか、なぜそんなルールなのかが、スッキリわかるよ。

先生、退職所得って何ですか?給料と何が違うんですか?

いい質問だね。退職所得っていうのは、会社を辞める時にもらう退職金のこと。つまり、普通の給料ではなくて、何年間も働いた終わりにまとめてもらうお金だから、税金の計算が特別なんだ。
へえ、なぜ特別なんですか?普通の給料と同じじゃダメなの?

いい質問!退職金は、何十年も働いてきた人生の終わりにもらう大事なお金だからね。もし普通の給料と同じように税金を計算したら、すごく高い税金を払うことになっちゃう。だから政府は、退職金には優しい税制を用意したんだよ。それが退職所得控除しょとくこうじょっていう制度。
退職所得控除しょとくこうじょ?それってお金が戻ってくる感じですか?

そうだね!つまり、退職金から一定額を差し引いてから税金を計算する、という仕組みなんだ。例えば、退職金が1000万円で、退職所得控除しょとくこうじょが400万円なら、1000万円から400万円を引いた600万円に対してだけ税金がかかる。長く働いた人ほど控除こうじょ額が大きくなるから、より多くのお金が税金から守られるんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 会社を辞める時にもらう 退職所得 には特別な税金計算ルールがある
  2. 働いた年数に応じて 退職所得控除しょとくこうじょ という額が決まり、税金から守られる
  3. 同じ退職金でも、長く働いた人ほど払う税金が安くなる仕組み
目次

もうちょっと詳しく

退職所得というのは、給料と全く別の税金計算をする仕組みがあります。これは、長年会社で働いてくれた人が、最後にもらう大事なお金だからです。政府は「人生の大事な時期にたくさん税金を払わせるのはかわいそう」と考えて、優遇措置を用意しました。その中で一番大きい制度が退職所得控除しょとくこうじょです。働いた期間が長いほど、控除こうじょ額が多くなるので、最終的に支払う税金が減るんですよ。

💡 ポイント
退職金は「人生の大事なお金」だから、税金が優しい制度になっている

⚠️ よくある勘違い

❌ 「退職金は税金がかからない」
→ 実は税金はかかります。ただ、優しい計算方法で計算されるだけです。退職所得控除しょとくこうじょを引いた後の金額に対して税金が発生します。
⭕ 「退職金には特別な控除こうじょがあって、税金が安くなる」
→ これが正解。退職所得控除しょとくこうじょという制度のおかげで、同じ金額のお金をもらっても、退職金の方が税金が少なくなるんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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退職所得とは、会社を辞める時にもらうお金のこと

給料とは違う、人生の大事な時期のお金

人生の中で、ほとんどの大人は、何十年も同じ会社で働きます。中学生の君の親も、おそらく会社に勤めているかもしれないね。その会社が、従業員が辞める時に、これまでの貢献に対してお礼のお金をくれることがあります。それが退職金です。退職所得っていうのは、この退職金のことを、税金の世界で呼ぶ名前なんですよ。

普通の給料とは違って、退職金は「まとまった大きなお金が、一度だけもらえる」というのが特徴です。例えば、毎月30万円のお給料を40年もらい続けるより、40年分が合計1500万円になって、会社を辞める時に一度にもらう、みたいなイメージだね。このまとまったお金だからこそ、税金の計算も特別な方法になるんです。

なぜ特別な方法なのかというと、政府が「人生の最後の時期に、まとめて大きなお金をもらう人は、その時だけ収入が高くなるけど、これは一時的なものだから、税金を優しくしてあげよう」と考えたからです。給料をずっともらい続けている人と同じ割合で税金を計算したら、むちゃくちゃ高い税金を払うことになっちゃいますからね。

退職金はいつもらえるの?

退職金をもらえるタイミングは、基本的には会社を辞めた時です。ただし、会社によってルールが違います。すぐにもらえる会社もあれば、何年も後にもらえる会社もあります。例えば、Aさんが60歳で会社を辞めた場合、その日のうちに退職金をもらえることもあれば、3年後にもらうことになることもあるってわけです。

また、大事なポイントとして、全ての会社が退職金を用意しているわけではありません。特に小さな会社では、退職金制度がない場合もあります。また、公務員(役所で働く人たち)は、退職金のルールが公務員専用の別な制度になっています。つまり、退職所得という言葉は、主に民間企業で働く人たちがもらう退職金を指すんです。

退職所得控除しょとくこうじょの計算方法 ─ 長く働いた人ほど得をする仕組み

退職所得控除しょとくこうじょって何なの?

これが、退職金に関する最も重要な制度です。退職所得控除しょとくこうじょというのは、つまり「退職金から、一定のお金を差し引いて、その後で税金を計算しましょう」という仕組みなんですよ。普通の給料の場合は「給料」から税金を計算しますよね。でも退職金の場合は「退職金から控除こうじょ額を引いた金額」から税金を計算するんです。

イメージとしては、こんな感じです。例えば君が学校の文化祭で物を売って、売上が1万円だったとします。でも、商品を作るのに3000円かかったから、1万円から3000円を引いた7000円が、実際の儲けになりますよね。それと同じで、退職金から控除こうじょ額を引いた金額が、「税金を計算する対象のお金」になるんです。だから、控除こうじょ額が大きいほど、税金を計算する金額が小さくなって、最終的に払う税金が少なくなるんだよ。

控除こうじょ額は働いた年数で決まる

では、退職所得控除しょとくこうじょの額は、どうやって決まるのか。これが大事なポイントなんですが、働いた年数によって控除こうじょ額が決まるんです。つまり、長く働いた人ほど、控除こうじょ額が大きくなるということ。これは、政府の「長く働いてくれた人には報いたい」という気持ちが表れた制度なんですよ。

具体的な計算方法は以下の通りです。

勤続年数が20年以下の場合:
退職所得控除しょとくこうじょ額 = 40万円 × 勤続年数

例えば、10年働いた人の場合、40万円×10年=400万円が控除こうじょ額になります。15年働いた人なら、40万円×15年=600万円が控除こうじょ額になりますね。

勤続年数が20年を超える場合:
退職所得控除しょとくこうじょ額 = 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

例えば、30年働いた人の場合、800万円+70万円×(30年-20年)=800万円+700万円=1500万円が控除こうじょ額になります。40年働いた人なら、800万円+70万円×(40年-20年)=800万円+1400万円=2200万円が控除こうじょ額になるんです。

控除こうじょ額を引いた後の金額に税金がかかる

では実際に、どのくらい税金を払うことになるのか、見てみましょう。退職金が2000万円で、勤続年数が30年だった場合を例に考えてみます。

まず、退職所得控除しょとくこうじょ額を計算します。30年働いたから:
800万円+70万円×(30年-20年)=1500万円

次に、退職金から控除こうじょ額を引きます:
2000万円 – 1500万円 = 500万円

この500万円が、「税金の計算の対象になる金額」になるんです。税金は、この500万円に対してかかります。つまり、2000万円全体に対して税金がかかるわけではなく、1500万円分は「税金から守られている」ということなんですよ。これが、退職金が優遇されている理由です。

退職所得の税金の計算方法と金額

二つの計算方法がある

退職金の税金には、ちょっと複雑なところがあります。実は、計算方法が二つあるんです。一つは「退職所得の受給に関する申告書」という書類を、会社に出す場合。もう一つは、その書類を出さない場合です。書類を出すかどうかで、税金の計算が変わるんですよ。

ほとんどの場合、退職者は「退職所得の受給に関する申告書」という書類を会社に出します。そうすると、会社が税金を正しく計算して、給料から天引きしてくれるんです。この場合が、一番税金が安くなる計算方法なんですよ。これを「源泉徴収げんせんちょうしゅう」といいます。つまり、給料から税金を天引きしてもらう仕組みですね。

もし書類を出さなかった場合は、税金が高くなってしまいます。だから、会社を辞める時には、必ずこの申告書を出すことが大事なんです。

実際の税金はどのくらい?

では、実際に払う税金がいくらになるのか、見てみましょう。さっきの例と同じ、退職金が2000万円、勤続年数が30年の場合を考えます。

退職金から控除こうじょ額を引いた500万円に対して、税金がかかります。この部分の税金は、実は「半分」だけ税金がかかるという特別ルールがあるんです。これを「1/2課税」と呼びます。つまり、500万円の半分である250万円分が、税金計算の対象になるんですよ。

その250万円に対して、通常の所得税しょとくぜいの税率(累進課税るいしんかぜいといって、金額が大きいほど税率が高くなる制度)が適用されます。250万円なら、税率は20%か23%くらいになるので、250万円×20%=50万円くらいの税金になります。これに、さらに復興特別所得税しょとくぜい(東日本大震災のために全国民が払う税金)と、住民税じゅうみんぜいが加わるんです。

つまり、2000万円の退職金をもらっても、実際に手元に残るお金は、1800万円以上になるんですよ。もし退職所得控除しょとくこうじょがなかったら、もっと高い税金を払うことになってしまいます。

退職金の一部をもらう場合もある

退職金は、必ずしも全額を一度にもらうわけではありません。会社の制度によっては、年金のように毎年もらう選択肢がある場合もあります。これを「退職年金」と呼ぶことがあります。この場合は、退職所得ではなく「雑所得」という別な種類の所得扱いになって、税金の計算も変わるんです。

だから、会社を辞める時には、「一括でもらうのか、毎年もらうのか」をよく考える必要があります。どちらを選ぶかで、税金の額が大きく変わってくることもあるからです。

退職所得をもらう時の実務的なポイント

申告書を出すことが大事

退職金をもらう時に、最も大事なのは「退職所得の受給に関する申告書」を、会社に提出することです。この書類には、生年月日や、今までの勤続年数などを書きます。会社がこの書類を見ることで、正しい控除こうじょ額を計算でき、正しい税金を天引きしてくれるんですよ。

もしこの書類を出さなかったら、会社はどの計算方法を使ったらいいか分からなくなります。そうなると、法律で決められた計算方法(税金が高くなる方法)を使うことになってしまいます。だから、必ずこの書類を出す必要があるんです。

また、この書類は「在職中」に出さないといけません。会社を辞めた後から出しても、遅いんです。だから、退職日が決まったら、早めに人事部門に相談して、申告書をもらって提出することが大事なんですよ。

複数の会社で働いた場合

人生の中で、一つの会社で働き続ける人もいれば、いくつかの会社で働く人もいます。例えば、最初の会社で20年働いて、辞めて、別の会社で15年働いた場合、どうなるのでしょう。

この場合、退職所得控除しょとくこうじょは、最後の会社を辞める時だけ計算されるんです。つまり、最後の会社での勤続年数(15年)だけが対象になるということ。最初の会社での20年の勤続は、税金計算の対象にならないんです。これは、ちょっと損をした気分になるかもしれませんが、法律がそういうルールだから仕方がないですね。

ただし、前の会社の退職金も、もしもらっていたら、その時の控除こうじょ額とは別に計算されます。つまり、会社ごとに退職金をもらった時に、その時の勤続年数で控除こうじょ額を計算するんですよ。

退職金がない人や、もらえない場合

会社によっては、退職金の制度がない場合もあります。特に、小さな会社や、最近できた会社では、退職金がないこともあります。また、会社を辞める理由によって、退職金がもらえない場合もあります。例えば、クビになった場合や、就業規則に違反して辞めさせられた場合など、退職金が減額されたり、もらえなくなったりすることもあるんです。

だから、会社に入る時から、「この会社には退職金の制度があるのか」「もしあるなら、どのくらいもらえるのか」ということを、知っておくことが大事なんですよ。

退職金とふるさと納税ふるさとのうぜいや保険の関係

退職金をもらった年は、その年の総所得がすごく高くなります。そのため、ふるさと納税ふるさとのうぜいをしたい時に、「今年はいくらまでふるさと納税ふるさとのうぜいできるのか」という計算が複雑になるんです。退職金をもらった年のふるさと納税ふるさとのうぜいは、事前に税理士さんに相談するのがいいですね。

また、退職金を使って、医療保険や生命保険に入ろうと考える人も多いです。その場合も、保険料が高いか安いか、よく計算してから契約することが大事です。人生の最後の大事なお金だからこそ、よく考えて使うことが大事なんですよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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